seeDNAロゴアイコン 骨盤臓器脱

概要

骨盤臓器脱(POP)は、骨盤内の臓器が正常な位置からずれ、骨盤底部に向かって下がる状態であり、膀胱が下がる膀胱瘤、直腸が下がる直腸瘤、子宮が下がる子宮脱などの種類が存在します。
主な原因は、出産時の骨盤底筋の損傷、加齢による筋肉や結合組織の衰え、閉経後のホルモン変化、重いものを持ち上げることによる腹圧の増加、慢性的な咳や便秘などです。
これらの要因が骨盤底筋に負担をかけ、臓器が正しい位置にから下がります。

POPは骨盤や下腹部の圧迫感や重さ、膣内の異物感、排尿困難や頻尿、便秘、性交時の痛みなどの症状を示します。症状は長時間の立った状態で悪化し、横になると緩和されます。
進行すると、膣口から臓器が外に出ることもあります。
治療は、症状の重さや生活スタイルに応じて異なります。軽症の場合、骨盤底筋を強化するケーゲル体操が推奨されます。
生活習慣の改善として、便秘予防や重いものを持ち上げないようにすることも重要です。
重症の場合には、ペッサリーという装置を膣内に挿入して臓器を支える方法や手術が検討されます。手術では、骨盤底筋を補強し、脱出した臓器を元の位置に戻します。

デコード・ジェネティクスのOlafsdottirらの研究により、骨盤臓器脱の罹患リスクがrs3791675というDNA領域と関連していることが明らかになりました。
このDNA領域にはCC、CT、TTの3つの遺伝子型があり、Cを持つ遺伝子型の人は、骨盤臓器脱のリスクが高い傾向にあることが分かりました。

遺伝子領域rs3791675において日本で各遺伝タイプを持つ人の割合

7.51% 39.79% 52.70%
  • CC7.51%
  • CT39.79%
  • TT52.70%

遺伝子領域rs3791675において世界で各遺伝タイプを持つ人の割合

54.80% 38.45% 6.75%
  • CC54.80%
  • CT38.45%
  • TT6.75%

seeDNAロゴアイコン検査の理論的根拠

体表的なDNA領域:骨盤臓器脱

体表的なDNA領域:骨盤臓器脱

骨盤臓器脱 に最も強く影響する遺伝子領域は、rs3791675です。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです。

  • CC

    7.5
    %
  • CT

    39.8
    %
  • TT

    52.7
    %

検査の根拠

デコード・ジェネティクスのOlafsdottirらの研究により、骨盤臓器脱の罹患リスクが遺伝子と関連していることが明らかになりました。人間のゲノムには、rs3791675という領域が存在し、その領域の遺伝子にはCとTの2種類の変異があります。Cタイプの変異を持つ人は、骨盤臓器脱のリスクが高い傾向にあることが分かりました。

seeDNAロゴアイコン今回調査したDNA領域

細胞中に存在するDNAマップの模式図

seeDNAロゴアイコン関連遺伝子

関連遺伝子 EFEMP1

seeDNAロゴアイコン参考文献

  • 関連遺伝子 EFEMP1
  • 参考リンク : 2020 Mar、Thorhildur Olafsdottirと研究グループがCommun Biol に発表したGenome-wide association identifies seven loci for pelvic organ prolapse in Iceland and the UK Biobankという研究によると骨盤臓器脱 に関連するrs3791675の関連性が認められました。