メトトレキサートの副作用(粘膜炎)の重さ
概要
メトトレキセートは、さまざまな病気の治療に使われる薬です。最初はがん治療のために開発されましたが、現在では自己免疫疾患や関節リウマチなどにも広く使われています。
この薬は、細胞の分裂を抑える働きがあり、がん細胞の成長を抑制します。また、自己免疫疾患に対しては、過剰な免疫反応を抑える効果があります。
このように有効な治療薬ですが、主に消化器系、肝臓、血液に対して副作用があります。
消化器系の副作用では、ムコサイトーシス(消化管を覆う粘膜の痛みを伴う炎症や潰瘍)、吐き気、嘔吐、下痢、口内炎が見られます。肝臓への影響もあり、長期間や高用量で使用すると肝機能障害が出る可能性があります。血液の副作用としては、貧血や白血球数が低下し、感染症にかかりやすくなります。
メトトレキセートは治療効果が高い一方で、副作用が現れた場合は、すぐに医師に相談することが大切です。
華中科技大学のGongらの研究により、メトトレキサートの副作用がrs1128503というDNA領域と関連していることが明らかになりました。
このDNA領域にはAA、AG、GGの3つの遺伝子型があり、Aを持つ遺伝子型の人は、メトトレキサートの副作用のリスクが高い傾向にあることが分かりました。
遺伝子領域rs1128503において日本で各遺伝タイプを持つ人の割合
- AA36.12%
- AG47.96%
- GG15.92%
遺伝子領域rs1128503において世界で各遺伝タイプを持つ人の割合
- AA17.88%
- AG48.81%
- GG33.31%
検査の理論的根拠
体表的なDNA領域:メトトレキサートの副作用(粘膜炎)の重さ
体表的なDNA領域:メトトレキサートの副作用(粘膜炎)の重さ
メトトレキサートの副作用(粘膜炎)の重さ に最も強く影響する遺伝子領域は、rs1128503です。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです。
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AA
36.1% -
AG
48.0% -
GG
15.9%
検査の根拠
華中科技大学のGongらの研究により、メトトレキサートの副作用が遺伝子と関連していることが明らかになりました。人間のゲノムには、rs1128503という領域が存在し、その領域の遺伝子にはAとGの2種類の変異があります。Aタイプの変異を持つ人は、メトトレキサートの副作用のリスクが高い傾向にあることが分かりました。
今回調査したDNA領域
細胞中に存在するDNAマップの模式図
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関連遺伝子
| 関連遺伝子 | ABCB1 |
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参考文献
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関連遺伝子 ABCB1
- 参考リンク : 2021 Dec、Yan Gongと研究グループがJ Clin Pharm Ther に発表したAssociation of MTHFR and ABCB1 polymorphisms with MTX-induced mucositis in Chinese paediatric patients with acute lymphoblastic leukaemia, lymphoma or osteosarcoma-A retrospective cohort studyという研究によるとメトトレキサートの副作用(粘膜炎)の重さ に関連するrs1128503の関連性が認められました。