原発開放隅角緑内障
概要
開放隅角緑内障は、進行性で無症状な状態が特徴の眼の慢性疾患であり、世界的に見て不可逆的な盲目の主要原因となっています。”開放隅角”は、通常、眼の房水が自由に流れることができる、虹彩と角膜の間の角度を指します。
しかし、開放隅角緑内障では、排水角は正常に見えるものの、液体の流れが遅くなり、眼内圧(IOP)が高くなります。この高い圧力が継続すると、視神経に損傷を与える可能性があります。
視神経の損傷は、まず微妙な周辺視野の損失から始まり、進行すると中心視野の損失につながることがあります。初期の周辺視野の損失はほとんど気付かれないため、大きな視力損失が起こるまで症状に気づかないかもしれません。
開放隅角緑内障は他にも症状を示さないことが一般的であり、定期的な眼科検診が早期発見とケアに不可欠です。
治療戦略は、眼内圧を安全なレベルまで下げることを重視しています。これには薬物治療、レーザー治療、または手術が使用されます。
早期の発見と治療は、視力損失の進行を止めることや緩和させるために非常に重要です。
カイザー・パーマネンテ北カリフォルニアのChoquetらの研究により、原発開放隅角緑内障の罹患リスクがrs7126413というDNA領域と関連していることが明らかになりました。
このDNA領域にはAA,AG,GGの3つの遺伝子型があり、Gを持つ遺伝子型の人は、原発開放隅角緑内障のリスクが高い傾向にあることが分かりました。
遺伝子領域rs7126413において日本で各遺伝タイプを持つ人の割合
- AA52.70%
- AG39.79%
- GG7.51%
遺伝子領域rs7126413において世界で各遺伝タイプを持つ人の割合
- AA35.31%
- AG48.23%
- GG16.47%
検査の理論的根拠
体表的なDNA領域:原発開放隅角緑内障
体表的なDNA領域:原発開放隅角緑内障
原発開放隅角緑内障 に最も強く影響する遺伝子領域は、rs7126413です。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです。
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AA
52.7% -
AG
39.8% -
GG
7.5%
検査の根拠
カイザー・パーマネンテ北カリフォルニアのChoquetらの研究により、原発開放隅角緑内障の罹患リスクが遺伝子と関連していることが明らかになりました。人間のゲノムには、rs7126413という領域が存在し、その領域の遺伝子にはAとGの2種類の変異があります。Aタイプの変異を持つ人は、原発開放隅角緑内障のリスクが高い傾向にあることが分かりました。
今回調査したDNA領域
細胞中に存在するDNAマップの模式図
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関連遺伝子
| 関連遺伝子 | ARHGEF12 |
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参考文献
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関連遺伝子 ARHGEF12
- 参考リンク : 2018 Jun、Hélène Choquetと研究グループがNat Commun に発表したA multiethnic genome-wide association study of primary open-angle glaucoma identifies novel risk lociという研究によると原発開放隅角緑内障 に関連するrs7126413の関連性が認められました。
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関連遺伝子 ARHGEF12
- 参考リンク : 2021 Feb、Puya Gharahkhaniと研究グループがNat Commun に発表したGenome-wide meta-analysis identifies 127 open-angle glaucoma loci with consistent effect across ancestriesという研究によると原発開放隅角緑内障 に関連するrs7126413の関連性が認められました。