過体重へのなりやすさ
- 過体重は体格指数25〜29.9の状態で、心臓や血管の病気・2型糖尿病・高血圧など長く続く病気のリスクを高めます。
- DNA領域rs1042713のG型変異を持つ人は、過体重になるリスクが高い傾向があることが研究で分かっています。
- 適切な食事の管理・運動の習慣・体重のチェックで、過体重を予防し、肥満に進むのを防ぐことができます。
概要
【概要】 過体重とは、健康を保つのにちょうどよいとされる体重を超えている状態のことです。
【特徴】 過体重かどうかは、体格指数(体重〔kg〕を身長〔m〕の2乗で割った数値)で判断します。体格指数が25から29.9の範囲にあると、過体重とされます。 過体重は肥満とは違い、まだ健康への悪い影響が比較的小さい段階です。それでも、体に悪い影響が出ることがあります。 過体重の主な原因は、食事でとるエネルギーと、体が使うエネルギーのバランスがくずれることです。
【メカニズム】 カロリーの高い食事や加工食品、砂糖の多い飲み物をとりすぎて、さらに運動不足が続くと、使いきれなかったカロリーが脂肪として体にたまります。 その結果、体重が増えて過体重になります。 また、遺伝子の影響やホルモンバランスの乱れも、体重の増加に関わることがあります。 過体重になると、心臓や血管の病気、2型糖尿病、高血圧などの長く続く病気(慢性疾患)にかかるリスクが高まります。 また、関節にかかる負担が増えて、膝や腰などが痛むことがあります。 さらに、過体重が長く続くと肥満に進むリスクが高まり、健康への影響がより深刻になります。
【科学的根拠】 サウード国王大学のDaghestaniらの研究で、過体重へのなりやすさがrs1042713というDNA領域と関係していることが分かりました。 このDNA領域にはGG、GA、AAの3つの遺伝子型があります。Gタイプの変異を持つ人は、過体重になるリスクが高い傾向があることが分かりました。
過体重とは何か
過体重とは、体格指数(体重〔kg〕を身長〔m〕の2乗で割った数値)が25〜29.9の範囲にある状態です。肥満の一歩手前にあたる、体重が多めの状態です。世界保健機関の基準では、体格指数18.5〜24.9が標準体重、25〜29.9が過体重、30以上が肥満に分けられます。
過体重の原因とメカニズム
過体重は、食事でとるエネルギーと体が使うエネルギーのバランスがくずれることで起こります。主な原因は次のとおりです。
- 食生活の乱れ:カロリーの高い加工食品や、砂糖の多い飲み物のとりすぎです。
- 運動不足:座りがちなデスクワーク中心の生活で、使うカロリーが減ります。
- 遺伝子の影響:DNA領域rs1042713のG型変異による体重が増えやすいリスクです。
- ホルモンバランスの乱れ:甲状腺の働きの低下や、インスリンが効きにくくなる状態です。
過体重と肥満の違い
| 比較項目 | 過体重 | 肥満 |
|---|---|---|
| 体格指数 | 25〜29.9 | 30以上 |
| 健康リスク | 中程度 | 高い |
| 症状 | 初めのうちは自分で気づきにくいです。 | 関節の痛み・息苦しさなどがはっきり出ます。 |
| 治療法 | 食事・運動による生活習慣の見直し | 医療による治療が必要な場合があります。 |
| 可逆性 | 生活習慣を見直せば元に戻しやすいです。 | 長い期間の治療や取り組みが必要です。 |
過体重が引き起こす健康リスク
過体重の状態が続くと、次のような健康上のリスクが高まります。
- 心血管疾患:動脈硬化(血管がかたくなること)・高血圧のリスクが約1.5倍に上がります。
- 2型糖尿病:インスリン(血糖を下げるホルモン)が効きにくくなり、発症リスクが上がります。
- 関節障害:膝・腰への負担が増えることによる、長く続く痛みです。
- 肥満への移行:過体重が長く続くと、肥満(体格指数30以上)に進むリスクが高まります。
過体重の予防と対策
以下の生活習慣の改善が、過体重の予防に有効です。
- バランスの取れた食事:野菜・たんぱく質を中心にした食生活
- 定期的な運動:週150分以上の、ややきつい程度の有酸素運動を行います。
- 体重管理:体格指数を定期的にチェックします。
- 睡眠の確保:1日7〜8時間のぐっすり眠れる睡眠
遺伝子と過体重の関連
DNA領域rs1042713と過体重リスクの関係
サウード国王大学のDaghestaniらの研究(1)で、DNA領域rs1042713が過体重へのなりやすさと関係していることが分かりました。
- rs1042713にはGG・GA・AAの3つの遺伝子型があります。
- G型変異を持つ遺伝子型の人は、過体重になるリスクが高い傾向があります。
日本人における遺伝子型分布(rs1042713)
| 遺伝子型 | 日本人の割合 | 世界の割合 |
|---|---|---|
| GG型 | 31.1% | 37.4% |
| GA型 | 49.3% | 47.4% |
| AA型 | 19.5% | 15.0% |
検査の理論的根拠
代表的なDNA領域:過体重へのなりやすさ
過体重へのなりやすさに最も強く関わるDNA領域は、rs1042713です。 日本でのそれぞれの遺伝子型の割合は下記のとおりです。
- GG
31.1 % - GA
49.3 % - AA
19.5 %
ほかに、過体重へのなりやすさに関わるDNA領域としてrs2030323があります。 日本でのそれぞれの遺伝子型の割合は下記のとおりです。
- AA
15.1 % - AC
47.5 % - CC
37.2 %
検査の根拠
サウード国王大学のDaghestaniらの研究で、過体重へのなりやすさが遺伝子と関係していることが分かりました。人間のDNAには、rs1042713という領域があり、この領域にはGとAの2種類の変異があります。G型変異を持つ人は、過体重になるリスクが高い傾向があることが分かりました(1)。
今回調査したDNA領域
細胞の中にあるDNAマップの模式図
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関連遺伝子
| 関連遺伝子 | ADRB2 |
|---|---|
| 関連遺伝子 | BDNF |
よくある質問
Q1. 過体重とは何ですか?
過体重とは、体格指数(体重〔kg〕を身長〔m〕の2乗で割った数値)が25〜29.9の範囲にある状態です。肥満の一歩手前の段階で、心臓や血管の病気や2型糖尿病などの慢性疾患(長く続く病気)のリスクが高まります。世界保健機関の基準では、体格指数30以上が肥満とされます。
Q2. 過体重の原因は何ですか?
主な原因は食事でとるエネルギーと使うエネルギーのバランスのくずれです。カロリーの高い食事や加工食品のとりすぎ、運動不足によって、体に脂肪がたまります。遺伝子の影響として、DNA領域rs1042713のG型変異も過体重のリスクに関わっています(1)。
Q3. 過体重と肥満の違いは?
過体重は体格指数25〜29.9の範囲であり、肥満は体格指数30以上です。過体重は生活習慣を見直すことで元に戻しやすいですが、肥満は医療による治療が必要になる場合があります。
Q4. 遺伝子検査で過体重のリスクは分かりますか?
DNA領域rs1042713の遺伝子型を調べることで、過体重へのなりやすさの傾向を知ることできます。G型変異を持つ人は過体重のリスクが高い傾向があることが、研究で分かっています(1)。
Q5. 過体重を予防するにはどうすればよいですか?
バランスのよい食事、週150分以上の有酸素運動、7〜8時間の睡眠が過体重の予防に役立ちます。体格指数を定期的に測って、自分で体重を管理することも大切です。