DNA鑑定|一生の悩みを2日で解決|国内自社ラボDNA鑑定

前立腺がんの転移率

前立腺がんの転移率のイメージ画像
  • 前立腺がんの転移率はLGR4遺伝子のはたらきの強さと関係し、上皮間葉転換(がん細胞が動きやすい性質に変わること)が進むことで転移しやすくなります。
  • DNA領域rs2472632のAタイプを持つ人は前立腺がんの転移率が高い傾向にあることが研究で分かっています。
  • 早期発見がカギであり、遺伝子検査と血液検査(前立腺特異抗原検査)を組み合わせることで、リスクに合わせた予防・対策ができます。

概要

【疾患の概要】 LGR4は、人間の細胞の表面にあるタンパク質で、「Gタンパク質共役受容体」と呼ばれるグループの一種です。 これらの受容体は細胞の「アンテナ」のように働き、外からの信号を受け取って細胞の中に伝え、細胞の活動を調節します。

【治療と注意点】 LGR4は多くの臓器や組織で作られていて、細胞の成長、分化(細胞の役割が決まること)、アポトーシス(細胞が自分で死ぬしくみ)などの大切なはたらきの調節に関わっています。 最近の研究で、前立腺がんの組織では正常な前立腺の組織に比べてLGR4が多く作られていることや、前立腺がんが骨に転移した部分でもLGR4が増えていることが分かってきました。 このことから、LGR4が前立腺がんの発生や進行、さらにがん細胞が周りに入り込んだり転移したりすることに、大きく関わっている可能性があります。 この考えを裏付けるように、LGR4が前立腺がん細胞の「上皮間葉転換」と呼ばれる変化を進めることが分かっています。 この変化によって、がん細胞は最初にできた場所(原発腫瘍)から離れ、周りの組織や血管に入り込み、遠くの臓器に広がりやすくなります。 くわしいはたらきや関係については、さらに研究が必要ですが、LGR4は前立腺がんの診断、治療後の見通しの判断、治療のための新しい目標になる可能性があります。

【遺伝的リスク】 がん全体に言えることですが、前立腺がんでも早期発見が大切です。 このDNA領域にはCC、CA、AAの3つの遺伝子型があり、Aを持つ遺伝子型の人は、前立腺がんの転移率が高い傾向にあることが分かりました。

前立腺がんの転移率とは何か

前立腺がんの転移率とは、前立腺にできたがん細胞が最初にできた場所から離れ、骨・リンパ節・ほかの臓器へ広がる確率のことです。前立腺がんは男性に最も多いがんの一つで、転移しているかどうかが治療後の見通しを大きく左右します。

なぜ前立腺がんは転移するのか

転移の主な原因は上皮間葉転換と呼ばれる細胞の変化です。この変化によって、次のようなことが起こります。

  • 細胞どうしのつながりがなくなる:がん細胞が最初にできた場所(原発腫瘍)から離れます。
  • 動き回る力を得る:がん細胞が周りの組織や血管に入り込みます。
  • 遠くへの転移:がん細胞が骨・リンパ節・肺などの遠隔臓器に到達します。

LGR4遺伝子の役割

LGR4は「Gタンパク質共役受容体」と呼ばれるタンパク質の一種で、細胞の「アンテナ」として外からの信号を受け取り、細胞の活動を調節します。

  • 前立腺がん組織ではLGR4が正常な組織より多く作られています。
  • 骨に転移したがんでもLGR4が増えていることが確認されています。
  • LGR4は上皮間葉転換を促進し、がん細胞が周りに入り込んだり転移したりするのを助けます。
  • 細胞の成長・分化(役割が決まること)・アポトーシス(細胞が自分で死ぬしくみ)の調節に関わります。

前立腺がんの転移と非転移の違い

比較項目 限局性(転移なし) 転移性
がん細胞の位置 前立腺内に限局 骨・リンパ節・ほかの臓器に広がります。
5年生存率 ほぼ100% 約30%
LGR4の量 正常レベル 多い
治療法 手術・放射線療法 ホルモン療法・化学療法
予後(治療後の見通し) 良好 治療を続ける必要あり

早期発見の重要性

前立腺がんは早期発見により予後(治療後の見通し)が大きく改善します。次の検査がすすめられています。

  • 前立腺特異抗原検査(血液検査):血液中の前立腺特異抗原(前立腺から出るタンパク質)の量を測ります(50歳以上におすすめ)。
  • 直腸指診:医師が指で前立腺に直接ふれて調べます。
  • 遺伝子検査:rs2472632の遺伝子型からリスクを調べます。

遺伝子と前立腺がんの転移率の関係

DNA領域rs2472632と転移リスクの関係

ケンブリッジ大学のPietznerらの研究により、DNA領域rs2472632が前立腺がんの転移率と関係していることが分かりました。

  • rs2472632にはCC・CA・AAの3つの遺伝子型があります。
  • Aを持つ遺伝子型(CA型・AA型)の人は、前立腺がんの転移率が高い傾向があります。

日本人における遺伝子型分布(rs2472632)

遺伝子型 日本人の割合 世界の割合
CC型 38.4% 37.8%
CA型 47.1% 47.3%
AA型 14.4% 14.8%

DNA領域rs2472632において日本で各遺伝子型を持つ人の割合

  • CC
    38.4%
  • CA
    47.1%
  • AA
    14.4%

DNA領域rs2472632において世界で各遺伝子型を持つ人の割合

  • CC
    37.8%
  • CA
    47.3%
  • AA
    14.8%

検査の根拠

代表的なDNA領域:前立腺がんの転移率

前立腺がんの転移率に最も強く影響するDNA領域は、rs2472632です。 日本でのこの領域の遺伝子型の割合は下のとおりです。

  • CC
    38.4 %
  • CA
    47.1 %
  • AA
    14.4 %

検査の根拠

ケンブリッジ大学のPietznerらの研究により、前立腺がんの転移率が遺伝子と関係していることが分かりました。人間のDNAには、rs2472632という領域があり、そこにはCとAの2つのタイプがあります。Aタイプを持つ人は、前立腺がんの転移率が高い傾向にあることが分かりました。

今回調査したDNA領域

細胞の中にあるDNAマップの模式図

Image
  • ■
  • ■
  • ■
  • ■
  • ■
  • ■
  • ■
  • ■
  • ■

関連遺伝子

関連遺伝子 LGR4

よくある質問

Q1. 前立腺がんの転移率とは何ですか?

前立腺がんの転移率とは、前立腺にできたがん細胞が骨・リンパ節・ほかの臓器へ広がる確率のことです。LGR4遺伝子がたくさん働いていると、上皮間葉転換(がん細胞が動きやすい性質に変わること)が進み、転移率が上がる可能性があります。

Q2. LGR4遺伝子と前立腺がんの転移の関係は?

LGR4は「Gタンパク質共役受容体」と呼ばれるタンパク質の一種で、前立腺がんの組織では正常な組織に比べて多く作られていることが確認されています。LGR4は上皮間葉転換(がん細胞が動きやすい性質に変わること)を進め、がん細胞が周りに入り込んだり転移したりするのを助けます。

Q3. 遺伝子検査で前立腺がんの転移リスクは分かりますか?

DNA領域rs2472632の遺伝子型を調べることで、前立腺がんの転移リスクの傾向を知ることができます。Aを持つ遺伝子型(CA型・AA型)の人は転移率が高い傾向にあることが、ケンブリッジ大学の研究で分かっています。

Q4. 前立腺がんの転移を早期発見するには?

前立腺特異抗原検査(血液検査)を定期的に受けることが大切です。50歳以上の男性、または家族に前立腺がんの人がいる場合は40歳からの検査がすすめられています。遺伝子検査と組み合わせることで、一人ひとりのリスクに合わせた検診の計画を立てることができます。

参考文献