seeDNAロゴアイコン 多発性硬化症(MS)

概要

多発性硬化症(MS)は、脳、脊髄、視神経などの中枢神経系を攻撃する自己免疫疾患です。免疫系が誤って神経の保護被覆であるミエリン鞘を攻撃し、炎症と硬化を引き起こします。
このダメージにより、神経の電気信号が妨げられ、個人によって異なる多様な神経学的な症状が生じます。

MSの症状はさまざまですが、身体的には筋力低下、協調性やバランスの問題、歩行困難、四肢のしびれやピリピリ感、疲労感が現れることがあります。
また、視界のぼやけや複視といった視覚障害もあります。認知的な面では、記憶力や集中力の問題、気分の変動、時にはうつ病などが見られます。MSが進行すると、移動の制限が増えることもあります。
MSの症状は予測できず、変動も激しいです。一時的に安定することもあれば、徐々に悪化することもありますし、再発と寛解(症状が無くなること)の繰り返しも見られます。

マイアミ大学のIMSGCらの研究により、多発性硬化症(MS)の罹患リスクがrs34383631というDNA領域と関連していることが明らかになりました。
このDNA領域にはCC,CT,TTの3つの遺伝子型があり、Tを持つ遺伝子型の人は、多発性硬化症のリスクが高い傾向にあることが分かりました。

遺伝子領域rs34383631において日本で各遺伝タイプを持つ人の割合

53.40% 39.35% 7.25%
  • CC53.40%
  • CT39.35%
  • TT7.25%

遺伝子領域rs34383631において世界で各遺伝タイプを持つ人の割合

37.34% 47.53% 15.12%
  • CC37.34%
  • CT47.53%
  • TT15.12%

遺伝子領域rs9808753において日本で各遺伝タイプを持つ人の割合

23.58% 49.96% 26.46%
  • AA23.58%
  • AG49.96%
  • GG26.46%

遺伝子領域rs9808753において世界で各遺伝タイプを持つ人の割合

72.97% 24.90% 2.12%
  • AA72.97%
  • AG24.90%
  • GG2.12%

seeDNAロゴアイコン検査の理論的根拠

体表的なDNA領域:多発性硬化症(MS)

体表的なDNA領域:多発性硬化症(MS)

多発性硬化症(MS) に最も強く影響する遺伝子領域は、rs34383631です。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです。

  • CC

    53.4
    %
  • CT

    39.3
    %
  • TT

    7.2
    %

他に、多発性硬化症(MS)に関わる遺伝子領域はrs9808753があります。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです

  • AA

    23.6
    %
  • AG

    50.0
    %
  • GG

    26.5
    %

検査の根拠

マイアミ大学のIMSGCらの研究により、多発性硬化症(MS)の罹患リスクが遺伝子と関連していることが明らかになりました。人間のゲノムには、rs34383631という領域が存在し、その領域の遺伝子にはCとTの2種類の変異があります。Cタイプの変異を持つ人は、多発性硬化症のリスクが高い傾向にあることが分かりました。

seeDNAロゴアイコン今回調査したDNA領域

細胞中に存在するDNAマップの模式図

seeDNAロゴアイコン関連遺伝子

関連遺伝子 CD6
関連遺伝子 IFNGR2

seeDNAロゴアイコン参考文献

  • 関連遺伝子 CD6
  • 参考リンク : 2013 Nov、International Multiple Sclerosis Genetics Consortium (IMSGC)と研究グループがNat Genet に発表したAnalysis of immune-related loci identifies 48 new susceptibility variants for multiple sclerosisという研究によると多発性硬化症(MS) に関連するrs34383631の関連性が認められました。
  • 関連遺伝子 IFNGR2
  • 参考リンク : 2019 Sep、International Multiple Sclerosis Genetics Consortiumと研究グループがScience に発表したMultiple sclerosis genomic map implicates peripheral immune cells and microglia in susceptibilityという研究によると多発性硬化症(MS) に関連するrs9808753の関連性が認められました。
  • 関連遺伝子 IFNGR2
  • 参考リンク : 2013 Nov、International Multiple Sclerosis Genetics Consortium (IMSGC)と研究グループがNat Genet に発表したAnalysis of immune-related loci identifies 48 new susceptibility variants for multiple sclerosisという研究によると多発性硬化症(MS) に関連するrs9808753の関連性が認められました。