心原性ショック
概要
平均動脈圧(MAP)は、1つの心拍サイクル中に動脈内の平均血圧を示す重要な数値です。これは、全身の臓器や組織に十分な血液供給を確保するために不可欠です。
MAPが大幅に低下すると、ショックとして知られる危険な状態になる可能性があります。
ショックは、血流の減少により体の細胞に酸素や栄養素が適切に供給されなくなる状態です。MAPの低下は通常、循環系が体内の血液を適切に循環させられないことを示すサインとされます。
この血圧の低下は、激しい出血(出血性ショック)、深刻な感染(敗血症ショック)、心臓機能不全(心原性ショック)、または激しいアレルギー反応(アナフィラキシーショック)などの理由で引き起こされる可能性があります。
ショックの徴候には、状態の深刻さを示すさまざまな症状が伴います。初期段階では、速い心拍、浅い呼吸、冷たく湿った皮膚、混乱などの症状が現れ、重篤な場合には尿の排出量の減少、意識の混濁、最終的には意識喪失まで進行することがあります。
ショックは迅速にかつ適切に治療されないと、組織が酸素と栄養素を不足させた状態になり、多臓器不全や死亡につながる可能性があります。
レスター大学のWainらの研究により、心原性ショックの罹患リスクがrs6015450というDNA領域と関連していることが明らかになりました。
このDNA領域にはAA,AG,GGの3つの遺伝子型があり、Gを持つ遺伝子型の人は、心原性ショックのリスクが高い傾向にあることが分かりました。
遺伝子領域rs6015450において日本で各遺伝タイプを持つ人の割合
- AA100.00%
- AG0.00%
- GG0.00%
遺伝子領域rs6015450において世界で各遺伝タイプを持つ人の割合
- AA76.64%
- AG21.81%
- GG1.55%
遺伝子領域rs11105364において日本で各遺伝タイプを持つ人の割合
- TT35.54%
- TG48.15%
- GG16.31%
遺伝子領域rs11105364において世界で各遺伝タイプを持つ人の割合
- TT71.31%
- TG26.27%
- GG2.42%
検査の理論的根拠
体表的なDNA領域:心原性ショック
体表的なDNA領域:心原性ショック
心原性ショック に最も強く影響する遺伝子領域は、rs6015450です。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです。
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AA
100.0% -
AG
0.0% -
GG
0.0%
他に、心原性ショックに関わる遺伝子領域はrs11105364があります。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです
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TT
35.5% -
TG
48.2% -
GG
16.3%
検査の根拠
レスター大学のWainらの研究により、心原性ショックの罹患リスクが遺伝子と関連していることが明らかになりました。人間のゲノムには、rs6015450という領域が存在し、その領域の遺伝子にはAとGの2種類の変異があります。Gタイプの変異を持つ人は、心原性ショックのリスクが高い傾向にあることが分かりました。
今回調査したDNA領域
細胞中に存在するDNAマップの模式図
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関連遺伝子
| 関連遺伝子 | ZNF831 |
|---|---|
| 関連遺伝子 | ATP2B1 |
参考文献
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関連遺伝子 ZNF831
- 参考リンク : 2011 Sep、Louise V Wainと研究グループがNat Genet に発表したGenome-wide association study identifies six new loci influencing pulse pressure and mean arterial pressureという研究によると心原性ショック に関連するrs6015450の関連性が認められました。
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関連遺伝子 ATP2B1
- 参考リンク : 2018 Nov、Fumihiko Takeuchiと研究グループがNat Commun に発表したInterethnic analyses of blood pressure loci in populations of East Asian and European descentという研究によると心原性ショック に関連するrs11105364の関連性が認められました。