腎臓機能の良さ(クレアチニン)
概要
クレアチニンレベルは、腎臓の健康と総合的な腎機能を示す重要な指標です。クレアチニンは、体内の筋肉の正常な分解から生じる廃棄物であり、通常は腎臓によって血液からろ過されます。
そのため、血液中のクレアチニン濃度は腎機能を評価する重要な基準となります。
健康な個人では、腎臓はクレアチニンレベルを適正範囲内に保ち、この廃棄物を血液から効果的に排出します。血液中のクレアチニン濃度が高い場合、腎機能が低下し、この廃棄物を十分にろ過していないことを示します。
逆に、極端に低いレベルはまれであり、筋肉の減少や栄養不良など、他の状態を示す可能性があります。
腎機能を評価するためには、クレアチニン濃度を血液から測定します。この情報に年齢、性別、体格などの要因を組み合わせて、クレアチニンクリアランス率や推定糸球体濾過率(eGFR)を計算できます。
これらの値は、腎臓のろ過機能について詳細な情報となります。eGFRは広く腎臓疾患を段階的に評価するために利用され、疾患の診断や治療計画に役立ちます。
ブリストル大学のRichardsonらの研究により、腎機能評価(クレアチニン)に関するリスクがrs17786744というDNA領域と関連していることが明らかになりました。
このDNA領域にはAA,AG,GGの3つの遺伝子型があり、Gを持つ遺伝子型の人は、腎機能低下のリスクが高い傾向にあることが分かりました。
遺伝子領域rs17786744において日本で各遺伝タイプを持つ人の割合
- AA52.70%
- AG39.79%
- GG7.51%
遺伝子領域rs17786744において世界で各遺伝タイプを持つ人の割合
- AA35.72%
- AG48.09%
- GG16.19%
遺伝子領域rs4774940において日本で各遺伝タイプを持つ人の割合
- GG72.41%
- GC25.37%
- CC2.22%
遺伝子領域rs4774940において世界で各遺伝タイプを持つ人の割合
- GG48.81%
- GC42.11%
- CC9.08%
検査の理論的根拠
体表的なDNA領域:腎臓機能の良さ(クレアチニン)
体表的なDNA領域:腎臓機能の良さ(クレアチニン)
腎臓機能の良さ(クレアチニン) に最も強く影響する遺伝子領域は、rs17786744です。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです。
-
AA
52.7% -
AG
39.8% -
GG
7.5%
他に、腎臓機能の良さ(クレアチニン)に関わる遺伝子領域はrs4774940があります。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです
-
GG
72.4% -
GC
25.4% -
CC
2.2%
検査の根拠
ブリストル大学のRichardsonらの研究により、腎機能評価(クレアチニン)に関するリスクが遺伝子と関連していることが明らかになりました。人間のゲノムには、rs17786744という領域が存在し、その領域の遺伝子にはAとGの2種類の変異があります。Aタイプの変異を持つ人は、腎機能低下のリスクが高い傾向にあることが分かりました。
今回調査したDNA領域
細胞中に存在するDNAマップの模式図
- ■
- ■
- ■
- ■
- ■
- ■
- ■
- ■
- ■
関連遺伝子
| 関連遺伝子 | STC1 |
|---|---|
| 関連遺伝子 | CGNL1 |
参考文献
-
関連遺伝子 STC1
- 参考リンク : 2022 Feb、Tom G Richardsonと研究グループがPLoS Biol に発表したCharacterising metabolomic signatures of lipid-modifying therapies through drug target mendelian randomisationという研究によると腎臓機能の良さ(クレアチニン) に関連するrs17786744の関連性が認められました。
-
関連遺伝子 CGNL1
- 参考リンク : 2021 Feb、Nasa Sinnott-Armstrongと研究グループがNat Genet に発表したGenetics of 35 blood and urine biomarkers in the UK Biobankという研究によると腎臓機能の良さ(クレアチニン) に関連するrs4774940の関連性が認められました。