肝臓機能の良さ(アルブミン)
- アルブミンは肝臓で作られる、血液中のおもなタンパク質で、基準値4.1〜5.1g/dLは肝臓の健康状態を知るための大切な目安です。
- DNA領域rs4806080のTタイプを持つ人はアルブミン値が高い傾向があることが、スタンフォード大学の研究で分かりました。
- 良質なタンパク質をとる・適度な運動をする・肝臓への負担を減らすことで、アルブミン値を保ったり良くしたりできます。
概要
【疾患の概要】 アルブミンは、肝臓で作られる大切なタンパク質で、いくつかの重要な役割を持っています。 血管の中に水分を引き止める力(膠質浸透圧)を保ち、血液の量と流れを整え、ホルモンやビタミンなどを血液に乗せて運びます。
【主な特徴と影響】 肝臓が健康なとき、アルブミンの量はふつう4.1〜5.1g/dLです。これは、肝臓がタンパク質を十分に作れていることを表しています。
【治療と注意点】 アルブミンの量をちょうどよく保つことはとても大切です。アルブミンの量は、肝臓の健康と体の代謝(体の中で物質を作ったり分解したりするはたらき)を知るための大事な目安になります。 アルブミンが少なくなると(低アルブミン血症)、体の水分のバランスがくずれ、むくみ(浮腫)やお腹に水がたまる腹水などが起こる可能性があります。 アルブミンが異常に多くなることはめったになく、多くても通常は問題のサインではありません。 この値を知ることは、今の肝臓の状態を知るだけでなく、肝臓の病気を見つけたり、治療の効き目を確かめたりするうえでもとても大切です。 医師などの医療の専門家にとって、肝臓のはたらきと健康を調べるときに欠かせない情報です。
【遺伝的リスク】 スタンフォード大学のSinnott-Armstrongらの研究で、肝臓のはたらきの目安であるアルブミンの量が、rs4806080というDNA領域と関係していることが分かりました。 このDNA領域にはCC、CT、TTの3つの遺伝子型があり、Tを持つ遺伝子型の人は、アルブミンの量が多い傾向があることが分かりました。
アルブミンとは何か
アルブミンは、肝臓で作られる、血液中のおもなタンパク質です。血管の中に水分を引き止める力(膠質浸透圧)を保つこと、血液の量と流れを整えること、ホルモンやビタミンなどを運ぶことなど、大切な役割を持っています(1)。
アルブミンの主な機能
- 膠質浸透圧(水分を引き止める力)の維持:血管の中と外の水分のバランスを保ちます。
- 物質を運ぶ:ホルモン・ビタミン・薬を血液に乗せて運びます。
- 血液の量の調節:体をめぐる血液の量をちょうどよく保ちます。
- 体をさびから守るはたらき(抗酸化作用):体をさびつかせる有害な物質(活性酸素など)を取り除くのに関わります。
アルブミンの基準値と、異常な値の意味
| 区分 | アルブミン値 (g/dL) | 状態 |
|---|---|---|
| 正常値 | 4.1〜5.1 | 肝臓がきちんとタンパク質を作れています。 |
| 少し低い | 3.5〜4.0 | 肝臓のはたらきの低下や栄養不足の可能性 |
| 低アルブミン血症 | 3.5未満 | むくみ・腹水が起こりやすくなります。 |
アルブミン値が下がる原因
アルブミン値が下がるおもな原因は次のとおりです。
- 肝臓の病気:肝硬変・肝炎などで、アルブミンを作る力が落ちます。
- 腎臓の病気:ネフローゼ症候群(腎臓の病気)で尿にもれ出ます。
- 栄養不足:タンパク質をとる量が足りません。
- 炎症の病気:長く続く炎症で多く使われます。
アルブミン値を保つ・良くする方法
アルブミン値を保ったり良くしたりするには、次の方法が役立ちます。
- 良質なタンパク質をとる:卵・魚・大豆製品・肉類をバランスよく食べます。
- 適度な運動:肝臓の代謝(物質を作ったり分解したりするはたらき)を助けます。
- お酒をやめる・減らす:肝臓への負担を減らす
- 定期的な血液検査:早めに異常を見つけて対処します。
- 遺伝子検査:自分の遺伝子の傾向を知り、予防に取り組みます。
遺伝子とアルブミン値の関係
DNA領域rs4806080とアルブミン値の関係
スタンフォード大学のSinnott-Armstrongらの研究(1)で、DNA領域rs4806080がアルブミン値と関係していることが分かりました。
- rs4806080にはCC・CT・TTの3つの遺伝子型があります。
- Tを持つ遺伝子型(TT型・CT型)の人は、アルブミン値が高い傾向があります。
日本人における遺伝子型分布(rs4806080)
| 遺伝子型 | 日本人の割合 | 世界の割合 |
|---|---|---|
| CC型 | 55.5% | 16.3% |
| CT型 | 37.9% | 48.1% |
| TT型 | 6.4% | 35.4% |
検査の科学的な根拠
代表的なDNA領域:肝臓機能の良さ(アルブミン)
肝臓機能の良さ(アルブミン) に最も強く影響するDNA領域は、rs4806080です。 日本でのそれぞれの遺伝子型の人の割合は下記のとおりです。
- CC
55.5 % - CT
37.9 % - TT
6.4 %
検査の根拠
スタンフォード大学のSinnott-Armstrongらの研究で、肝臓のはたらきの目安であるアルブミンの量が、遺伝子と関係していることが分かりました。人のDNAには、rs4806080という場所があり、そこにはCとTの2種類の違いがあります。Tタイプを持つ人は、アルブミンの量が多い傾向があることが分かりました(1)。
今回調査したDNA領域
細胞の中にあるDNAの地図のイメージ図
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関連遺伝子
| 関連遺伝子 | HPN-AS1 |
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よくある質問
Q1. アルブミンとは何ですか?
アルブミンは肝臓で作られる、血液中のおもなタンパク質です。血管の中に水分を引き止める力(膠質浸透圧)を保つこと、血液の量を整えること、ホルモンやビタミンなどを運ぶことを担っています。基準値は4.1〜5.1g/dLで、肝臓の健康状態を知るための大切な目安です(1)。
Q2. アルブミン値が低いとどうなりますか?
アルブミン値が下がると(低アルブミン血症)、体の水分のバランスがくずれ、むくみ(浮腫)やお腹に水がたまる腹水などの症状が出ます。主な原因は、肝硬変(肝臓が硬くなる病気)・ネフローゼ症候群(尿にタンパク質がたくさん出てしまう腎臓の病気)・栄養不足です。
Q3. 遺伝子検査でアルブミン値の傾向は分かりますか?
DNA領域rs4806080の遺伝子型を調べると、アルブミン値の傾向が分かります。Tを持つ遺伝子型(TT型・CT型)の人はアルブミン値が高い傾向があることが、スタンフォード大学の研究で分かっています(1)。
Q4. アルブミン値を良くする方法はありますか?
良質なタンパク質(卵・魚・大豆製品)をとること、適度な運動、お酒をやめる・減らすことで肝臓への負担を減らし、定期的な血液検査で早めに異常を見つけることが役立ちます。