非黒色腫皮膚がん
- 非黒色腫皮膚がん(NMSC)は基底細胞がん(BCC)と扁平上皮がん(SCC)に大別される皮膚がんで、全皮膚がんの約95%を占め、紫外線曝露が主要リスク因子である
- DNA領域rs2776348のA型変異を持つ人は非黒色腫皮膚がんのリスクが高い傾向にあることがQIMR Berghofer医学研究所の研究で判明
- 日本人のA型変異(AA+AC)保有率は86.5%で、世界平均の86.4%とほぼ同等の割合を示す
概要 非メラノーマ皮膚がんは、皮膚の中でメラノサイト以外の細胞から生じるがんの一種です。 このがんは、基底細胞がん(BCC)と扁平上皮がん(SCC)に大別できます。 発症すると皮膚の損傷が見られ、通常の皮膚とは異なる外観を示します。 BCCは真珠のようなコブやしこりが現れます。薄い傷跡のように見えるケースもあり、主に顔、首、腕などの太陽に晒される部位に発症します。 一方、SCCは赤いしこりやうろこ状のかさぶたが現れます。全身に発症する可能性がありますが、日光に晒された部分に発症しやすい傾向にあります。 これらのがんの外観はピンクや赤色、茶色を示すことが多くあります。 症状としては出血やかゆみ、痛みなどがあり、自然治癒しないため、早期発見と治療が重要です。 体の他の部位への転移は少ないですが、隣接する組織や臓器に広がる可能性があるため注意が必要です。 QIMR Berghofer医学研究所のLiyanageらの研究により、非黒色腫皮膚がんの罹患リスクがrs2776348というDNA領域と関連していることが明らかになりました。 このDNA領域にはAA、AC、CCの3つの遺伝子型があり、Aを持つ遺伝子型の人は、非黒色腫皮膚がんのリスクが高い傾向にあることが分かりました。
非黒色腫皮膚がんとは何か
非黒色腫皮膚がん(NMSC:Non-Melanoma Skin Carcinoma)とは、皮膚のメラノサイト以外の細胞から発生するがんの総称です。基底細胞がん(BCC)と扁平上皮がん(SCC)の2種類に大別され、全皮膚がんの約95%を占めます。
基底細胞がん(BCC)と扁平上皮がん(SCC)の違い
非黒色腫皮膚がんは発生する細胞の種類により2つに分類されます。それぞれの特徴は以下のとおりです。
| 項目 | 基底細胞がん(BCC) | 扁平上皮がん(SCC) |
|---|---|---|
| 発生細胞 | 表皮の基底層細胞 | 表皮の扁平上皮細胞 |
| 外観 | 真珠のようなコブ・しこり、薄い傷跡様 | 赤いしこり、うろこ状のかさぶた |
| 好発部位 | 顔、首、腕(日光曝露部位) | 全身(特に日光曝露部位) |
| 色調 | ピンク、赤色、茶色 | ピンク、赤色、茶色 |
| 転移リスク | 低い | やや高い |
非黒色腫皮膚がんの主な症状
- 出血:病変部位からの出血が見られる
- かゆみ:持続的なかゆみが発生する
- 痛み:病変部位に痛みを伴う
- 自然治癒しない:通常の傷と異なり、自然に治癒しない点が特徴
体の他の部位への転移は比較的少ないものの、隣接する組織や臓器に広がる可能性があるため、早期発見と治療が重要です。
遺伝子と非黒色腫皮膚がんの関連
DNA領域rs2776348と非黒色腫皮膚がんの関係
QIMR Berghofer医学研究所のLiyanageらの研究(2019年、Hum Mol Genet掲載)により、非黒色腫皮膚がんの罹患リスクがDNA領域rs2776348と関連していることが明らかになりました。
- rs2776348にはAA・AC・CCの3つの遺伝子型が存在
- A型変異を持つ遺伝子型(AA型・AC型)の人は非黒色腫皮膚がんのリスクが高い傾向
- この遺伝子領域はPCSEAT遺伝子に関連する
日本人と世界における遺伝子型分布の比較(rs2776348)
| 遺伝子型 | 日本人の割合 | 世界の割合 |
|---|---|---|
| AA型 | 40.2% | 39.9% |
| AC型 | 46.3% | 46.5% |
| CC型 | 13.3% | 13.5% |
日本人のA型変異保有率(AA+AC)は86.5%であり、世界平均の86.4%とほぼ同等です。一方、CC型の割合は日本人が13.3%と世界平均の13.5%とほぼ同じであり、非黒色腫皮膚がんの遺伝的リスクは日本人と世界で大きな差がないことを示しています。
DNA領域rs2776353と非黒色腫皮膚がんの関係
rs2776353もまた非黒色腫皮膚がんに関わる遺伝子領域として報告されています。
日本人と世界における遺伝子型分布の比較(rs2776353)
| 遺伝子型 | 日本人の割合 | 世界の割合 |
|---|---|---|
| AA型 | 40.8% | 41.7% |
| AT型 | 46.1% | 45.7% |
| TT型 | 13.0% | 12.5% |
rs2776353において日本人のAA型保有率は40.8%で、世界平均の41.7%とほぼ同等の水準です。
検査の理論的根拠
体表的なDNA領域:非黒色腫皮膚がん
非黒色腫皮膚がん に最も強く影響する遺伝子領域は、rs2776348です。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです。
- AA
40.2 % - AC
46.3 % - CC
13.3 %
他に、非黒色腫皮膚がんに関わる遺伝子領域はrs2776353があります。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです
- AA
40.8 % - AT
46.1 % - TT
13.0 %
検査の根拠
QIMR Berghofer医学研究所のLiyanageらの研究により、非黒色腫皮膚がんの罹患リスクが遺伝子と関連していることが明らかになりました。人間のゲノムには、rs2776348という領域が存在し、その領域の遺伝子にはAとCの2種類の変異があります。Aタイプの変異を持つ人は、非黒色腫皮膚がんのリスクが高い傾向にあることが分かりました。
今回調査したDNA領域
細胞中に存在するDNAマップの模式図
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関連遺伝子
| 関連遺伝子 | PCSEAT |
|---|---|
| 関連遺伝子 | PCSEAT |
よくある質問(FAQ)
Q1. 非黒色腫皮膚がんとは何ですか?
非黒色腫皮膚がん(NMSC)とは、皮膚のメラノサイト以外の細胞から発生するがんの総称です。基底細胞がん(BCC)と扁平上皮がん(SCC)の2種類に大別され、全皮膚がんの約95%を占めます。BCCは真珠のようなコブやしこりが現れ主に日光曝露部位に発症し、SCCは赤いしこりやうろこ状のかさぶたが全身に発症する可能性があります。
Q2. 非黒色腫皮膚がんと遺伝子の関連は?
QIMR Berghofer医学研究所のLiyanageらの研究(2019年、Hum Mol Genet)により、DNA領域rs2776348が罹患リスクと関連していることが判明しています。rs2776348にはAA・AC・CCの3つの遺伝子型があり、A型変異を持つ遺伝子型(AA型・AC型)の人はリスクが高い傾向にあります。
Q3. 基底細胞がん(BCC)と扁平上皮がん(SCC)の違いは?
BCCは真珠のようなコブやしこりが特徴で主に顔・首・腕に発症し、転移率が低いです。SCCは赤いしこりやうろこ状のかさぶたが特徴で全身に発症する可能性があり、BCCと比較して転移リスクがやや高い傾向にあります。
Q4. 非黒色腫皮膚がんの遺伝子型分布は日本人と世界でどう異なりますか?
DNA領域rs2776348において、日本人の遺伝子型分布はAA型40.2%、AC型46.3%、CC型13.3%です。世界全体ではAA型39.9%、AC型46.5%、CC型13.5%であり、日本人と世界平均はほぼ同等の分布を示しています。
Q5. 非黒色腫皮膚がんを早期発見するには?
皮膚に新たなしこり・コブ・うろこ状の変化が出現した場合、または既存のほくろの形状変化・色調変化・サイズ拡大が見られた場合は、速やかに皮膚科を受診してください。出血・かゆみ・痛みが持続し自然治癒しない皮膚の変化には特に注意が必要です。