seeDNAロゴアイコン 気管支拡張薬に対する反応(FEV/FVC比)

概要

気管支拡張薬は、気管支を拡張させることで呼吸を楽にする薬で、主に喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの呼吸器疾患の治療に使用されます。
これらの薬は、気管支の平滑筋を弛緩させ、気道の狭窄を緩和することで、患者がより効率的に空気を出し入れできるようにします。この作用は、肺機能の評価においても重要な役割を果たします。

肺機能の評価には、FVC(努力肺活量)とFEV(1秒量)という指標が使用されます。FVCとは、最大限に吸い込んだ後にできるだけ速く強く息を吐き出した際の、吐き出せる空気の総量を指します。
FEVとは、同じ呼気動作の中で最初の1秒間に吐き出される空気量を指します。この2つの指標は、気道の通過障害や肺の弾性力など、呼吸機能のさまざまな側面を評価するために重要です。
気管支拡張薬を使用する前後でFVCやFEVを測定することで、その効果を評価することができます。たとえば、気管支が収縮している状態では、FVCやFEVが低下し、患者は十分に空気を吐き出すことができません。
しかし、気管支拡張薬を使用することで気道が広がり、FVCやFEVの値が改善することが期待されます。
特にFEVは、気道の閉塞を反映する指標として重要であり、気管支拡張薬による改善が見られると、薬が効果的であることを示しています。

コロラド大学のLutzらの研究により、気管支拡張薬の効き目がrs138607199というDNA領域と関連していることが明らかになりました。
このDNA領域にはGG、GA、AAの3つの遺伝子型があり、Aタイプの変異を持つ人は、気管支拡張薬の効き目があらわれやすい傾向にあることが分かりました。

遺伝子領域rs138607199において日本で各遺伝タイプを持つ人の割合

100.00% 0.00% 0.00%
  • GG100.00%
  • GA0.00%
  • AA0.00%

遺伝子領域rs138607199において世界で各遺伝タイプを持つ人の割合

99.60% 0.40% 0.00%
  • GG99.60%
  • GA0.40%
  • AA0.00%

遺伝子領域rs141008343において日本で各遺伝タイプを持つ人の割合

100.00% 0.00% 0.00%
  • TT100.00%
  • TA0.00%
  • AA0.00%

遺伝子領域rs141008343において世界で各遺伝タイプを持つ人の割合

99.47% 0.53% 0.00%
  • TT99.47%
  • TA0.53%
  • AA0.00%

遺伝子領域rs9978142において日本で各遺伝タイプを持つ人の割合

100.00% 0.00% 0.00%
  • AA100.00%
  • AT0.00%
  • TT0.00%

遺伝子領域rs9978142において世界で各遺伝タイプを持つ人の割合

72.93% 24.94% 2.13%
  • AA72.93%
  • AT24.94%
  • TT2.13%

遺伝子領域rs1076135において日本で各遺伝タイプを持つ人の割合

9.77% 42.97% 47.27%
  • AA9.77%
  • AT42.97%
  • TT47.27%

遺伝子領域rs1076135において世界で各遺伝タイプを持つ人の割合

33.30% 48.81% 17.89%
  • AA33.30%
  • AT48.81%
  • TT17.89%

seeDNAロゴアイコン検査の理論的根拠

体表的なDNA領域:気管支拡張薬に対する反応(FEV/FVC比)

体表的なDNA領域:気管支拡張薬に対する反応(FEV/FVC比)

気管支拡張薬に対する反応(FEV/FVC比) に最も強く影響する遺伝子領域は、rs138607199です。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです。

  • GG

    100.0
    %
  • GA

    0.0
    %
  • AA

    0.0
    %

他に、気管支拡張薬に対する反応(FEV/FVC比)に関わる遺伝子領域はrs141008343があります。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです

  • TT

    100.0
    %
  • TA

    0.0
    %
  • AA

    0.0
    %

他に、気管支拡張薬に対する反応(FEV/FVC比)に関わる遺伝子領域はrs9978142があります。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです

  • AA

    100.0
    %
  • AT

    0.0
    %
  • TT

    0.0
    %

他に、気管支拡張薬に対する反応(FEV/FVC比)に関わる遺伝子領域はrs1076135があります。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです

  • AA

    9.8
    %
  • AT

    43.0
    %
  • TT

    47.3
    %

検査の根拠

コロラド大学のLutzらの研究により、気管支拡張薬に対する反応(FEV/FVC比)が遺伝子と関連していることが明らかになりました。人間のゲノムには、rs138607199という領域が存在し、その領域の遺伝子にはGとAの2種類の変異があります。Gタイプの変異を持つ人は、気管支拡張薬に対する反応が良い傾向にあることが分かりました。

seeDNAロゴアイコン今回調査したDNA領域

細胞中に存在するDNAマップの模式図

seeDNAロゴアイコン関連遺伝子

関連遺伝子 LINC00364
関連遺伝子 LINC00364
関連遺伝子 LINC00310
関連遺伝子 ASCC2

seeDNAロゴアイコン参考文献

  • 関連遺伝子 LINC00364
  • 参考リンク : 2015 Dec、Sharon M Lutzと研究グループがBMC Genet に発表したA genome-wide association study identifies risk loci for spirometric measures among smokers of European and African ancestryという研究によると気管支拡張薬に対する反応(FEV/FVC比) に関連するrs138607199の関連性が認められました。
  • 関連遺伝子 LINC00364
  • 参考リンク : 2015 Dec、Sharon M Lutzと研究グループがBMC Genet に発表したA genome-wide association study identifies risk loci for spirometric measures among smokers of European and African ancestryという研究によると気管支拡張薬に対する反応(FEV/FVC比) に関連するrs141008343の関連性が認められました。
  • 関連遺伝子 LINC00310
  • 参考リンク : 2011 Sep、María Soler Artigasと研究グループがNat Genet に発表したGenome-wide association and large-scale follow up identifies 16 new loci influencing lung functionという研究によると気管支拡張薬に対する反応(FEV/FVC比) に関連するrs9978142の関連性が認められました。
  • 関連遺伝子 ASCC2
  • 参考リンク : 2023 Mar、Nick Shrineと研究グループがNat Genet に発表したMulti-ancestry genome-wide association analyses improve resolution of genes and pathways influencing lung function and chronic obstructive pulmonary disease riskという研究によると気管支拡張薬に対する反応(FEV/FVC比) に関連するrs1076135の関連性が認められました。
  • 関連遺伝子 LINC00310
  • 参考リンク : 2018 Jul、Kristin M Burkartと研究グループがAm J Respir Crit Care Med に発表したA Genome-Wide Association Study in Hispanics/Latinos Identifies Novel Signals for Lung Function. The Hispanic Community Health Study/Study of Latinosという研究によると気管支拡張薬に対する反応(FEV/FVC比) に関連するrs9978142の関連性が認められました。