全身性エリテマトーデス
概要
全身性エリテマトーデス(SLE)は、体の免疫システムが誤って自身の組織や臓器を攻撃する慢性の自己免疫疾患です。
これにより、全身的な炎症と損傷が引き起こされます。SLEは、皮膚、関節、腎臓、血液、脳など、体のさまざまな部位に影響を及ぼす可能性があります。
SLEの原因は完全にはわかっていませんが、遺伝的、環境的、ホルモン的な要因が関与している可能性があります。女性がよく罹患しますが、男性や子供にも発症することがあります。
SLEの症状には、以下のようなものがあります:
1. 皮膚の発疹、特に頬の「蝶形紅斑」
2. 光過敏症
3. 関節の痛みと腫れ
4. 発熱
5. 疲労感
6. 脱毛
7. 口内炎
8. 胸膜炎や心膜炎
9. けいれんや精神障害などの神経症状
10. 腎炎や腎不全などの腎臓の障害
SLEの診断は、臨床症状や身体所見、抗核抗体(ANA)検査などに基づいて行われます。
治療は、非ステロイド性抗炎症薬やヒドロキシクロロキンなどを用いて、炎症の抑制や臓器障害の予防、症状の軽減を目指します。
SLEは複雑な自己免疫疾患であり、適切な診断と治療が必要です。日光に当たることを避け、健康的な生活習慣を維持し、定期的な検査を受けることで、治療と予後の改善が期待できます。
香港大学のWangらの研究により、全身性エリテマトーデスの罹患リスクがrs76596471というDNA領域と関連していることが明らかになりました。
このDNA領域にはTT,TC,CCの3つの遺伝子型があり、Cを持つ遺伝子型の人は、全身性エリテマトーデスのリスクが高い傾向にあることが分かりました。
遺伝子領域rs76596471において日本で各遺伝タイプを持つ人の割合
- TT99.04%
- TC0.96%
- CC0.00%
遺伝子領域rs76596471において世界で各遺伝タイプを持つ人の割合
- TT99.89%
- TC0.11%
- CC0.00%
検査の理論的根拠
体表的なDNA領域:全身性エリテマトーデス
体表的なDNA領域:全身性エリテマトーデス
全身性エリテマトーデス に最も強く影響する遺伝子領域は、rs76596471です。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです。
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TT
99.0% -
TC
1.0% -
CC
0.0%
検査の根拠
香港大学のWangらの研究により、全身性エリテマトーデスの罹患リスクが遺伝子と関連していることが明らかになりました。人間のゲノムには、rs76596471という領域が存在し、その領域の遺伝子にはTとCの2種類の変異があります。Tタイプの変異を持つ人は、全身性エリテマトーデスのリスクが高い傾向にあることが分かりました。
今回調査したDNA領域
細胞中に存在するDNAマップの模式図
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関連遺伝子
| 関連遺伝子 | TMEM116 |
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参考文献
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関連遺伝子 TMEM116
- 参考リンク : 2022 May、Yong-Fei Wangと研究グループがArthritis Rheumatol に発表したIdentification of Shared and Asian-Specific Loci for Systemic Lupus Erythematosus and Evidence for Roles of Type III Interferon Signaling and Lysosomal Function in the Disease: A Multi-Ancestral Genome-Wide Association Studyという研究によると全身性エリテマトーデス に関連するrs76596471の関連性が認められました。