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メトトレキサートの副作用(粘膜炎)の重さ

メトトレキサートの副作用(粘膜炎)のイメージ画像
  • メトトレキサートの副作用である粘膜炎は、口の中や消化管の粘膜に炎症や潰瘍ができる症状です。
  • DNA領域rs1128503のAタイプを持つ人は、粘膜炎が重くなるリスクが高い傾向があることが研究で分かりました。
  • 日本人でAA型を持つ人の割合は36.1%で、世界平均(17.8%)とくらべて約2倍高いです。

概要

【疾患の概要】 メトトレキサートは、さまざまな病気の治療に使われる薬です。

【症状と特徴】 最初はがんの治療のために作られましたが、今では自己免疫疾患(免疫が自分の体を攻撃してしまう病気)や関節リウマチなどにも広く使われています。 この薬には細胞が分裂して増えるのをおさえる働きがあり、がん細胞が大きくなるのをおさえます。 また、自己免疫疾患では、強すぎる免疫の働きをおさえる効果があります。

【治療と注意点】 このようによく効く薬ですが、主に胃腸などの消化器、肝臓、血液に副作用が出ることがあります。 消化器の副作用には、粘膜炎(ムコサイティス:口から腸までの内側をおおう粘膜に、痛みのある炎症や潰瘍ができること)、吐き気、嘔吐、下痢、口内炎があります。 肝臓にも影響があり、長い期間使ったり、量を多く使ったりすると、肝臓の働きが悪くなることがあります。 血液の副作用としては、貧血や白血球(体を守る血液の細胞)の減少があり、感染症にかかりやすくなります。 メトトレキサートはよく効く薬ですが、副作用が出たときは、すぐに医師に相談することが大切です。

【遺伝的リスク】 華中科技大学のGongらの研究で、メトトレキサートの副作用がrs1128503というDNA領域と関係していることが分かりました。 このDNA領域にはAA、AG、GGの3つの遺伝子型があり、Aを持つ遺伝子型の人は、メトトレキサートの副作用のリスクが高い傾向があることが分かりました。

メトトレキサートの副作用(粘膜炎)とは何か

メトトレキサートは、がんの治療・関節リウマチ・自己免疫疾患に広く使われる薬で、細胞が増えるのに必要な物質の働きをじゃまする「抗代謝薬」の一種です。副作用として粘膜炎(ムコサイティス)が起こることがあります。粘膜炎は、消化管の内側をおおう粘膜に、痛みのある炎症や潰瘍ができる症状です。

メトトレキサートが効くしくみ

メトトレキサートには次の2つの働きがあります。

  • 細胞の分裂をおさえる働き:がん細胞が増えるのをじゃまして、腫瘍が大きくなるのをおさえます。
  • 免疫をおさえる働き:自己免疫疾患で、強すぎる免疫の働きをおさえます。

メトトレキサートの主な副作用の分け方

副作用の種類 具体的な症状 重さ
消化器系 粘膜炎・吐き気・嘔吐・下痢・口内炎 中〜高
肝臓 肝臓の働きが悪くなります(長い期間や多い量で使ったとき)。 中〜高
血液 貧血・白血球の減少・感染症にかかりやすくなります。 高

粘膜炎(ムコサイティス)の症状とは

粘膜炎は、消化管(口から腸まで)の内側をおおう粘膜にできる炎症や潰瘍です。次のような症状が特徴です。

  • 口の中の痛み・はれ・赤み
  • 飲み込みにくさ
  • 消化管に潰瘍ができます。
  • 栄養がとりにくくなります。

副作用が出たときの対処法

メトトレキサートはよく効く薬ですが、副作用が出たときはすぐに担当の医師に相談することが大切です。薬の量を調整したり、別の薬に変えたりすることが検討されます。

遺伝子とメトトレキサートの副作用(粘膜炎)の関係

DNA領域rs1128503と粘膜炎リスクの関係

華中科技大学のGongらの研究(2021年)で、DNA領域rs1128503がメトトレキサートの副作用(粘膜炎)の重さと関係していることが分かりました。

  • rs1128503にはAA・AG・GGの3つの遺伝子型があります。
  • Aタイプを持つ遺伝子型(AA型・AG型)の人は、粘膜炎が重くなるリスクが高い傾向があります。

日本人と世界の遺伝子型の割合の比較(rs1128503)

遺伝子型 日本人の割合 世界の割合
AA型 36.1% 17.8%
AG型 47.9% 48.8%
GG型 15.9% 33.3%

DNA領域rs1128503において日本で各遺伝子型を持つ人の割合

  • AA
    36.1%
  • AG
    47.9%
  • GG
    15.9%

DNA領域rs1128503において世界で各遺伝子型を持つ人の割合

  • AA
    17.8%
  • AG
    48.8%
  • GG
    33.3%

検査の理論的な根拠

代表的なDNA領域:メトトレキサートの副作用(粘膜炎)の重さ

メトトレキサートの副作用(粘膜炎)の重さ に最も強く影響するDNA領域は、rs1128503です。 日本人がそれぞれの遺伝子型を持つ割合は下記のとおりです。

  • AA
    36.1 %
  • AG
    47.9 %
  • GG
    15.9 %

検査の根拠

華中科技大学のGongらの研究で、メトトレキサートの副作用が遺伝子と関係していることが分かりました。人のDNAには、rs1128503という場所があり、そこにはAとGの2種類のタイプがあります。Aタイプを持つ人は、メトトレキサートの副作用のリスクが高い傾向があることが分かりました。

今回調査したDNA領域

細胞の中にあるDNAマップの模式図

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関連する遺伝子

関連する遺伝子 ABCB1

よくある質問

Q1. メトトレキサートの副作用(粘膜炎)とは何ですか?

メトトレキサートは、がんの治療や関節リウマチに使われる薬(抗代謝薬)です。副作用として粘膜炎(ムコサイティス)が起こることがあり、口の中や消化管の粘膜に、痛みのある炎症や潰瘍ができます。

Q2. 粘膜炎の重さに遺伝子は関係しますか?

華中科技大学のGongらの研究(2021年)で、DNA領域rs1128503がメトトレキサートの副作用(粘膜炎)の重さと関係していることが分かっています。Aタイプを持つ遺伝子型(AA型・AG型)の人はリスクが高い傾向があります。

Q3. メトトレキサートにはどのような副作用がありますか?

主な副作用は消化器系(粘膜炎・吐き気・嘔吐・下痢・口内炎)、肝臓への影響(長い期間や多い量で使ったときに肝臓の働きが悪くなる)、血液の異常(貧血や白血球の減少により感染症にかかりやすくなる)の3つに分けられます。

Q4. rs1128503の遺伝子型は、日本人ではどのような割合ですか?

日本人のrs1128503の遺伝子型の割合は、AA型36.1%、AG型47.9%、GG型15.9%です。世界平均(AA型17.8%)とくらべると、AA型の割合が約2倍高い傾向があります。

参考文献