seeDNAロゴアイコン 筋力の強さ

概要

概要

スポーツやトレーニングにおいて、筋肉の強さはパフォーマンスに大きく影響します。筋肉の強さは、瞬発力型と持久力型の2種類の筋肉が影響し、どちらの種類が優位かは遺伝子によって決まります。
例えば、瞬発力型の人は、筋肉が収縮するスピードが速く、パワーが大きいため、短距離種目に向いています。水泳、短距離走、格闘技などがその例です。
一方、持久力型の人は、筋肉の収縮スピードが遅く、パワーも少ないですが、酸素を使ってエネルギーを効率的に作り出す能力が高いため、長距離種目に向いています。マラソンやトライアスロンがその例です。
自分が瞬発力型、持久力型、またはその両方のバランスが良いかどうかを知ることは、効率的なトレーニング方法や、どのようなスポーツが最適かを選択するために役立ちます。
遺伝子検査で自分の遺伝子タイプを調べて、筋肉の強さの傾向を確認してみることをお勧めします。

理論的根拠

αアクチニン3遺伝子の特定領域(SNP)である「rs1815739」は、瞬発力を生み出す筋肉の新陳代謝に関連するαアクチニン3の産生に影響を与えます。遺伝子型によって、CC、CT、TTの3つのタイプがあります。
オーストラリアのYangらの研究によると、短距離走またはパワー系種目においてオリンピックレベルで活躍する男性選手全員が遺伝子型に(C)を持っていました。一方、持久力系アスリートは遺伝子型にTTを持つ傾向があることがわかっています。(参考リンク1)
日本人の遺伝子型の割合は、CCが20%、CTが54%、TTが26%です。(参考リンク2)
瞬発力型筋肉にしか存在しないという特徴があり、加齢に伴う筋力低下との関連が注目されています。日本体育大学の調査によると、遺伝子型にR(C)を持つ瞬発力が高いタイプの人は持たない人に比べて、筋力テストの成績が優れており、60歳以上の人でより顕著に差が出ました。(参考リンク3)
瞬発力型筋肉の減少が緩やかな生まれつき瞬発力型筋肉が発達しやすい人は、緊急時に必要な瞬発力をより維持できる可能性があります。才能に関する遺伝的な要素を理解した上で、トレーニングの種類や時間を検討し短所を補えることで、長所に変えることができるかもしれません。

作用機序

作用機序について、筋力の強さや瞬発力型筋肉の代謝に関わる遺伝子であるACTN3は、ヒトの24の染色体のうち11番染色体に位置しています。
この遺伝子は、αアクチニン3と呼ばれるタンパク質を生成します。CC、CT、TTの3つの遺伝子型があり、それぞれの型はαアクチニン3中のRR、RX、XXというタイプに対応しています。
Rはアルギニンという成分で構成されるアミノ酸が集まったことを示し、Xはタンパク質合成の停止を示します。このため、αアクチニン3を構成するアミノ酸がRからXに変化すると、瞬発力型筋肉の発達に影響が出ます。(参考リンク4)
遺伝子型によって、筋肉が太くなりやすく、力が強くスピードが速くなり、スポーツやトレーニングに関連する怪我をしにくくなるという研究があります。(参考リンク5)
ただし、遺伝子型がTTでも、代わりにαアクチニン2が働くため、病気になることはありません。また、遺伝子型がTTであるからといって短距離走が苦手になるわけではありません。
以上のように、「rs1815739」は、筋力の強さや瞬発力型筋肉の発達に関わるSNPの1つとして注目されています。

遺伝子領域rs1815739において日本で各遺伝タイプを持つ人の割合

23.58% 49.96% 26.46%
  • TT23.58%
  • TC49.96%
  • CC26.46%

遺伝子領域rs1815739において世界で各遺伝タイプを持つ人の割合

18.57% 49.05% 32.39%
  • TT18.57%
  • TC49.05%
  • CC32.39%

seeDNAロゴアイコン検査の理論的根拠

体表的なDNA領域:筋力の強さ

体表的なDNA領域:筋力の強さ

筋力の強さ に最も強く影響する遺伝子領域は、rs1815739です。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです。

  • TT

    23.6
    %
  • TC

    50.0
    %
  • CC

    26.5
    %

検査の根拠

seeDNAロゴアイコン今回調査したDNA領域

細胞中に存在するDNAマップの模式図

seeDNAロゴアイコン関連遺伝子

関連遺伝子 ACTN3

seeDNAロゴアイコン参考文献

  • 関連遺伝子 ACTN3
  • 参考リンクなし : 、と研究グループが に発表したという研究によると筋力の強さ に関連するrs1815739の関連性が認められました。