seeDNAロゴアイコン 膵神経内分泌腫瘍

概要

膵神経内分泌腫瘍(PNET)は、各種ホルモンを産生する膵臓のランゲルハンス島細胞から発生する希少で異質な腫瘍の一種です。 これらの腫瘍はホルモン活性に基づいて大まかに機能性および非機能性腫瘍に分類できます。
機能性PNETは血流にホルモンを分泌し、産生されるホルモンに応じて様々な症状を引き起こします。
例えば、インスリノーマはインスリンを産生し、低血糖を引き起こします。また、ガストリノーマは胃酸を分泌し、潰瘍性胃腸病と下痢を特徴とするゾリンジャー・エリソン症候群を引き起こします。
さらに過剰にホルモンが産生されることで、発汗、衰弱、めまい、急速な心拍数の増加などの症状を引き起こす場合もあります。

非機能性PNETは活動的なホルモンを産生しないため、初期段階での症状がない場合が多く、診断がより困難になります。症状を示す時は、 腹痛や黄疸、体重減少、胃腸の不快感などが引き起こされます。
前述したように、膵神経内分泌腫瘍(PNET)は、産生されるホルモンの種類や腫瘍の大きさ、膵臓内の位置によってさまざまな症状を引き起こします。

ハーバード公衆衛生大学院のTer-Minassianらの研究により、膵神経内分泌腫瘍の罹患リスクがrs4962081というDNA領域と関連していることが明らかになりました。
このDNA領域にはGG、GA、AAの3つの遺伝子型があり、Aを持つ遺伝子型の人は、膵神経内分泌腫瘍のリスクが高い傾向にあることが分かりました。

遺伝子領域rs4962081において日本で各遺伝タイプを持つ人の割合

93.38% 6.50% 0.11%
  • GG93.38%
  • GA6.50%
  • AA0.11%

遺伝子領域rs4962081において世界で各遺伝タイプを持つ人の割合

84.20% 15.12% 0.68%
  • GG84.20%
  • GA15.12%
  • AA0.68%

seeDNAロゴアイコン検査の理論的根拠

体表的なDNA領域:膵神経内分泌腫瘍

体表的なDNA領域:膵神経内分泌腫瘍

膵神経内分泌腫瘍 に最も強く影響する遺伝子領域は、rs4962081です。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです。

  • GG

    93.4
    %
  • GA

    6.5
    %
  • AA

    0.1
    %

検査の根拠

ハーバード公衆衛生大学院のTer-Minassianらの研究により、膵神経内分泌腫瘍の罹患リスクが遺伝子と関連していることが明らかになりました。人間のゲノムには、rs4962081という領域が存在し、その領域の遺伝子にはGとAの2種類の変異があります。Gタイプの変異を持つ人は、膵神経内分泌腫瘍のリスクが高い傾向にあることが分かりました。

seeDNAロゴアイコン今回調査したDNA領域

細胞中に存在するDNAマップの模式図

seeDNAロゴアイコン関連遺伝子

関連遺伝子 TSC1

seeDNAロゴアイコン参考文献