seeDNAロゴアイコン 長寿の傾向

概要

1. 概要

「孝行のしたい時分に親はなし」ということわざをご存知でしょうか。このことわざには、“親のありがたさがわかる頃に親はいない”、“親が生きているうちに親孝行せよ” という教訓が込められています。
より多くの孝行をするためにも、親には長く生きてもらいたいもの親に対してより多くの孝行をするためにも、親には長生きしてもらいたいものです。最近の研究によって、遺伝子「MC2R」付近のある部位が両親の長寿と関連していることがわかってきました。
長寿に関係する遺伝子は、疾患の発症リスクに関連しています。遺伝子検査による、自分自身の遺伝子タイプを調べ、両親の長寿に関する遺伝情報を知ることは、親と共に過ごす時間の大切さを思い起こさせるきっかけとなるでしょう。

2. 理論的根拠

イギリスのバイオバンク事業において行われた研究により、遺伝子「MC2R」周辺の特定タイプが親の長寿と関連していることが明らかになりました。
その部位は「rs28926173」と呼ばれ、「AA型」、「AG型」、「GG型」3つの遺伝子型が存在します。「AA型」は寿命が短い傾向があり、「AG型」はやや寿命が短い傾向があるとされています。
世界的に見た遺伝タイプの割合は、「GG型」が92.3%で最も多く、「AG型」が7.6%、「AA型」が0.1%で最も少ないです。日本人の遺伝子タイプは、「GG型」が90.8%で最も多く、「GA型」が9.19%、「AA型」が0.01%で最も少ない。
これらの遺伝子型は、ストレスを受けた際に分泌される「コルチゾール」というホルモンの分泌を抑制する機能が弱く、ストレス関連疾患を引き起こしやすいため、精神疾患の原因になることがわかっています。
うつ病や不眠症、不安神経症などの精神疾患を発症すると、生活満足度が低下し、幸福感を感じにくくなってしまうことが明らかになっています。両親の長寿に関連する遺伝情報を調べることは、親子の絆の大切さをもう一度考えるきっかけになるのではないでしょうか?

3. 作用機序

遺伝子「MC2R」は、ヒトに共通する24の染色体のうち、18番染色体に位置しており、副腎に特に多く存在しています。
この遺伝子は、コルチゾールの分泌を抑制する機能を持っています。しかし、この機能が働かないことにより、コルチゾールが過剰に分泌されてしまい、脳の委縮やホルモンバランスの乱れによる“血糖調節機能・免疫機能の低下”を引き起こします。
このような症状は遺伝しやすいと考えられており、遺伝子「MC2R」と両親の長寿は関連していると言われています。DNA領域「rs28926173」は、親の長寿に関係し、注目を浴びているSNVのひとつです。

遺伝子領域rs28926173において日本で各遺伝タイプを持つ人の割合

100.00% 0.00% 0.00%
  • GG100.00%
  • GA0.00%
  • AA0.00%

遺伝子領域rs28926173において世界で各遺伝タイプを持つ人の割合

92.27% 7.58% 0.16%
  • GG92.27%
  • GA7.58%
  • AA0.16%

seeDNAロゴアイコン検査の理論的根拠

体表的なDNA領域:長寿の傾向

体表的なDNA領域:長寿の傾向

長寿の傾向 に最も強く影響する遺伝子領域は、rs28926173です。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです。

  • GG

    100.0
    %
  • GA

    0.0
    %
  • AA

    0.0
    %

検査の根拠

エクセター大学医学部のPillingらの研究により、長寿の傾向が遺伝子と関連していることが明らかになりました。人間のゲノムには、rs28926173という領域が存在し、その領域の遺伝子にはGとAの2種類の変異があります。Gタイプの変異を持つ人は、長寿の傾向が高いことが分かりました。

seeDNAロゴアイコン今回調査したDNA領域

細胞中に存在するDNAマップの模式図

seeDNAロゴアイコン関連遺伝子

関連遺伝子 MC2R

seeDNAロゴアイコン参考文献

  • 関連遺伝子 MC2R
  • 参考リンク : 2017 Dec、Luke C Pillingと研究グループがAging (Albany NY) に発表したHuman longevity: 25 genetic loci associated in 389,166 UK biobank participantsという研究によると長寿の傾向 に関連するrs28926173の関連性が認められました。