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神経精神障害

神経精神障害のイメージ画像
  • 神経精神障害は、脳や神経の症状と心の症状がいっしょにかかわる病気のまとまりで、うつ病・統合失調症・注意欠如・多動症・認知症など、さまざまな病気を含みます。
  • DNA領域rs1378559のT型変異を持つ人は神経精神障害のリスクが高い傾向にあることが、天津医科大学の研究で分かりました。
  • 適切な薬による治療・心理療法・生活習慣の改善を組み合わせることで、症状をコントロールし、生活の質を高めることができます。

概要

【疾患の概要】 神経精神障害は、脳や神経の病気としての症状と、心の病気としての症状の両方がかかわる、幅広い病気のまとまりです。 考える力(認知機能)、感情、行動に複雑な影響を与えます。

【症状と特徴】 原因は、生まれ持った遺伝子の影響、まわりの環境、脳のけが、脳内の化学物質のバランスの乱れなどさまざまです。 うつ病、双極性障害、統合失調症、不安障害、注意欠如・多動症、自閉スペクトラム症、認知症などが含まれます。 神経精神障害のある人は、気分の浮き沈み、幻覚(実際にはないものが見えたり聞こえたりすること)、妄想(事実でないことを強く信じこむこと)、不安、もの忘れなどの認知機能の低下、集中しにくさ、人との交流を避けること(社会的引きこもり)など、さまざまな症状を経験します。 これらの症状は日常生活に大きな影響を与え、人間関係や仕事のはかどり具合、生活全体に影響する可能性があります。

【治療と注意点】 これらの病気は複雑なため、精神科医、神経の専門医、心理の専門家などの医療の専門家による診断と治療が必要です。 治療法には、薬による治療、カウンセリングなどの心理療法、行動療法、一人ひとりに合わせて脳の働きを整える治療(神経調節療法)などがあります。 神経精神障害とうまく付き合うには、脳や神経の面と心の面がどうかかわり合っているかを全体として理解し、一人ひとりの生活の質を高めることが大切です。

【遺伝的リスク】 天津医科大学のYaoらの研究により、神経精神障害のかかりやすさがrs1378559というDNA領域と関係していることが分かりました。 このDNA領域にはTT、TC、CCの3つの遺伝子型があり、Tを持つ遺伝子型の人は、神経精神障害のリスクが高い傾向にあることが分かりました。

神経精神障害とは何か

神経精神障害とは、脳や神経の病気としての症状と、心の病気としての症状がいっしょにかかわる、幅広い病気をまとめた呼び名です。考える力・感情・行動に影響を与え、うつ病・双極性障害・統合失調症・不安障害・注意欠如・多動症・自閉スペクトラム症・認知症などが含まれます。

神経精神障害の原因としくみ

神経精神障害の発症には、いくつもの原因が重なってかかわります。

  • 生まれ持った遺伝子の影響:DNA領域rs1378559のTタイプなど、複数の遺伝子がかかわります。家族に同じ病気の人がいると、発症しやすくなります。
  • 脳内の化学物質のバランスの乱れ:セロトニン・ドーパミン・ノルアドレナリンなど、脳の中で情報を伝える物質(神経伝達物質)の量の乱れです。
  • 環境の影響:長く続くストレス、心の傷になるつらい体験(トラウマ)、人とのつながりが少ないこと(社会的孤立)です。
  • 脳のけが:頭のけが、脳の血管の病気、感染症などによる脳へのダメージです。

神経精神障害の主な症状

神経精神障害の症状は脳や神経の面と心の面の両方に現れます。症状で日常生活に困ることがある場合は、専門の医師に相談することがすすめられます。

  • 気分の浮き沈みがあり、感情が不安定になります。
  • 幻覚・妄想
  • 不安・パニック(強い恐怖や動悸の発作)
  • もの忘れなどの認知機能の低下
  • 集中しにくく、注意が続きません。
  • 人との交流を避け、人間関係がうまくいきません。
  • よく眠れない・食欲の変化

神経精神障害における遺伝子の影響と環境の影響の違い

比較項目 遺伝子の影響 環境の影響
原因 rs1378559などのDNAの違い ストレス・トラウマ・脳のけが
影響の大きさ かかりやすさの約40〜80%にかかわります(病気によって異なります)。 発症のきっかけとなる外からの原因
現れる時期 生まれつき持っています。 ストレスになる出来事のあとに現れます。
対策の方法 遺伝子検査でリスクの傾向を知ります。 環境を整える・心理療法
予防できるか 早めに気づいて予防や対策をします。 環境を整えたり、ストレスを減らしたりすることで軽くできます。

神経精神障害に含まれる代表的な疾患

疾患名 主な特徴 主要な症状
うつ病 気分の病気の一種 気分の落ちこみ・やる気の低下が続きます。
双極性障害 気分が落ちこむ時期(うつ)と、気分が高くなりすぎる時期(躁)を繰り返します。 気分が極端に変わります。
統合失調症 考え方や感じ方に変化が起こります。 幻覚・妄想があり、考えがまとまりません。
注意欠如・多動症 発達障害の一種 集中しにくく、思いつきで行動し(衝動性)、じっとしていられません(多動)。
認知症 考える力が少しずつ低下していきます。 もの忘れ・判断する力の低下

神経精神障害の治療法と対処法

神経精神障害の治療では、精神科医・神経の専門医・心理の専門家が協力して、いろいろな面から支えることが大切です。

  • 薬による治療:抗うつ薬、抗精神病薬、気分安定薬、抗不安薬を症状に合わせて使います。
  • 認知行動療法(考え方のくせを見直すカウンセリング):悪い方向に考えてしまうくせを見直し、状況に合った行動をとれるようにします。
  • 行動療法:困った行動を減らし、状況に合った行動を増やします。
  • 脳の働きを整える治療:磁気で脳を刺激する治療(経頭蓋磁気刺激療法)、電気けいれん療法などの新しい治療です。
  • 生活習慣の改善:規則正しい睡眠、週150分以上の有酸素運動(ウォーキングなど)、バランスの良い食事です。
  • 社会的支援:カウンセリング、同じ悩みを持つ人の集まり(支援グループ)への参加、信頼できる人への相談です。

遺伝子と神経精神障害の関係

DNA領域rs1378559とかかりやすさの関係

天津医科大学のYaoらの研究により、DNA領域rs1378559が神経精神障害のかかりやすさと関係していることが分かりました。

  • rs1378559にはTT・TC・CCの3つの遺伝子型があります。
  • TT型・TC型の人はTタイプを持ち、神経精神障害のリスクが高い傾向があります。
  • CC型の人はTタイプを持たず、比べるとリスクが低い傾向があります。

日本人における遺伝子型分布(rs1378559)

遺伝子型 日本人の割合 世界の割合 リスクの傾向
TT型 44.1% 75.1% リスクが高いです。
TC型 44.5% 23.1% やや高いリスク
CC型 11.2% 1.7% 比べると低いリスク

日本人はCC型の割合が11.2%と世界平均(1.7%)より多く、TT型は44.1%と世界平均(75.1%)より少なくなっています。日本人の約88.6%がTタイプを持つ遺伝子型(TT型またはTC型)にあてはまります。

DNA領域rs1378559で、日本人がそれぞれの遺伝子型を持つ割合

  • TT
    44.1%
  • TC
    44.5%
  • CC
    11.2%

DNA領域rs1378559で、世界の人々がそれぞれの遺伝子型を持つ割合

  • TT
    75.1%
  • TC
    23.1%
  • CC
    1.7%

検査の根拠

代表的なDNA領域:神経精神障害

神経精神障害に最も強く影響するDNA領域は、rs1378559です。 日本でのこの場所の遺伝子型の割合は下のとおりです。

  • TT
    44.1 %
  • TC
    44.5 %
  • CC
    11.2 %

検査の根拠

天津医科大学のYaoらの研究により、神経精神障害のかかりやすさが遺伝子と関係していることが分かりました。人間のDNAには、rs1378559という場所があり、そこにはTとCの2種類のタイプがあります。Tタイプを持つ人は、神経精神障害のリスクが高い傾向にあることが分かりました。

今回調査したDNA領域

細胞の中にあるDNAの地図のイメージ図

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関連遺伝子

関連遺伝子 RNU6-133P

よくある質問

Q1. 神経精神障害とは何ですか?

神経精神障害とは、脳や神経の病気としての症状と、心の病気としての症状がいっしょにかかわる、幅広い病気をまとめた呼び名です。うつ病、双極性障害、統合失調症、注意欠如・多動症、自閉スペクトラム症、認知症など、考える力・感情・行動に影響を与える病気が含まれます。

Q2. 神経精神障害と遺伝子の関係は?

天津医科大学のYaoらの研究により、DNA領域rs1378559のTタイプを持つ人は、神経精神障害のリスクが高い傾向にあることが分かりました。日本人でTT型を持つ人の割合は44.1%、TC型は44.5%です。

Q3. 神経精神障害の主な症状は何ですか?

主な症状は、気分の浮き沈み、幻覚、妄想、不安、もの忘れなどの認知機能の低下、集中しにくさ、人との交流を避けること(社会的引きこもり)です。これらの症状は日常生活、人間関係、仕事のはかどり具合に影響します。

Q4. 神経精神障害の治療法にはどのようなものがありますか?

薬による治療(抗うつ薬・抗精神病薬・気分安定薬)、認知行動療法(考え方のくせを見直すカウンセリング)、行動療法、脳の働きを整える治療(磁気刺激療法・電気けいれん療法)などがあります。精神科医・神経の専門医・心理の専門家が協力して治療することが大切です。

Q5. 遺伝子検査で神経精神障害のリスクは分かりますか?

DNA領域rs1378559の遺伝子型を調べることで、神経精神障害についての、遺伝子によるリスクの傾向を知ることできます。日本人の約88.6%がTタイプを持つ遺伝子型(TT型またはTC型)にあてはまり、早めの予防や対策に役立てることができます。

参考文献