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脳卒中

脳卒中のイメージ画像
  • 脳卒中とは、脳血管の閉塞・出血により脳細胞が壊死する疾患であり、日本では年間約29万人が発症し死因の第4位に位置する
  • DNA領域rs1564454のG型変異を持つ人は脳卒中のリスクが高い傾向にあることがLMUミュンヘンの研究で判明
  • 日本人のG型変異(AG+GG)保有率は75.3%で、世界平均の62.9%と比較して高い割合を示す

概要 脳卒中は、閉塞または出血によって脳の一部に血液が届かなくなることで、酸素と栄養素が不足した領域の脳細胞が死滅する病気です。 影響を受けた脳の場所や範囲によって、さまざまな症状を示します。よく見られる症状としては、顔や腕、脚の片側が麻痺することで、体のバランスを保つことや歩行が困難になるということが挙げられます。 また、言葉を発することや物事の理解が困難になるという症状を示す場合もあります。 他にも、視覚障害、激しい頭痛、めまいなどの症状を示します。これらの症状に加えて、慢性的な痛みや記憶喪失、筋肉の痙攣などが引き起こされます。 脳卒中の症状と重症度は個人によって大きく異なるため、治療法は個々の状況に合わせてカスタマイズされたものとなります。 LMUミュンヘンのMalikらの研究により、脳卒中の罹患リスクがrs1564454というDNA領域と関連していることが明らかになりました。 このDNA領域にはAA、AG、GGの3つの遺伝子型があり、Gを持つ遺伝子型の人は、脳卒中のリスクが高い傾向にあることが分かりました。

脳卒中とは何か

脳卒中とは、脳血管の閉塞(脳梗塞)または出血(脳出血・くも膜下出血)により脳の一部に血液が届かなくなり、酸素と栄養素が不足した領域の脳細胞が壊死する疾患です。日本では年間約29万人が発症し、死因の第4位、要介護の原因第1位に位置します。

脳卒中の主な症状とは

脳卒中の症状は、影響を受ける脳の部位と範囲により異なります。以下に代表的な症状を分類します。

運動機能の障害

  • 片側麻痺:顔・腕・脚の片側に突然力が入らなくなる
  • 歩行困難:体のバランスが保てず、歩行が不安定になる
  • 筋肉の痙攣:慢性期に筋肉の不随意な収縮が発生する

言語・認知機能の障害

  • 失語症:言葉を発することや物事の理解が困難になる
  • 記憶障害:短期・長期記憶が損なわれる
  • 慢性的な痛み:脳の損傷部位に起因する持続的な痛みが発生する

感覚・その他の障害

  • 視覚障害:片側の視野が欠損する(同名半盲)
  • 激しい頭痛:特にくも膜下出血では「人生最悪の頭痛」と表現される
  • めまい:回転性のめまいが突然発生する

脳卒中の種類と比較

比較項目 脳梗塞 脳出血 くも膜下出血
発症割合 全体の約75% 全体の約20% 全体の約5%
原因 血栓による血管閉塞 血管の破裂 動脈瘤の破裂
主な危険因子 動脈硬化・心房細動 高血圧 脳動脈瘤
死亡率 約10〜20% 約30〜40% 約30〜50%

脳卒中を予防する方法

脳卒中の予防には、以下の生活習慣の改善が有効です。

  • 血圧管理:収縮期血圧140mmHg未満を維持する(リスクを約40%低減)
  • 禁煙:喫煙者は非喫煙者と比較して脳卒中リスクが約2倍
  • 適度な運動:週150分以上の有酸素運動を実施する
  • 塩分制限:1日の食塩摂取量を6g未満に抑える
  • 適正体重の維持:BMI 18.5〜24.9を目標とする

遺伝子と脳卒中リスクの関連

DNA領域rs1564454と脳卒中の関係とは

LMUミュンヘンのMalikらの研究(2018年、Nature Genetics掲載)により、脳卒中の罹患リスクがDNA領域rs1564454と関連していることが明らかになりました。

  • rs1564454にはAA・AG・GGの3つの遺伝子型が存在
  • G型変異を持つ遺伝子型(AG型・GG型)の人は脳卒中のリスクが高い傾向
  • この遺伝子領域はFARP1遺伝子に関連する

日本人と世界における遺伝子型分布の比較(rs1564454)

遺伝子型 日本人の割合 世界の割合
AA型 24.5% 37.0%
AG型 49.9% 47.6%
GG型 25.4% 15.3%

日本人のG型変異保有率(AG+GG)は75.3%であり、世界平均の62.9%と比較して高い割合です。GG型の割合は日本人が25.4%と世界平均の15.3%より約1.7倍高く、日本人集団の遺伝的特徴を反映しています。

その他の関連DNA領域

rs2822388と脳卒中リスク

遺伝子型 日本人の割合 世界の割合
AA型 89.7% 89.8%
AG型 10.0% 9.8%
GG型 0.2% 0.2%

rs720470と脳卒中リスク

遺伝子型 日本人の割合 世界の割合
TT型 23.5% 52.9%
TC型 49.9% 39.6%
CC型 26.4% 7.4%

rs720470のCC型は日本人で26.4%と世界平均の7.4%より約3.6倍高い割合であり、日本人に特徴的な遺伝的分布を示しています。

遺伝子領域rs1564454において日本で各遺伝タイプを持つ人の割合

  • AA
    24.5%
  • AG
    49.9%
  • GG
    25.4%

遺伝子領域rs1564454において世界で各遺伝タイプを持つ人の割合

  • AA
    37.0%
  • AG
    47.6%
  • GG
    15.3%

遺伝子領域rs2822388において日本で各遺伝タイプを持つ人の割合

  • AA
    89.7%
  • AG
    10.0%
  • GG
    0.2%

遺伝子領域rs2822388において世界で各遺伝タイプを持つ人の割合

  • AA
    89.8%
  • AG
    9.8%
  • GG
    0.2%

遺伝子領域rs720470において日本で各遺伝タイプを持つ人の割合

  • TT
    23.5%
  • TC
    49.9%
  • CC
    26.4%

遺伝子領域rs720470において世界で各遺伝タイプを持つ人の割合

  • TT
    52.9%
  • TC
    39.6%
  • CC
    7.4%

検査の理論的根拠

体表的なDNA領域:脳卒中

脳卒中 に最も強く影響する遺伝子領域は、rs1564454です。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです。

  • AA
    24.5 %
  • AG
    49.9 %
  • GG
    25.4 %

他に、脳卒中に関わる遺伝子領域はrs2822388があります。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです

  • AA
    89.7 %
  • AG
    10.0 %
  • GG
    0.2 %

他に、脳卒中に関わる遺伝子領域はrs720470があります。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです

  • TT
    23.5 %
  • TC
    49.9 %
  • CC
    26.4 %

検査の根拠

LMUミュンヘンのMalikらの研究により、脳卒中の罹患リスクが遺伝子と関連していることが明らかになりました。人間のゲノムには、rs1564454という領域が存在し、その領域の遺伝子にはAとGの2種類の変異があります。Aタイプの変異を持つ人は、脳卒中のリスクが高い傾向にあることが分かりました。

今回調査したDNA領域

細胞中に存在するDNAマップの模式図

Image

関連遺伝子

関連遺伝子 FARP1
関連遺伝子 FRG2MP
関連遺伝子 DYRK1A

よくある質問(FAQ)

Q1. 脳卒中とは何ですか?

脳卒中とは、脳血管の閉塞(脳梗塞)または出血(脳出血・くも膜下出血)により脳の一部に血液が届かなくなり、脳細胞が壊死する疾患です。日本では年間約29万人が発症し、死因の第4位に位置します。主な症状は片側麻痺、言語障害、視覚障害、激しい頭痛、めまいです。症状と重症度は影響を受ける脳の部位により異なります。

Q2. 脳卒中のリスクは遺伝子と関連していますか?

はい。LMUミュンヘンのMalikらの研究(2018年、Nature Genetics)により、DNA領域rs1564454が脳卒中のリスクと関連していることが判明しています。rs1564454にはAA・AG・GGの3つの遺伝子型があり、G型変異を持つ遺伝子型(AG型・GG型)の人は脳卒中のリスクが高い傾向にあります。

Q3. 脳卒中に関連する遺伝子型(rs1564454)の日本人の分布は?

日本人におけるrs1564454の遺伝子型分布はAA型24.5%、AG型49.9%、GG型25.4%です。G型変異の保有率(AG+GG)は75.3%であり、世界平均の62.9%と比較して高い割合を示します。GG型の割合は日本人が25.4%と世界平均の15.3%より約1.7倍高い特徴があります。

Q4. 脳卒中の主な症状は何ですか?

脳卒中の主な症状は、顔・腕・脚の片側麻痺、歩行困難、言語障害(発話・理解の困難)、視覚障害、激しい頭痛、めまいです。慢性期には筋肉の痙攣、慢性的な痛み、記憶障害が発生します。FAST(Face・Arms・Speech・Time)チェックで早期発見が可能です。

Q5. 脳卒中を予防する方法は?

脳卒中の予防には、高血圧の管理(収縮期血圧140mmHg未満)、禁煙適度な運動(週150分以上の有酸素運動)、塩分制限(1日6g未満)、適正体重の維持(BMI 18.5〜24.9)が有効です。定期的な健康診断と遺伝子検査でリスクを早期に把握することも重要です。

参考文献