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性的なパートナーの数が多い傾向

性的なパートナーの数が多い傾向のイメージ画像
  • 性的パートナーの数は遺伝子TCF4の近くのDNA領域rs72930774と関係していて、AA型の人は性ホルモンが多く出て性欲が強い傾向があります。
  • 日本人の99.94%がAA型で、世界平均の90.3%と比べてAA型の割合が高いです。
  • 性ホルモン(テストステロン・エストロゲン)の量が性欲の強さとパートナーの数に影響することが研究でわかりました。

概要

【概要】 あなたは「一生のうちの性的パートナーの数」について考えたことがありますか? 最近の遺伝子の研究で、人の性格や行動に遺伝子がどう関わっているのかが少しずつわかってきました。その中で、遺伝子「TCF4」の近くにある部分が、「一生のうちの性的パートナーの数」に影響している可能性が高いことがわかりました。 この「一生のうちの性的パートナーの数」には、三大欲求の一つである性欲が関係していると考えられています。性欲は、テストステロンやエストロゲンという性ホルモン(性腺ホルモン)によって調整されています。これらのホルモンがどれくらい出ているかが性欲の強さに関係し、「一生のうちの性的パートナーの数」にも影響すると言われています。 自分の遺伝子のタイプを調べることで、「一生のうちの性的パートナーの数」の傾向を知るだけでなく、自分の性欲の強さの傾向を知ることもできます。 性の話や悩みは、なかなか気軽に話せないものですが、遺伝子検査を通じて自分のDNAのタイプを知ることができます。 遺伝子の影響は、環境や性格などのほかの条件に比べると限られていますが、自分の遺伝子を知ることは、自分自身をよりよく理解する手がかりの一つです。

【特徴】 イギリスで大勢の人の遺伝子や健康の情報を集めたデータベース(バイオバンク)を使った研究により、遺伝子「TCF4」の近くの特定のタイプを持つ人は、「一生のうちの性的パートナーの数」が多くなりやすいことがわかりました。 この部分は、DNA領域「rs72930774」と呼ばれ、「AA型」「AG型」「GG型」の3つの遺伝子型があります。「AA型」は性ホルモンが多く出て、性欲が強い傾向があります。「AG型」はやや性欲が強く、「GG型」は性ホルモンの量が最も少ない傾向があります。 世界全体で見ると、「AA型」が90.3%で最も多く、「AG型」が9.5%、「GG型」が0.2%で最も少ないです。日本人の割合も世界と似ていて、「AA型」が99.94%で最も多く、「AG型」が0.59%、「GG型」が0.01%で最も少ないです。 性ホルモンの量が少ないと、性欲が下がるだけでなく、男性更年期障害や勃起不全(性行為に十分な勃起が得られない状態)になる可能性が高くなります。

【科学的根拠】 遺伝子「TCF4」は、人の24種類の染色体のうち18番染色体にあり、DNAにくっついて神経が育つ(神経分化)のを後押しする役割を持っています。この遺伝子は、卵巣や精巣のもとになる「生殖堤」に関わる神経をつくることが知られています。 性欲を強めたり弱めたりする性ホルモンは、卵巣や精巣でつくられるため、遺伝子「TCF4」は性欲に関わり、「一生のうちの性的パートナーの数」に影響すると考えられています。 このように、DNA領域「rs72930774」は「一生のうちの性的パートナーの数」に関係する遺伝子の個人差(一塩基多型)の一つとして、注目されています。

性的パートナーの数が多い傾向とは何か

性的パートナーの数が多い傾向とは、一生のうちの性的パートナーの数が、遺伝子の影響で平均より多くなりやすい性質のことです。遺伝子TCF4の近くのDNA領域rs72930774が影響していて、性ホルモンの量と深く関係しています。

なぜ遺伝子が性的パートナーの数に影響するのか

三大欲求の一つである性欲は、性的パートナーの数に直接影響します。性欲を調整する主なものは次のとおりです。

  • テストステロン:主に男性の性欲を調整する性ホルモンです。精巣でつくられます。
  • エストロゲン:女性の性欲を調整する性ホルモンです。卵巣でつくられます。
  • TCF4遺伝子:18番染色体にあり、生殖腺(卵巣・精巣)の発達に関わる神経が育つのを後押しします。

性ホルモンの量は遺伝子型によって違うため、性欲の強さ、さらには一生のうちの性的パートナーの数にも差が出ます。

遺伝子型(rs72930774)による性欲への影響の違い

遺伝子型 性ホルモンの量 性欲への影響
AA型 多い 性欲が強い傾向
AG型 中程度 やや性欲が強い傾向
GG型 少ない 性ホルモンの量が少なく、性欲が低い傾向があります。

性ホルモンの量が少ない場合に起こりやすいこと

性ホルモンの量が少ない(GG型に多い傾向)場合、次のような可能性が高まります。

  • 性欲の低下:テストステロン・エストロゲンが足りないと、性への関心が弱まります。
  • 男性更年期障害:テストステロンが減ることによるだるさや気分の落ち込みです。
  • 勃起不全:男性の性機能の不調が起こりやすくなります。

遺伝子と性的パートナーの数の関係

DNA領域rs72930774と性的パートナーの数の関係

イギリスのバイオバンク(大勢の人の遺伝子や健康の情報を集めたデータベース)を使った研究により、遺伝子TCF4の近くのDNA領域rs72930774が、一生のうちの性的パートナーの数と関係していることがわかりました。

  • rs72930774にはAA・AG・GGの3つの遺伝子型が存在します。
  • AA型の人は性ホルモンが多く出て、性的パートナーの数が多い傾向があります。
  • 遺伝子の影響は環境や性格に比べると限られていますが、自分を知る手がかりとして役立ちます。

日本人と世界における遺伝子型分布の比較(rs72930774)

遺伝子型 日本人の割合 世界の割合
AA型 99.94% 90.3%
AG型 0.06% 9.5%
GG型 0.01% 0.2%

日本人でAA型を持つ人の割合は99.94%で、世界平均の90.3%より約9.6ポイント高い割合です。日本人にはAA型の人がとても多いことがわかります。

TCF4遺伝子のはたらき

TCF4遺伝子はどのように性欲に関わるのか

TCF4遺伝子は18番染色体にあり、DNAにくっついて神経が育つのを後押しする「転写因子」(ほかの遺伝子のはたらきを調節するたんぱく質)です。この遺伝子が性欲に影響するしくみは次のとおりです。

  • 神経が育つのを後押し:TCF4は生殖堤(卵巣・精巣のもとになる組織)に関わる神経ができるのを助けます。
  • 性ホルモンへの影響:卵巣・精巣でつくられるテストステロン・エストロゲンの量に関わります。
  • 性欲の調整:性ホルモンの量を通して、性欲の強さに間接的に影響します。

DNA領域rs72930774はこのTCF4遺伝子の近くにあり、遺伝子型の違いがホルモンの量に影響することで、性的パートナーの数に関係すると考えられています。

DNA領域rs72930774で日本の各遺伝子タイプの人の割合

  • AA
    99.9%
  • AG
    0.1%以下
  • GG
    0.1%以下

DNA領域rs72930774で世界の各遺伝子タイプの人の割合

  • AA
    90.2%
  • AG
    9.4%
  • GG
    0.2%

検査の科学的な根拠

代表的なDNA領域:性的なパートナーの数が多い傾向

性的なパートナーの数が多い傾向 に最も強く影響するDNA領域は、rs72930774です。 日本でのこの部分の遺伝子タイプの割合は下のとおりです。

  • AA
    99.9 %
  • AG
    0.1%以下
  • GG
    0.1%以下

検査の根拠

アムステルダム自由大学のRichard Karlsson Linnérらの研究により、性的なパートナーの数が多い傾向が遺伝子と関係していることがわかりました。人のDNAにはrs72930774という部分があり、ここにはAとGの2種類のタイプがあります。Aタイプを持つ人は、性的なパートナーの数が多い傾向があることがわかりました。

今回調査したDNA領域

細胞の中にあるDNAの地図のイメージ図

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関連遺伝子

関連遺伝子 TCF4

よくある質問

Q1. 性的パートナーの数が多い傾向とは何ですか?

性的パートナーの数が多い傾向とは、遺伝子TCF4の近くのDNA領域rs72930774の遺伝子型によって、一生のうちの性的パートナーの数が平均より多くなりやすい性質のことです。AA型の人は性ホルモン(テストステロン・エストロゲン)が多く出て、性欲が強い傾向があるため、パートナーの数が増えやすいとされています。

Q2. DNA領域rs72930774の遺伝子型による違いは?

rs72930774にはAA型・AG型・GG型の3つの遺伝子型があります。AA型は性ホルモンが多く出て性欲が強い傾向、AG型はやや性欲が強い傾向、GG型は性ホルモンの量が少ない傾向です。日本人ではAA型が99.94%と、とても多くなっています。

Q3. TCF4遺伝子はどのように性欲に関わっていますか?

TCF4遺伝子は18番染色体にあり、DNAにくっついて神経が育つのを後押しする「転写因子」(ほかの遺伝子のはたらきを調節するたんぱく質)です。卵巣や精巣のもとになる生殖堤に関わる神経をつくり、性ホルモンが出る量に関わるため、性欲と性的パートナーの数に影響します。

Q4. 性ホルモンの量が少ないとどうなりますか?

性ホルモンの量が少ない場合、性欲が下がるだけでなく、男性更年期障害や勃起不全のリスクが高まります。GG型の人は性ホルモンの量が少ない傾向があるため、これらの症状に注意が必要です。

参考文献