seeDNAロゴアイコン 神経質な性格になる傾向

概要

1. 概要

「鍵をかけたかな?忘れ物はないかな?何度も確認したはずなのに不安になる…。」 このような経験が頻繁にある方は、心配性ではなく「不安神経症」かもしれません。
「不安神経症」は神経症の一種で、不安や恐怖の感情が日常生活に悪影響を及ぼす病気です。 最近の研究により、遺伝子「CELF4」付近のある部位が、神経症の発症リスクに影響を与えていることが報告されました。
神経症は、心身の健康や経済的面に影響を与える病気ですが、うつ病と似たメカニズムによって発症することがわかっています。
うつ病は早期治療が重要な病気であるため、神経症の遺伝子タイプを知ることは、うつ病の予防・早期治療に役立つ可能性があります。

2. 理論的根拠

イギリスのバイオバンク事業で行われた研究から、遺伝子「CELF4」付近の特定タイプによって、神経症を発症しやすい人がいるということが明らかになりました。
DNA領域「rs12961969」には、「CC」、「CA」、「AA」という3つの遺伝子型があり、「AA型」が神経症を発症しやすい傾向があるとされ、「CA型」が神経症をやや発症しやすい傾向があります。
日本人の遺伝子タイプは「CC型」が99.0%最も多く、「CA型」が1.0%最も少ないで、全世界的に遺伝子タイプは、「CC型」が67.6%、「CA型」が29.3%、「AA型」が3.1%です。
ただし、神経症に関わる部位は「rs12961969」以外にも複数存在するため、それらも考慮して神経症の度合いを測る必要があります。
この遺伝タイプを確認することは、不安に敏感な度合いを知るための一つの指標であり、その認識を今後の行動に生かすことで、こころに余裕を持たせてくれるかもしれません。

3. 作用機序 メカニズム

遺伝子「CELF4」は、神経症に関連する遺伝子であり、ヒトの24の染色体のうち、18番染色体に位置します。DNAは、遺伝情報を塩基の並びで伝えますが、タンパク質の産生や制御には関わらない塩基も混ざっています。
遺伝子「CELF4」は、DNAから非発現または調節に関与しない領域を取り除き、脳神経細胞(ニューロン)を作る遺伝情報のみに限定する役割を持っています。
脳はニューロンで構成されているため、遺伝子「CELF4」の作用は脳の体積に影響を与えると考えられています。
最近の研究では、脳の一部である小脳の体積が神経症と相関があることが明らかになり、遺伝子「CELF4」は神経症の発症に関連していることが報告されています。

4. 参考文献:

遺伝子領域rs12961969において日本で各遺伝タイプを持つ人の割合

0.00% 0.96% 99.04%
  • AA0.00%
  • AC0.96%
  • CC99.04%

遺伝子領域rs12961969において世界で各遺伝タイプを持つ人の割合

3.16% 29.22% 67.63%
  • AA3.16%
  • AC29.22%
  • CC67.63%

遺伝子領域rs34220720において日本で各遺伝タイプを持つ人の割合

44.02% 44.66% 11.33%
  • TT44.02%
  • TC44.66%
  • CC11.33%

遺伝子領域rs34220720において世界で各遺伝タイプを持つ人の割合

49.58% 41.67% 8.75%
  • TT49.58%
  • TC41.67%
  • CC8.75%

seeDNAロゴアイコン検査の理論的根拠

体表的なDNA領域:神経質な性格になる傾向

体表的なDNA領域:神経質な性格になる傾向

神経質な性格になる傾向 に最も強く影響する遺伝子領域は、rs12961969です。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです。

  • AA

    0.0
    %
  • AC

    1.0
    %
  • CC

    99.0
    %

他に、神経質な性格になる傾向に関わる遺伝子領域はrs34220720があります。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです

  • TT

    44.0
    %
  • TC

    44.7
    %
  • CC

    11.3
    %

検査の根拠

ロッテルダム・エラスムス大学のOkbayらの研究により、神経質な性格になる傾向が遺伝子と関連していることが明らかになりました。人間のゲノムには、rs12961969という領域が存在し、その領域の遺伝子にはAとCの2種類の変異があります。Aタイプの変異を持つ人は、神経質な性格になる傾向が高いことが分かりました。

seeDNAロゴアイコン今回調査したDNA領域

細胞中に存在するDNAマップの模式図

seeDNAロゴアイコン関連遺伝子

関連遺伝子 RPL12P40
関連遺伝子 LINC01929

seeDNAロゴアイコン参考文献

  • 関連遺伝子 RPL12P40
  • 参考リンク : 2016 Jun、Aysu Okbayと研究グループがNat Genet に発表したGenetic variants associated with subjective well-being, depressive symptoms, and neuroticism identified through genome-wide analysesという研究によると神経質な性格になる傾向 に関連するrs12961969の関連性が認められました。
  • 関連遺伝子 LINC01929
  • 参考リンク : 2018 Jan、Michelle Lucianoと研究グループがNat Genet に発表したAssociation analysis in over 329,000 individuals identifies 116 independent variants influencing neuroticismという研究によると神経質な性格になる傾向 に関連するrs34220720の関連性が認められました。
  • 関連遺伝子 RPL12P40
  • 参考リンク : 2018 Jan、Michelle Lucianoと研究グループがNat Genet に発表したAssociation analysis in over 329,000 individuals identifies 116 independent variants influencing neuroticismという研究によると神経質な性格になる傾向 に関連するrs12961969の関連性が認められました。