オメガ6(DPA n6)の代謝能力
概要
DPAn6(ドコサペンタエン酸n6)は、オメガ-6脂肪酸の一種であり、必須脂肪酸であるリノール酸から代謝される過程で生成される中間体です。
DPAn6は、エイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)と異なり、オメガ-6系列に属しており、その構造や機能が異なります。
DPAn6は、主に動物性食品に含まれており、特に赤身肉や一部の魚介類に多く含まれています。体内では、リノール酸がアラキドン酸に変換され、その後、さらにDPAn6に変換されます。
このプロセスは、体のさまざまな生理機能に関連しており、特に細胞膜の構築や維持に重要です。細胞膜は、体内のすべての細胞を保護し、細胞内外の物質の移動を制御する重要な構造です。
DPAn6は、これらの膜の機能を最適化し、細胞が正しく働くための土台となります。
また、DPAn6は、体内でプロスタグランジンやロイコトリエンといった生理活性物質の前駆体としても機能します。
特に、DPAn6由来のプロスタグランジンは、炎症を制御する効果があり、過剰な炎症反応を抑えることで、慢性的な炎症や関連する疾患のリスクを軽減することが期待されています。
バージニア大学のMychaleckyjらの研究により、DPAn6(ドコサペンタエン酸n6)の代謝能力がrs76065946というDNA領域と関連していることが明らかになりました。
このDNA領域にはAA、AT、TTの3つの遺伝子型があり、Tタイプの変異を持つ人は、DPAn6(ドコサペンタエン酸n6)の代謝能力が高い傾向にあることが分かりました。
遺伝子領域rs76065946において日本で各遺伝タイプを持つ人の割合
- AA92.46%
- AT7.40%
- TT0.15%
遺伝子領域rs76065946において世界で各遺伝タイプを持つ人の割合
- AA82.26%
- AT16.87%
- TT0.87%
検査の理論的根拠
体表的なDNA領域:オメガ6(DPA n6)の代謝能力
体表的なDNA領域:オメガ6(DPA n6)の代謝能力
オメガ6(DPA n6)の代謝能力 に最も強く影響する遺伝子領域は、rs76065946です。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです。
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AA
92.5% -
AT
7.4% -
TT
0.1%
検査の根拠
バージニア大学のMychaleckyjらの研究により、オメガ6(DPA n6)の代謝能力が遺伝子と関連していることが明らかになりました。人間のゲノムには、rs76065946という領域が存在し、その領域の遺伝子にはAとTの2種類の変異があります。Aタイプの変異を持つ人は、オメガ6(DPA n6)の代謝能力が高い傾向にあることが分かりました。
今回調査したDNA領域
細胞中に存在するDNAマップの模式図
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関連遺伝子
| 関連遺伝子 | DIAPH3 |
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参考文献
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関連遺伝子 DIAPH3
- 参考リンク : 2018 Jul、Josyf C Mychaleckyjと研究グループがJ Med Genet に発表したMultiplex genomewide association analysis of breast milk fatty acid composition extends the phenotypic association and potential selection of FADS1 variants to arachidonic acid, a critical infant micronutrientという研究によるとオメガ6(DPA n6)の代謝能力 に関連するrs76065946の関連性が認められました。