睡眠時無呼吸症候群
概要
睡眠時無呼吸症は、寝ている間に呼吸が一時的に止まる障害です。無呼吸状態が数秒から数分続き、1時間に30回以上も起こるケースがあります。
無呼吸になると血中酸素レベルが下がるため、深い睡眠から浅い睡眠に移行することや、睡眠途中に目が覚めることを引き起こし、睡眠の質を悪化させます。
睡眠時無呼吸症には2つの主なタイプがあります。
一般的な閉塞性睡眠時無呼吸症(OSA)は、喉の柔らかい組織が崩れて気道が閉塞されることによって引き起こされます。
もう一方の中枢性睡眠時無呼吸症は、呼吸を制御する延髄からの指示が不安定なために起こります。
睡眠時無呼吸症の特徴は、呼吸が止まった後に大きないびきや咳き込みとともに呼吸が再開することです。この病気は朝の頭痛や昼間の眠気、注意力低下、イライラ、うつ病といった症状が伴います。
重症になると、高血圧や心臓病、糖尿病、脳卒中などのリスクが増加する可能性があります。
診断には睡眠検査が行われ、治療にはライフスタイルの改善やCPAPマシン(連続陽圧呼吸器)の使用、重症な場合には手術が選択肢として挙げられます。
QIMRバーグホーファー医学研究所のCamposらの研究により、睡眠時無呼吸症候群の罹患リスクがrs1815739というDNA領域と関連していることが明らかになりました。
このDNA領域にはTT、TC、CCの3つの遺伝子型があり、Tを持つ遺伝子型の人は、睡眠時無呼吸症候群のリスクが高い傾向にあることが分かりました。
遺伝子領域rs1815739において日本で各遺伝タイプを持つ人の割合
- TT23.58%
- TC49.96%
- CC26.46%
遺伝子領域rs1815739において世界で各遺伝タイプを持つ人の割合
- TT18.57%
- TC49.05%
- CC32.39%
検査の理論的根拠
体表的なDNA領域:睡眠時無呼吸症候群
体表的なDNA領域:睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群 に最も強く影響する遺伝子領域は、rs1815739です。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです。
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TT
23.6% -
TC
50.0% -
CC
26.5%
検査の根拠
QIMRバーグホーファー医学研究所のCamposらの研究により、睡眠時無呼吸症候群の罹患リスクが遺伝子と関連していることが明らかになりました。人間のゲノムには、rs1815739という領域が存在し、その領域の遺伝子にはTとCの2種類の変異があります。Tタイプの変異を持つ人は、睡眠時無呼吸症候群のリスクが高い傾向にあることが分かりました。
今回調査したDNA領域
細胞中に存在するDNAマップの模式図
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関連遺伝子
| 関連遺伝子 | ACTN3 |
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参考文献
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関連遺伝子 ACTN3
- 参考リンク : 2023 Mar、Adrian I Camposと研究グループがSleep に発表したDiscovery of genomic loci associated with sleep apnea risk through multi-trait GWAS analysis with snoringという研究によると睡眠時無呼吸症候群 に関連するrs1815739の関連性が認められました。