非脳葉型脳出血
- 非脳葉型脳出血は脳の深い部分(視床・基底核・小脳・脳幹)で起こる出血タイプの脳卒中で、高血圧が主な原因です。
- DNA領域rs789859のGタイプを持つ人は発症のリスクが高い傾向があることがマサチューセッツ総合病院の研究で判明しました。
- 適切な血圧の管理・生活習慣の見直しで発症リスクを下げ、再発を防ぐことができます。
概要
【疾患の概要】 非脳葉型脳出血は脳卒中の一つで、脳の表面に近い部分(脳葉)ではなく、脳の奥のほうで起こる出血のことです。 視床、基底核、小脳、脳幹など、脳の深い部分での出血が含まれます。
【治療と注意点】 これらの場所は、感覚の情報を受け取って伝えたり、体の動きを調整したり、心臓の動きや呼吸など自分の意思とは関係なく働く機能を支えたりする大切な部分です。 症状は、出血した場所によって変わります。 よく見られる症状は、体の片側の力が入らない・まひする、話すことや飲み込むことが難しい、目が見えにくい、めまい、頭が混乱する、意識がぼんやりする、さらには昏睡(呼びかけても目を覚まさない状態)などです。 出血の大きさや場所によって、症状の重さも変わります。 原因には、高血圧や脳アミロイド血管症(脳の血管の壁にアミロイドというたんぱく質がたまる病気)などがあります。 治療の方法やその後の経過は、出血の原因・大きさ・場所、そして患者さんの全体的な健康状態によって変わります。 症状を軽くし、脳へのダメージをできるだけ小さくするには、早く見つけて早く治療することが大切です。 非脳葉型脳出血は、脳の深い部分(脳幹、小脳、基底核、視床)で起こる出血です。 主な原因は高血圧で、高い血圧が長く続くと細い動脈が傷み、最後には破れて出血します。 症状は出血した場所と量によって異なり、突然の激しい頭痛、意識がはっきりしない、吐く、体の半分のまひ、目が見えにくい、言葉がうまく出ない、体のバランスがとれないなどがあります。 特に脳幹や小脳での出血は命にかかわることが多く、すぐに対応する必要があります。 薬による治療では、血圧を下げたり、血を固まりやすくする薬を使ったりします。重い場合は手術をします。 非脳葉型脳出血は重い状態になりやすく、後遺症(治療後も残る障害)が残ることもあるため、早い診断と適切な治療が大切です。
【遺伝子の影響】 マサチューセッツ総合病院のChungらの研究で、非脳葉型脳出血のかかりやすさがrs789859というDNA領域と関係していることが分かりました。 このDNA領域にはGG、GT、TTの3つの遺伝子型があり、Gを持つ遺伝子型の人は、非脳葉型脳出血のリスクが高い傾向があることが分かりました。
非脳葉型脳出血とは何か
非脳葉型脳出血は、脳の深い部分(視床・基底核・小脳・脳幹)で起こる出血タイプの脳卒中です。脳出血全体の約50〜70%を占め、高血圧がいちばん大きな原因です。
非脳葉型脳出血の原因としくみ
非脳葉型脳出血は、高い血圧が長く続くことで脳の奥の細い動脈(穿通枝)が傷み、最後には破れて出血することで起こります。
- 高血圧による細い動脈の硬化:脳の奥の細い動脈の壁が変化して、もろくなります。
- リポヒアリノーシス(細い血管の壁が変化する病気):細い動脈の壁にリポヒアリンという物質がたまり、血管の壁がこわれていきます。
主なリスク(発症しやすくなる要因)は次のとおりです。
- 高血圧(全体の約60〜70%の原因)
- 喫煙・お酒の飲みすぎ
- 血を固まりにくくする薬(抗凝固薬)の使用
- 遺伝子の影響(DNA領域rs789859のGタイプ)
非脳葉型脳出血の主な症状
症状は出血した場所と量によって変わり、突然起こります。
- 突然の激しい頭痛
- 体の片側の手足のまひ・力が入らない(半身まひ)
- 言葉の障害(話すことや飲み込むことが難しい)
- 意識の障害(頭の混乱・意識がぼんやりする・昏睡)
- 目が見えにくい・めまい・吐く
- 体のバランスがとれません。
非脳葉型脳出血と脳葉型脳出血の違い
| 比較項目 | 非脳葉型脳出血 | 脳葉型脳出血 |
|---|---|---|
| 出血部位 | 脳の深い部分(視床・基底核・小脳・脳幹) | 大脳の表面のすぐ下(脳葉) |
| 主な原因 | 高血圧(約60〜70%) | 脳アミロイド血管症 |
| かかりやすい年齢 | 50〜70歳代 | 70歳以上 |
| 関連するDNA領域 | rs789859(Gタイプ) | APOE遺伝子 |
| 再発のリスク | 血圧の管理で下げられます。 | 再発しやすいです。 |
治療法とその後の経過
治療の方法は、出血の原因・大きさ・場所や、患者さんの全体的な健康状態によって変わります。
- 薬による治療:血圧を下げる、血を固まりやすくする薬を使う、脳のむくみを抑えます。
- 手術による治療:血のかたまり(血腫)を取り除く手術(重い場合に行う)
- リハビリテーション(機能回復の訓練):体の動きや言葉の機能を取り戻すための訓練
脳幹や小脳での出血は命にかかわる危険が高く、すぐに対応する必要があります。後遺症を軽くするには、早い診断と適切な治療がとても大切です。
遺伝子と非脳葉型脳出血の関係
DNA領域rs789859と発症リスクの関係
マサチューセッツ総合病院のChungらの研究(1)で、DNA領域rs789859が非脳葉型脳出血のかかりやすさと関係していることが分かりました。
- rs789859にはGG・GT・TTの3つの遺伝子型があります。
- Gタイプを持つ遺伝子型の人は、非脳葉型脳出血のリスクが高い傾向があります。
日本人の遺伝子型の割合(rs789859)
| 遺伝子型 | 日本人の割合 | 世界の割合 |
|---|---|---|
| GG型 | 62.1% | 36.9% |
| GT型 | 33.3% | 47.6% |
| TT型 | 4.4% | 15.3% |
検査の科学的な根拠
代表的なDNA領域:非脳葉型脳出血
非脳葉型脳出血に最も強く影響するDNA領域は、rs789859です。 日本でのこの場所の遺伝子型の割合は下のとおりです。
- GG
62.1 % - GT
33.3 % - TT
4.4 %
検査の根拠
マサチューセッツ総合病院のChungらの研究で、非脳葉型脳出血のかかりやすさが遺伝子と関係していることが分かりました。人のDNAには、rs789859という場所があり、そこにはGとTの2種類のタイプがあります。Gタイプを持つ人は、非脳葉型脳出血のリスクが高い傾向があることが分かりました(1)。
今回調査したDNA領域
細胞の中にあるDNAの地図のイメージ図
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関連遺伝子
| 関連遺伝子 | LSG1 |
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よくある質問
Q1. 非脳葉型脳出血とは何ですか?
非脳葉型脳出血は、脳の深い部分(視床・基底核・小脳・脳幹)で起こる出血タイプの脳卒中です。脳出血全体の約50〜70%を占め、高血圧がいちばん大きな原因です(1)。
Q2. 非脳葉型脳出血の原因は何ですか?
いちばん大きな原因は高血圧(全体の約60〜70%)です。高い血圧が長く続くと脳の奥の細い動脈が傷み、破れて出血します。DNA領域rs789859でGタイプを持つ人はリスクが高い傾向があります(1)。
Q3. 非脳葉型脳出血と脳葉型脳出血の違いは?
非脳葉型は脳の深い部分(視床・基底核・小脳・脳幹)で起こり、高血圧が主な原因です。脳葉型は大脳の表面のすぐ下で起こり、脳アミロイド血管症(脳の血管にたんぱく質がたまる病気)が主な原因です。
Q4. 遺伝子検査で非脳葉型脳出血のリスクは分かりますか?
DNA領域rs789859の遺伝子型を調べることで、非脳葉型脳出血へのかかりやすさの傾向を知ることができます。Gタイプを持つ遺伝子型の人はリスクが高い傾向があることが、マサチューセッツ総合病院の研究で分かっています(1)。
Q5. 非脳葉型脳出血の予防法はありますか?
最も効果的な予防法は血圧の管理です。上の血圧(収縮期血圧)を130mmHg未満に保つことで、発症のリスクを下げられます。禁煙、適度な運動、塩分を控えた食事、お酒を控えることも予防に役立ちます。
参考文献
- 参考リンク1 : 2019 Oct., Jaeyoon Chung, Brain