日焼けしたときの反応
- 日焼けしたときの反応とは、紫外線を浴びたときに皮膚がメラニンを作って肌が茶色くなる度合いのことで、フィッツパトリック分類で6段階に分けられる、人によって差が大きい反応です。
- DNA領域rs12913832のGタイプの変化を持つ人は日焼けの反応が強い傾向があることが、キングス・カレッジ・ロンドンの研究で分かりました。
- 日本人のrs12913832におけるAA型の割合は99.9%で、世界平均の13.4%と比べてとても高い割合です。
概要
【概要】 日焼け能力とは、紫外線を浴びたときに、皮膚がどのくらい反応して日焼けするかを表すものです。 これには個人差が大きく、遺伝子の影響や肌のタイプによって変わります。
【特徴】 日焼けは、紫外線を浴びることで皮膚のメラニン色素が増え、肌の色が濃くなる反応です。 メラニンには、紫外線のダメージから皮膚を守る役割があり、これが日焼けのしくみです。 肌のタイプは、ふつう「フィッツパトリック分類」という目安で分けられます。 この分類では、肌がどのくらい日焼けするか、または日焼けせずにすぐ赤くなるかによって、6つのタイプに分けます。 タイプ1はとても色白で、日焼けせずにすぐ赤くなる人、タイプ6はとても色黒で、日焼けしやすく、肌が深く黒くなる人です。 肌の色が濃いタイプほど日焼け能力が高い傾向がありますが、これは皮膚に含まれるメラニンの量が多いためです。
【メカニズム】 日焼け能力は、年齢や生活習慣、これまでどのくらい日焼けしてきたかにも影響されます。 若いころからよく日焼けしている人は、メラニンがたくさん作られるようになっていて、日焼けしやすい傾向があります。 しかし、何度も日焼けをすると皮膚にダメージがたまり、長い目で見ると肌の老化を早めたり、皮膚がんのリスクを高めたりする可能性があります。
【科学的根拠】 キングス・カレッジ・ロンドンのViscontiらの研究で、日焼けしたときの反応とrs12913832というDNA領域に関係があることが分かりました。 このDNA領域にはAA、AG、GGの3つの遺伝子型があり、Gタイプの変化を持つ人は、日焼けの反応が強い傾向があることが分かりました。
日焼けしたときの反応とは何か
日焼けしたときの反応とは、紫外線を浴びたときに皮膚がどのくらいメラニン色素を作り、肌が茶色くなる(日焼けする)かを表す、人によって差がある体の反応です。この反応は、遺伝子の影響と肌のタイプによって決まります。
日焼けのしくみとは
日焼けは、紫外線を浴びることで皮膚のメラノサイト(色素を作る細胞)が活発になり、メラニン色素を作る量が増加して肌が茶色くなる、体を守るための反応です。メラニンは、紫外線のダメージから皮膚の細胞のDNAを守る役割をしています。
フィッツパトリック分類による肌タイプとは
皮膚の日焼け反応は、フィッツパトリック分類(Fitzpatrick Skin Type)と呼ばれる6段階の目安で分けられます。
| 肌タイプ | 日焼けの反応 | 特徴 |
|---|---|---|
| タイプ1 | いつも赤くなり、茶色くなりません。 | 非常に色白で、そばかすが出やすいです。 |
| タイプ2 | 赤くなりやすく、少しだけ茶色くなります。 | 色白で、日焼けしにくいです。 |
| タイプ3 | 少し赤くなり、むらなく茶色くなります。 | 中間的な肌色 |
| タイプ4 | ほとんど赤くならず、すぐに茶色くなります。 | やや褐色の肌 |
| タイプ5 | 赤くならず、深く茶色くなります。 | 褐色の肌 |
| タイプ6 | 赤くならず、とても深く茶色くなります。 | 非常に色黒の肌 |
日焼けによる健康上のリスクとは
何度も日焼けをすると、次のような健康上のリスクがあります。
- 皮膚の老化:シミ・シワ・たるみの原因になり、実際の年齢より老けて見えることにつながります。
- 皮膚がんのリスク:基底細胞がん・有棘細胞がん(扁平上皮がん)・悪性黒色腫(メラノーマ)になるリスクが約2〜5倍に高まります。
- DNAの傷:紫外線がDNAを直接傷つけ、細胞に変化を起こすことがあります。
- 体を守る働きへの影響:紫外線を浴びすぎると、皮膚で体を守る働き(免疫)が弱まります。
日焼けの反応に影響する要因の比較
| 影響要因 | メラニンを作る働きへの影響 | 変えられるか |
|---|---|---|
| 遺伝子の影響 | メラニンの量・種類を決める一番大きな要因 | 変えられません。 |
| 年齢 | 年をとるとメラノサイト(色素を作る細胞)の働きが低下します。 | 変えられません。 |
| 紫外線を浴びてきた量 | よく浴びるとメラニンが作られやすくなります。 | 行動で変えられます。 |
| 生活習慣 | 体のサビつきを防ぐ成分(抗酸化物質)をとると皮膚を守るのに役立ちます。 | 変えられる |
遺伝子と日焼けしたときの反応の関係
DNA領域rs12913832と日焼け反応の関係
キングス・カレッジ・ロンドンのViscontiらの研究(2018年、Nature Communications掲載)で、日焼けしたときの反応がDNA領域rs12913832と関係していることが分かりました。
- rs12913832にはAA・AG・GGの3つの遺伝子型が存在します。
- Gタイプの変化を持つ遺伝子型(AG型・GG型)の人は日焼けの反応が強い傾向があります。
- このDNA領域はHERC2遺伝子の中にあり、メラニンを作る働きを調節するOCA2遺伝子の働き方に影響します。
日本人と世界における遺伝子型分布の比較(rs12913832)
| 遺伝子型 | 日本人の割合 | 世界の割合 |
|---|---|---|
| AA型 | 99.9% | 13.4% |
| AG型 | 0.1%以下 | 46.4% |
| GG型 | 0.1%以下 | 40.0% |
日本人のAA型の割合は99.9%で、世界平均の13.4%と比べてとても高い割合です。これは、日本人では日焼けの反応に関わるrs12913832の遺伝子タイプにほとんどばらつきがないことを示しています。
そのほかの関係するDNA領域
日焼けしたときの反応には、rs12913832のほかにも、次の4つのDNA領域が関係しています。
| DNA領域 | 関連遺伝子 | 日本人の主要型(割合) | 世界の主要型(割合) |
|---|---|---|---|
| rs2238529 | FANCA | CC型(74.0%) | GG型(40.4%) |
| rs9561570 | DCT | GT型(47.7%) | GT型(45.5%) |
| rs1448484 | OCA2 | AA型(99.9%) | AA型(91.2%) |
| rs16891982 | SLC45A2 | CC型(99.9%) | GG型(74.9%) |
検査の科学的な根拠
代表的なDNA領域:日焼けしたときの反応
日焼けしたときの反応に最も強く影響するDNA領域は、rs12913832です。 日本における同じ遺伝子タイプの人の割合は下記のとおりです。
- AA
99.9 % - AG
0.1%以下 - GG
0.1%以下
ほかに、日焼けしたときの反応に関わるDNA領域としてrs2238529があります。 日本における同じ遺伝子タイプの人の割合は下記のとおりです。
- GG
1.9 % - GC
23.9 % - CC
74.0 %
ほかに、日焼けしたときの反応に関わるDNA領域としてrs9561570があります。 日本における同じ遺伝子タイプの人の割合は下記のとおりです。
- GG
15.5 % - GT
47.7 % - TT
36.6 %
ほかに、日焼けしたときの反応に関わるDNA領域としてrs1448484があります。 日本における同じ遺伝子タイプの人の割合は下記のとおりです。
- AA
99.9 % - AG
0.1%以下 - GG
0.1%以下
ほかに、日焼けしたときの反応に関わるDNA領域としてrs16891982があります。 日本における同じ遺伝子タイプの人の割合は下記のとおりです。
- CC
99.9 % - CG
0.1%以下 - GG
0.1%以下
検査の根拠
キングス・カレッジ・ロンドンのViscontiらの研究で、日焼けしたときの反応と遺伝子に関係があることが分かりました。人間のDNAにはrs12913832という場所があり、そこにはAとGの2種類の違いがあります。Gタイプの違いを持つ人は、日焼けの反応が強い傾向があることが分かりました。
今回調査したDNA領域
細胞の中にあるDNAマップの模式図
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関連遺伝子
| 関連遺伝子 | HERC2 |
|---|---|
| 関連遺伝子 | FANCA |
| 関連遺伝子 | DCT |
| 関連遺伝子 | OCA2 |
| 関連遺伝子 | SLC45A2 |
よくある質問
Q1. 日焼けしたときの反応とは何ですか?
日焼けしたときの反応とは、紫外線を浴びたときに皮膚がメラニン色素を作って肌が茶色くなる度合いを表す、人によって差がある体の反応です。フィッツパトリック分類では6段階に分けられ、タイプ1(いつも赤くなり、茶色くならない)からタイプ6(赤くならず、深く茶色くなる)まであります。メラニンの量と種類によって、反応の強さが決まります。
Q2. 日焼けしたときの反応は遺伝子と関係していますか?
はい。キングス・カレッジ・ロンドンのViscontiらの研究(2018年、Nature Communications)で、DNA領域rs12913832が日焼けしたときの反応と関係していることが分かっています。rs12913832にはAA・AG・GGの3つの遺伝子型があり、Gタイプの変化を持つ遺伝子型の人は日焼けの反応が強い傾向があります。全部で5つのDNA領域(rs12913832、rs2238529、rs9561570、rs1448484、rs16891982)が日焼けの反応に関わっています。
Q3. 日焼けに関する遺伝子型の日本人と世界の違いは?
rs12913832では日本人のAA型の割合が99.9%なのに対し、世界平均はAA型13.4%・AG型46.4%・GG型40.0%です。日本人はほぼ全員がAA型で、Gタイプの変化を持つ人はほとんどいません。rs16891982でも、日本人はCC型が99.9%なのに対し、世界ではGG型が74.9%と、日本人と世界で遺伝子に大きな違いがあります。
Q4. 日焼けによる健康リスクは何ですか?
何度も日焼けをすると皮膚の老化(シミ・シワ・たるみ)を早め、皮膚がん(基底細胞がん・有棘細胞がん・悪性黒色腫)になるリスクを約2〜5倍に高めます。紫外線はDNAを直接傷つけるため、日焼け止めを使う・帽子や長袖を着る・紫外線が強い時間帯(10時〜14時)の外出を控えるなどの紫外線対策がとても大切です。
Q5. 日焼け対策として効果的な方法は?
日焼け対策には紫外線を防ぐ強さが30以上の日焼け止めをこまめに塗り直すこと(2時間ごと)、紫外線を通しにくい素材の服・帽子・サングラスを身につけること、紫外線がいちばん強い10時〜14時に直射日光を避けることが効果的です。ビタミンCやビタミンEなど、体のサビつきを防ぐ成分(抗酸化物質)を含む食べ物をとることも、紫外線による皮膚のダメージを減らすのに役立ちます。