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骨減少症

骨減少症のイメージ画像
  • 骨減少症とは、骨密度が正常と骨粗鬆症の間まで下がった状態であり、骨密度検査のTスコアが-1.0~-2.5にあたる骨粗鬆症の一歩手前の段階です。
  • DNA領域rs3736228のCを持つタイプを持つ人は骨減少症になりやすい傾向があることがエラスムス医療センターの研究で分かりました。
  • 日本人のrs3736228におけるCC型保有率は54.8%で、世界平均の74.0%より低く、CT型は38.4%と世界平均24.0%より約1.6倍高いです。

概要

【疾患の概要】 骨減少症(こつげんしょうしょう)は、骨の密度(骨の中身のつまり具合)が年齢の平均より低くなっている状態のことで、骨粗鬆症(骨がもろくなる病気)の一歩手前の段階と考えられています。 すぐに骨が折れやすくなるほど弱っているわけではありませんが、骨の量が目に見えないうちに減ってきており、長い目で見ると骨折しやすくなることにつながります。

【治療と注意点】 年をとることや閉経によるホルモンの変化、運動不足、カルシウムやビタミンDの不足、喫煙やお酒の飲みすぎ、やせすぎなどが、骨減少症の原因になるといわれています。 診断には、主に「デキサ法」と呼ばれるエックス線を使った骨密度の検査が使われ、その結果が「正常」と「骨粗鬆症」の間にあると骨減少症と判断されます。 骨減少症と診断されても、多くの場合は生活習慣を見直すことで骨の健康を保ったり、よくしたりできます。しっかり栄養をとる、ほどよく運動する、日光を浴びる、たばこをやめるといった取り組みが予防に役立ちます。 骨減少症は病気というより“注意が必要なサイン”であり、この段階で対策をすることが、将来の骨粗鬆症や骨折を防ぐための大きな鍵になります。

【遺伝的リスク】 エラスムス医療センターのKarol Estradaらの研究で、骨減少症のなりやすさがrs3736228というDNA領域と関係していることが分かりました。 このDNA領域にはTT、TC、CCの3つの遺伝子型があり、Cを持つ遺伝子型の人は、骨減少症になりやすい傾向があることが分かりました。

骨減少症とは何か

骨減少症とは、骨の密度が正常より低くなっているものの、まだ骨粗鬆症にはなっていない状態のことです。エックス線を使った骨密度の検査(デキサ法)で、Tスコア(若い大人の平均と比べた骨密度の値)が-1.0~-2.5の範囲にあたり、骨粗鬆症の一歩手前の段階と考えられています。

骨減少症の原因となりやすくなる要因とは

骨減少症には、主に6つの原因がかかわっています。これらが骨密度を下げ、骨折しやすくします。

  • 年をとること:骨を新しくつくる力が弱まり、骨の量が減ります。
  • 閉経によるホルモンの変化:女性ホルモン(エストロゲン)が減り、骨がこわされやすくなります。
  • 運動不足:骨に力がかからず、新しい骨がつくられにくくなります。
  • カルシウム・ビタミンD不足:骨の材料と、骨の吸収を助ける成分が足りなくなります。
  • 喫煙:骨をつくる細胞のはたらきを弱め、骨密度を下げます。
  • お酒の飲みすぎ・やせすぎ:栄養の吸収がさまたげられたり、骨にかかる体重が足りなくなったりして、骨の量が減りやすくなります。

骨減少症と骨粗鬆症の違い

比較項目 骨減少症 骨粗鬆症
Tスコア -1.0~-2.5 -2.5以下
骨密度 少し低下 大きく低下
骨折のしやすさ やや高い 高い
主な治療 生活習慣の見直し 薬による治療+生活習慣の見直し
段階 一歩手前(予防できる) はっきり診断

骨減少症の予防法とは

骨減少症は生活習慣を見直すことで骨の健康を保ったり、よくしたりできます。次の5つの対策が予防に役立ちます。

  • カルシウム摂取:1日800~1000mgを目安に、乳製品・小魚・緑黄色野菜からとります。
  • ビタミンD摂取:1日600~800国際単位を目安に、魚やきのこからとります。
  • 体に重さがかかる運動:ウォーキング・ジョギング・階段の上り下りを週3回以上行います。
  • 日光浴:体の中でビタミンDをつくるため、1日15~30分外で過ごします。
  • 禁煙・お酒をひかえる:たばこをやめ、お酒は1日2杯までにします。

遺伝子と骨減少症のなりやすさの関係

DNA領域rs3736228と骨減少症の関係

エラスムス医療センターのKarol Estradaらの研究(2012年、Nature Genetics掲載)で、骨減少症のなりやすさがDNA領域rs3736228と関係していることが分かりました。

  • rs3736228にはTT・TC・CCの3つの遺伝子型があります。
  • Cを持つ遺伝子型(CC型・CT型)の人は骨減少症になりやすい傾向があります。
  • このDNA領域はLRP5遺伝子にかかわります。

日本人と世界における遺伝子型分布の比較(rs3736228)

遺伝子型 日本人の割合 世界の割合
CC型 54.8% 74.0%
CT型 38.4% 24.0%
TT型 6.7% 1.9%

日本人のCT型保有率は38.4%であり、世界平均の24.0%とくらべて約1.6倍高い割合です。TT型も6.7%と世界平均1.9%の約3.5倍であり、日本人では骨減少症にかかわる遺伝子型の分布が世界平均と違うことを示しています。

骨減少症に関係する5つのDNA領域すべての日本人と世界の比較

DNA領域 かかわる遺伝子 日本(主要型 / 第2型 / 第3型) 世界(主要型 / 第2型 / 第3型)
rs3736228 LRP5 CC 54.8% / CT 38.4% / TT 6.7% CC 74.0% / CT 24.0% / TT 1.9%
rs9594759 LINC02341 CC 71.5% / CT 26.0% / TT 2.3% CC 23.5% / CT 49.9% / TT 26.5%
rs4869742 CCDC170 CC 3.5% / CT 30.4% / TT 66.0% CC 48.4% / CT 42.3% / TT 9.2%
rs3905706 MPP7 CC 35.5% / CT 48.1% / TT 16.3% CC 58.7% / CT 35.8% / TT 5.4%
rs9533090 LINC02341 CC 87.8% / CT 11.7% / TT 0.3% CC 31.5% / CT 49.2% / TT 19.1%

DNA領域rs3736228において日本で各遺伝子型を持つ人の割合

  • CC
    54.8%
  • CT
    38.4%
  • TT
    6.7%

DNA領域rs3736228において世界で各遺伝子型を持つ人の割合

  • CC
    74.0%
  • CT
    24.0%
  • TT
    1.9%

DNA領域rs9594759において日本で各遺伝子型を持つ人の割合

  • CC
    71.5%
  • CT
    26.0%
  • TT
    2.3%

DNA領域rs9594759において世界で各遺伝子型を持つ人の割合

  • CC
    23.5%
  • CT
    49.9%
  • TT
    26.5%

DNA領域rs4869742において日本で各遺伝子型を持つ人の割合

  • CC
    3.5%
  • CT
    30.4%
  • TT
    66.0%

DNA領域rs4869742において世界で各遺伝子型を持つ人の割合

  • CC
    48.4%
  • CT
    42.3%
  • TT
    9.2%

DNA領域rs3905706において日本で各遺伝子型を持つ人の割合

  • CC
    35.5%
  • CT
    48.1%
  • TT
    16.3%

DNA領域rs3905706において世界で各遺伝子型を持つ人の割合

  • CC
    58.7%
  • CT
    35.8%
  • TT
    5.4%

DNA領域rs9533090において日本で各遺伝子型を持つ人の割合

  • CC
    87.8%
  • CT
    11.7%
  • TT
    0.3%

DNA領域rs9533090において世界で各遺伝子型を持つ人の割合

  • CC
    31.5%
  • CT
    49.2%
  • TT
    19.1%

検査の理論的な根拠

代表的なDNA領域:骨減少症

骨減少症 に最も強く影響するDNA領域は、rs3736228です。 日本における各遺伝子型の人の割合は下記のとおりです。

  • CC
    54.8 %
  • CT
    38.4 %
  • TT
    6.7 %

ほかに、骨減少症にかかわるDNA領域としてrs9594759があります。 日本における各遺伝子型の人の割合は下記のとおりです。

  • CC
    71.5 %
  • CT
    26.0 %
  • TT
    2.3 %

ほかに、骨減少症にかかわるDNA領域としてrs4869742があります。 日本における各遺伝子型の人の割合は下記のとおりです。

  • CC
    3.5 %
  • CT
    30.4 %
  • TT
    66.0 %

ほかに、骨減少症にかかわるDNA領域としてrs3905706があります。 日本における各遺伝子型の人の割合は下記のとおりです。

  • CC
    35.5 %
  • CT
    48.1 %
  • TT
    16.3 %

ほかに、骨減少症にかかわるDNA領域としてrs9533090があります。 日本における各遺伝子型の人の割合は下記のとおりです。

  • CC
    87.8 %
  • CT
    11.7 %
  • TT
    0.3 %

検査の根拠

エラスムス医療センターのKarol Estradaらの研究で、骨減少症のなりやすさが遺伝子と関係していることが分かりました。人のDNAには、rs3736228という場所があり、この場所にはTとCの2種類のタイプがあります。Cを持つ遺伝子型の人は、骨減少症になりやすい傾向があることが分かりました。さらに、rs9594759、rs4869742、rs3905706、rs9533090の4つのDNA領域も骨減少症に関係しています。

今回調べたDNA領域

細胞の中にあるDNAの地図の模式図

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かかわる遺伝子

かかわる遺伝子 LRP5
かかわる遺伝子 LINC02341
かかわる遺伝子 CCDC170
かかわる遺伝子 MPP7
かかわる遺伝子 LINC02341

よくある質問

Q1. 骨減少症とは何ですか?

骨減少症とは、骨密度が正常より低くなっているものの、まだ骨粗鬆症にはなっていない状態です。エックス線を使った骨密度の検査(デキサ法)で、Tスコア(若い大人の平均と比べた骨密度の値)が-1.0~-2.5の範囲にあたります。骨減少症は「注意が必要なサイン」であり、この段階で対策をすることが骨粗鬆症や骨折の予防に役立ちます。

Q2. 骨減少症と骨粗鬆症の違いは何ですか?

骨減少症はTスコア-1.0~-2.5で骨密度が少し下がった状態であり、生活習慣を見直すことで進行を防げます。骨粗鬆症はTスコアが-2.5以下で骨密度が大きく下がり、骨折しやすい状態です。骨粗鬆症では薬による治療が必要になる場合があります。

Q3. 骨減少症は遺伝子と関連していますか?

はい。エラスムス医療センターのKarol Estradaらの研究(2012年、Nature Genetics)で、DNA領域rs3736228が骨減少症のなりやすさと関係していることが分かっています。rs3736228にはTT・TC・CCの3つの遺伝子型があり、Cを持つ遺伝子型の人は骨減少症になりやすい傾向があります。

Q4. 骨減少症の予防法にはどのようなものがありますか?

骨減少症の予防には、カルシウム(1日800~1000mg)とビタミンD(1日600~800国際単位)をしっかりとること、週3回以上の体に重さがかかる運動(ウォーキング・ジョギング)、禁煙、お酒をほどほどにすること、1日15~30分の日光浴が役立ちます。

Q5. 骨減少症に関係するDNA領域はいくつありますか?

骨減少症に関係する主なDNA領域は5つ確認されています。rs3736228(LRP5遺伝子)、rs9594759(LINC02341遺伝子)、rs4869742(CCDC170遺伝子)、rs3905706(MPP7遺伝子)、rs9533090(LINC02341遺伝子)です。

参考文献