seeDNAロゴアイコン 性的なパートナーの数が多い傾向

概要

1. 概要

あなたは「生涯における性的パートナーの数」について考えたことがありますか?
最近の遺伝子に関する研究では、人間の性格や行動に関するさまざまな遺伝的メカニズムが解明されています。その中で、遺伝子「TCF4」付近のある部位が、「生涯における性的パートナー数」に影響を与えている可能性が高いことが明らかになりました。
この「生涯における性的パートナー数」には、三大欲求の一つである性欲が影響していると考えられており、性腺ホルモンであるテストステロンやエストロゲンが性欲を調整しています。これらの性腺ホルモンの分泌量が性欲の強さに関係しており、「生涯における性的パートナー数」にも影響していると言われています。
自分自身の遺伝子タイプを調べることで、「生涯における性的パートナー数」を予測するだけでなく、自分の性欲の強さを知ることもできます。
性に関する話や悩みは、なかなか気軽にできないものですが、遺伝子検査を通じて自分のDNAタイプについて理解することができます。
遺伝子の影響は、環境や性格などの他の条件に比べて限定的ですが、自分の遺伝子について知ることは、自分自身をよりよく理解する手段の一つです。

2. 理論的根拠

イギリスのバイオバンク事業で行われた研究により、遺伝子「TCF4」付近の特定タイプによって、「生涯における性的パートナーの数」が多くなりやすいことが明らかになった。
この部位は、DNA領域「rs72930774」と呼ばれ、3つの遺伝子型「AA型」、「AG型」、「GG型」がある。それぞれの遺伝子型の特徴は、「AA型」は性腺ホルモンの分泌量が多く、性欲が強い傾向にある。「AG型」はやや性欲が強く、「GG型」は最も少なく性腺ホルモンの分泌量が少ない傾向にある。
世界的に見た遺伝子タイプの割合は、「AA型」が90.3%で最も多く、「AG型」が9.5%、「GG型」が0.2%で最も少ない。日本人の遺伝子タイプの割合は、世界的な遺伝タイプと似ており、「AA型」は99.94%最も多く、「AG型」が0.59%や「GG型」が0.01%最も少ないです。
性腺ホルモンの分泌量が少ないと、性欲の低下だけでなく男性更年期障害やED(勃起不全)になる可能性が高くなります。

3. 作用機序

遺伝子「TCF4」は、ヒトの24の染色体のうち18番染色体に位置し、DNAに結合して神経分化を活性化する役割を持っています。この遺伝子は、生殖腺である卵巣や精巣のもととなる生殖堤に関する神経を発生させることが知られています。
性欲を増進・抑制する性腺ホルモンは、卵巣や精巣で分泌されるため、遺伝子「TCF4」は性欲に関与しており、「生涯における性的パートナー数」に影響すると考えられています。
以上のように、DNA領域「rs72930774」は、「生涯における性的パートナー数」に関係し、注目を浴びているSNVの一つです。

遺伝子領域rs72930774において日本で各遺伝タイプを持つ人の割合

100.00% 0.00% 0.00%
  • AA100.00%
  • AG0.00%
  • GG0.00%

遺伝子領域rs72930774において世界で各遺伝タイプを持つ人の割合

90.27% 9.48% 0.25%
  • AA90.27%
  • AG9.48%
  • GG0.25%

seeDNAロゴアイコン検査の理論的根拠

体表的なDNA領域:性的なパートナーの数が多い傾向

体表的なDNA領域:性的なパートナーの数が多い傾向

性的なパートナーの数が多い傾向 に最も強く影響する遺伝子領域は、rs72930774です。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです。

  • AA

    100.0
    %
  • AG

    0.0
    %
  • GG

    0.0
    %

検査の根拠

アムステルダム自由大学のRichard Karlsson Linnérらの研究により、性的なパートナーの数が多い傾向が遺伝子と関連していることが明らかになりました。人間のゲノムには、rs72930774という領域が存在し、その領域の遺伝子にはAとGの2種類の変異があります。Aタイプの変異を持つ人は、性的なパートナーの数が多い傾向にあることが分かりました。

seeDNAロゴアイコン今回調査したDNA領域

細胞中に存在するDNAマップの模式図

seeDNAロゴアイコン関連遺伝子

関連遺伝子 TCF4

seeDNAロゴアイコン参考文献

  • 関連遺伝子 TCF4
  • 参考リンク : 2019 Feb、Richard Karlsson Linnérと研究グループがNat Genet に発表したGenome-wide association analyses of risk tolerance and risky behaviors in over 1 million individuals identify hundreds of loci and shared genetic influencesという研究によると性的なパートナーの数が多い傾向 に関連するrs72930774の関連性が認められました。