リンパ性白血病(急性リンパ芽球性白血病)
- 急性リンパ性白血病(ALL)は未成熟リンパ芽細胞が異常増殖する血液がんで、小児がんの中で最も頻度が高い
- DNA領域rs61965473のC型変異を持つ人は発症リスクが高い傾向にあることが研究で判明
- 特に小児の場合、適切な治療により寛解率は約85〜90%と高い治療成績が報告されている
概要 急性リンパ性白血病(ALL)は血液と骨髄のがんの一種です。 未成熟な白血球、リンパ芽細胞または白血病芽細胞の過剰生産によって発症し、体の免疫システムに不調をもたらします。 ALLの患者では、これらの未成熟細胞が急速に増殖し、骨髄を圧迫することで健康な血液細胞(赤血球、白血球、および血小板)の生産を妨げます。 そして骨髄不全により、疲労や青白い肌、息切れ、感染症への免疫低下(成熟した白血球が不足しているため)、および血小板の不足による多量の出血などの症状が見られます。 さらに、体内に白血病細胞が多くなると、検査によって骨や関節の痛み、リンパ節や肝臓、脾臓の腫れが発見されるケースがあります。 また、感染症を罹っていない状態でも発熱や全体的な不調を感じる場合もあります。 診断では、未成熟細胞と芽細胞の存在を確認する血液検査、および白血病細胞の存在を確認するための骨髄検査が必要です。 ALLは早く進行することがありますが、特に子供の場合においては適切な治療により寛解(症状が消える状態)することが多くみられます。 カリフォルニア大学サンフランシスコ校のRashkinらの研究により、リンパ性白血病(急性リンパ芽球性白血病)の罹患リスクがrs61965473というDNA領域と関連していることが明らかになりました。 このDNA領域にはCC、CT、TTの3つの遺伝子型があります。 Cを持つ遺伝子型の人は、リンパ性白血病(急性リンパ芽球性白血病)のリスクが高い傾向にあることが分かりました。
急性リンパ性白血病(ALL)とは何か
急性リンパ性白血病(ALL)は、骨髄中の未成熟なリンパ芽細胞(白血病芽細胞)が異常に増殖する血液がんです。正常な血液細胞の産生が妨げられ、免疫機能・酸素運搬・止血機能に重大な障害を引き起こします。
ALLの発症メカニズム
ALLでは、以下のプロセスで病態が進行します。
- 未成熟リンパ芽細胞の異常増殖:骨髄内でリンパ芽細胞が制御不能に増殖
- 骨髄の圧迫:異常細胞が骨髄を占拠し、正常な造血機能を障害
- 正常血液細胞の産生低下:赤血球・成熟白血球・血小板の産生が著しく減少
急性リンパ性白血病の主な症状
ALLの症状は骨髄不全と白血病細胞の浸潤に起因します。
- 貧血症状:疲労感、蒼白な肌、息切れ(赤血球不足)
- 感染症の頻発:発熱、感染への抵抗力低下(成熟白血球不足)
- 出血傾向:あざができやすい、多量の出血(血小板不足)
- 骨・関節の痛み:白血病細胞の骨髄浸潤による
- リンパ節・肝臓・脾臓の腫れ:白血病細胞の臓器浸潤による
- 原因不明の発熱:感染症がなくても発熱が見られる
ALLの診断方法
以下の検査により診断されます。
- 血液検査(未成熟細胞・芽細胞の存在確認)
- 骨髄検査(白血病細胞の存在確認)
- フローサイトメトリー(細胞の表面マーカー分析)
- 遺伝子検査(染色体異常・遺伝子変異の同定)
ALLの治療と予後
ALLは急速に進行するがんですが、適切な治療により寛解が期待できます。
| 比較項目 | 小児ALL | 成人ALL |
|---|---|---|
| 寛解率 | 約85〜90% | 約60〜80% |
| 5年生存率 | 約90%以上 | 約30〜40% |
| 主な治療法 | 多剤併用化学療法 | 化学療法+造血幹細胞移植 |
| 治療期間 | 約2〜3年 | 約1〜3年 |
遺伝子とALLの関連
DNA領域rs61965473と発症リスクの関係
カリフォルニア大学サンフランシスコ校のRashkinらの研究により、DNA領域rs61965473がリンパ性白血病(急性リンパ芽球性白血病)の罹患リスクと関連していることが判明しました。
- rs61965473にはCC・CT・TTの3つの遺伝子型が存在
- C型変異を持つ遺伝子型の人は、ALLのリスクが高い傾向
日本人における遺伝子型分布(rs61965473)
| 遺伝子型 | 日本人の割合 | 世界の割合 |
|---|---|---|
| CC型 | 99.9% | 96.4% |
| CT型 | 0.1%以下 | 3.5% |
| TT型 | 0.1%以下 | 0.1%以下 |
検査の理論的根拠
体表的なDNA領域:リンパ性白血病(急性リンパ芽球性白血病)
リンパ性白血病(急性リンパ芽球性白血病) に最も強く影響する遺伝子領域は、rs61965473です。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです。
- CC
99.9 % - CT
0.1%以下 - TT
0.1%以下
他に、リンパ性白血病(急性リンパ芽球性白血病)に関わる遺伝子領域はrs9976326があります。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです
- AA
79.1 % - AT
19.6 % - TT
1.2 %
検査の根拠
カリフォルニア大学サンフランシスコ校のRashkinらの研究により、リンパ性白血病(急性リンパ芽球性白血病)の罹患リスクが遺伝子と関連していることが明らかになりました。人間のゲノムには、rs61965473という領域が存在し、その領域の遺伝子にはCとTの2種類の変異があります。Cタイプの変異を持つ人は、リンパ性白血病(急性リンパ芽球性白血病)のリスクが高い傾向にあることが分かりました。
今回調査したDNA領域
細胞中に存在するDNAマップの模式図
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関連遺伝子
| 関連遺伝子 | SOX21-AS1 |
|---|---|
| 関連遺伝子 | ERG |
よくある質問(FAQ)
Q1. 急性リンパ性白血病(ALL)とは何ですか?
急性リンパ性白血病(ALL)は、骨髄中の未成熟なリンパ芽細胞が異常に増殖する血液がんです。正常な血液細胞の産生が妨げられ、貧血・感染症・出血傾向などの症状を引き起こします。小児がんの中で最も頻度が高い疾患です。
Q2. 急性リンパ性白血病の原因は何ですか?
ALLの正確な原因は完全には解明されていませんが、遺伝的要因が関与します。DNA領域rs61965473のC型変異を持つ人はリスクが高い傾向にあることが研究で判明しています。
Q3. 急性リンパ性白血病の症状にはどのようなものがありますか?
主な症状は、疲労感・蒼白な肌(貧血)、感染症の頻発(白血球機能低下)、出血しやすさ(血小板減少)、骨や関節の痛み、リンパ節・肝臓・脾臓の腫れ、原因不明の発熱です。
Q4. 遺伝子検査で急性リンパ性白血病のリスクは分かりますか?
DNA領域rs61965473およびrs9976326の遺伝子型を調べることで、ALLの発症リスク傾向を把握できます。rs61965473のC型変異を持つ遺伝子型の人はリスクが高い傾向にあることが研究で判明しています。