骨髄異形成症候群
概要
赤血球分布幅(RDW)は、赤血球のサイズのばらつきを示す血液検査の数値です。通常、赤血球のサイズは比較的均一であり、RDW値は低くなります。
しかし、貧血や栄養不足、血液疾患がある場合、赤血球のサイズにばらつきが生じ、RDW値が高くなります。
RDWとMDSには相関関係があり、MDS患者では骨髄造血機能の障害により、赤血球のサイズにばらつきが生じます。そのため、RDW値の上昇はMDSである可能性を示唆します。
ただし、RDWの上昇はMDS以外の原因でも見られることがあります。例えば、鉄欠乏性貧血、ビタミンB12欠乏症、その他の慢性的な疾患でもRDWが上昇することがあります。
また、すべてのMDS患者がRDWの上昇を示すわけではありません。そのため、RDWの異常は全血球計算、骨髄形態学、細胞遺伝学などの臨床所見と合わせて判断する必要があります。
RDWは血液検査項目の一つであり、RDWの上昇を把握することで、MDSの早期発見につながる可能性がありますが、MDS以外の骨髄不全疾患にも注意する必要があります。
米国国立心肺血液研究所のChenらの研究により、骨髄異形成症候群の罹患リスクがrs11872481というDNA領域と関連していることが明らかになりました。
このDNA領域にはGG、AG、AAの3つの遺伝子型があり、Gを持つ遺伝子型の人は、骨髄異形成症候群のリスクが高い傾向にあることが分かりました。
遺伝子領域rs11872481において日本で各遺伝タイプを持つ人の割合
- GG100.00%
- GA0.00%
- AA0.00%
遺伝子領域rs11872481において世界で各遺伝タイプを持つ人の割合
- GG79.44%
- GA19.37%
- AA1.18%
検査の理論的根拠
体表的なDNA領域:骨髄異形成症候群
体表的なDNA領域:骨髄異形成症候群
骨髄異形成症候群 に最も強く影響する遺伝子領域は、rs11872481です。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです。
-
GG
100.0% -
GA
0.0% -
AA
0.0%
検査の根拠
米国国立心肺血液研究所のChenらの研究により、骨髄異形成症候群の罹患リスクが遺伝子と関連していることが明らかになりました。人間のゲノムには、rs11872481という領域が存在し、その領域の遺伝子にはGとAの2種類の変異があります。Gタイプの変異を持つ人は、骨髄異形成症候群のリスクが高い傾向にあることが分かりました。
今回調査したDNA領域
細胞中に存在するDNAマップの模式図
- ■
- ■
- ■
- ■
- ■
- ■
- ■
- ■
- ■
関連遺伝子
| 関連遺伝子 | NDUFV2-AS1 |
|---|
参考文献
-
関連遺伝子 NDUFV2-AS1
- 参考リンク : 2020 Sep、Ming-Huei Chenと研究グループがCell に発表したTrans-ethnic and Ancestry-Specific Blood-Cell Genetics in 746,667 Individuals from 5 Global Populationsという研究によると骨髄異形成症候群 に関連するrs11872481の関連性が認められました。