オメガ3(DPA n3)の代謝能力
概要
DPA-n3(二十碳五烯酸、ドコサペンタエン酸 n-3)は、海洋魚類や一部の藻類に多く含まれる重要なオメガ3多価不飽和脂肪酸です。DPA-n3は心血管の健康、抗炎症作用、脳機能において重要な役割を果たしています。
DPA-n3の代謝過程は複雑で、様々な要因に影響されます。まず、DPA-n3は食事から直接摂取されるか、他のオメガ3脂肪酸であるEPA(二十碳五烯酸)やDHA(二十二碳六烯酸)から体内で変換されます。
DPA-n3は体内でさらにEPAやDHAに変換され、これらの代謝過程は細胞膜の流動性と機能を維持するために重要です。
DPA-n3は抗炎症特性を持ち、炎症性メディエーターの生成を抑制することで慢性炎症を減少させます。また、DPA-n3は血管内皮機能を保護し、心血管疾患のリスクを低減します。
さらに、DPA-n3は脳の健康にも積極的な影響を与え、神経膜の流動性とシグナル伝達を改善することで、認知機能と神経保護を促進する可能性があります。
総じて、DPA-n3は重要なオメガ3脂肪酸であり、その代謝は遺伝子に影響されます。DPA-n3およびその代謝過程を理解することは、個々に合わせた対策を講じることに役立ちます。
テキサス大学健康科学センターのFeofanovaらの研究により、オメガ3(DPA n3)の代謝能力がrs174570というDNA領域と関連していることが明らかになりました。
このDNA領域にはCC,CT,TTの3つの遺伝子型があり、Cを持つ遺伝子型の人は、オメガ3(DPA n3)を効率的に代謝する能力が高い傾向にあることが分かりました。
遺伝子領域rs174570において日本で各遺伝タイプを持つ人の割合
- CC44.66%
- CT44.34%
- TT11.00%
遺伝子領域rs174570において世界で各遺伝タイプを持つ人の割合
- CC75.05%
- CT23.16%
- TT1.79%
検査の理論的根拠
体表的なDNA領域:オメガ3(DPA n3)の代謝能力
体表的なDNA領域:オメガ3(DPA n3)の代謝能力
オメガ3(DPA n3)の代謝能力 に最も強く影響する遺伝子領域は、rs174570です。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです。
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CC
44.7% -
CT
44.3% -
TT
11.0%
検査の根拠
テキサス大学健康科学センターのFeofanovaらの研究により、オメガ3(DPA n3)の代謝能力が遺伝子と関連していることが明らかになりました。人間のゲノムには、rs174570という領域が存在し、その領域の遺伝子にはCとTの2種類の変異があります。Cタイプの変異を持つ人は、オメガ3(DPA n3)を効率的に代謝する能力が高い傾向にあることが分かりました。
今回調査したDNA領域
細胞中に存在するDNAマップの模式図
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関連遺伝子
| 関連遺伝子 | FADS2 |
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参考文献
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関連遺伝子 FADS2
- 参考リンク : 2020 Nov、Elena V Feofanovaと研究グループがAm J Hum Genet に発表したA Genome-wide Association Study Discovers 46 Loci of the Human Metabolome in the Hispanic Community Health Study/Study of Latinosという研究によるとオメガ3(DPA n3)の代謝能力 に関連するrs174570の関連性が認められました。