欠如歯の傾向
- 欠如歯(先天性欠如歯)はDNA領域rs6435957のTタイプと関係し、遺伝子の影響で歯がつくられたり生えたりすることに差が出ます。
- 日本人のTT型保有率は0.7%で、世界平均45.1%とくらべて44.4ポイント低いです。
- 関係する遺伝子はDIRC3-AS1であり、欠如歯は噛む力・発音・あごの成長に影響します。
概要
【概要】 歯の欠如とは、1歳の時点で赤ちゃんの歯がふつうより少ない、またはまったくない状態のことです。 1本だけ足りない軽いものから、生えてくるはずの歯が何本も生えてこないものまで、程度はさまざまです。
【特徴】 ふつう、赤ちゃんは生後6ヶ月頃に最初の歯が生え始め、1歳の誕生日までに4本から8本の歯が生えていることが多いです。 この最初の歯は乳歯と呼ばれ、食べ物を噛む力や正しい発音を身につけるうえで大切で、のちに大人の歯(永久歯)が生えるための土台にもなります。 1歳の時点で歯が足りない場合、歯の生え方が遅れているか、生まれつき歯がない可能性があります。 医学的には、足りない歯が6本未満の場合を低数歯症または少数歯症、歯がまったくない状態を無歯症と呼びます。 この状態は歯だけに起こることもあれば、体のほかの部分にも影響が出る病気(症候群)の一部として起こることもあります。
【メカニズム】 歯が足りないことは見た目の問題だけでなく、子どもの栄養、言葉の発達、あごの成長にも影響するため、早めに受診することが大切です。 そうすることで、子どもの成長全体を支えることができます。
【科学的根拠】 インペリアル・カレッジ・ロンドンのPillasらの研究により、欠如歯の傾向がrs6435957というDNA領域と関係していることが明らかになりました。 このDNA領域にはTT,TC,CCの3つの遺伝子型があり、Tを持つ遺伝子型の人は、欠如歯のリスクが高い傾向にあることが分かりました。
欠如歯とは何か
欠如歯(先天性欠如歯)とは、生まれつき歯がつくられず、生えてこない状態です。乳歯は生後6ヶ月頃に最初の歯が生え始め、1歳の誕生日までに4〜8本の歯が生えるのが一般的です。欠如歯には遺伝子の影響が大きく関わっています。
欠如歯の分類と重症度
欠如歯は、足りない歯の本数によって次のように分けられます。
| 分類 | 欠如歯の本数 | 特徴 |
|---|---|---|
| 低数歯症(少数歯症) | 6本未満 | 生まれつき歯がない場合で最も多いタイプです。 |
| 乏歯症 | 6本以上 | 広範囲の歯の欠如を伴います。 |
| 無歯症 | 全歯 | すべての歯がない、とてもまれな状態です。 |
欠如歯が及ぼす影響
欠如歯は見た目の問題だけでなく、体全体の成長にも影響します。
- 噛む力の低下:食べ物を噛む力が弱くなります。
- 発音への影響:正しい発音を身につけにくくなります。
- あごの成長への悪い影響:歯がないことが、あごの骨の成長に影響します。
- 永久歯が生えにくくなる:乳歯がないことで、永久歯(大人の歯)がふつうに生えるのをさまたげます。
この状態は歯だけに起こる場合と、体のほかの部分にも影響が出る病気(症候群)の一部として起こる場合があります。早めの歯科受診が大切であり、子どもの成長全体を支えるために、合った治療の計画を立てることが必要です。
欠如歯のリスクが高い人と低い人の特徴の違い
欠如歯の傾向は、遺伝子型によって異なります。下の表は、Tを持っているかどうかによる特徴の違いをくらべたものです。
| くらべる項目 | リスクが高い人(Tを持つ) | リスクが低い人(Cのみ) |
|---|---|---|
| 遺伝子型 | TT型・TC型 | CC型 |
| 日本人割合 | 16.5%(TT 0.7%+TC 15.8%) | 83.4% |
| 欠如歯の傾向 | 欠如歯のリスクが高いです。 | 欠如歯のリスクが低いです。 |
遺伝子と欠如歯の関係
DNA領域rs6435957と欠如歯のリスクの関係
インペリアル・カレッジ・ロンドンのPillasらの研究(1)により、DNA領域rs6435957が欠如歯の傾向と関係していることが分かりました。
- rs6435957にはTT・TC・CCの3つの遺伝子型があります。
- Tを持つ遺伝子型の人は、欠如歯のリスクが高い傾向にあります。
- 関係する遺伝子はDIRC3-AS1です。
日本人の遺伝子型の割合(rs6435957)
日本人と世界では遺伝子型の割合に大きな違いがあります。
| 遺伝子型 | 日本人の割合 | 世界の割合 | 違い |
|---|---|---|---|
| TT型 | 0.7% | 45.1% | −44.4ポイント |
| TC型 | 15.8% | 44.0% | −28.2ポイント |
| CC型 | 83.4% | 10.7% | +72.7ポイント |
日本人はTT型(欠如歯のリスクが高い型)の割合が世界平均より44.4ポイント低く、CC型の割合が72.7ポイント高いことが特徴です。この遺伝子型の割合の違いが、日本人とほかの国の人で欠如歯の起こりやすさが違う理由の一つである可能性があります。
検査の理由となる研究
代表的なDNA領域:欠如歯の傾向
欠如歯の傾向 に最も強く影響するDNA領域は、rs6435957です。 日本でのそれぞれの遺伝子型の割合は下記のとおりです。
- TT
0.7 % - TC
15.8 % - CC
83.4 %
検査の根拠
インペリアル・カレッジ・ロンドンのPillasらの研究(1)により、欠如歯の傾向が遺伝子と関係していることが明らかになりました。人間のDNAには、rs6435957という場所があり、そこにはTとCの2種類のタイプがあります。Tを持つ人は、欠如歯のリスクが高い傾向にあることが分かりました。
今回調査したDNA領域
細胞の中にあるDNAの模式図
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関係する遺伝子
| 関係する遺伝子 | DIRC3-AS1 |
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よくある質問
Q1. 欠如歯とは何ですか?
欠如歯(先天性欠如歯)とは、生まれつき歯がつくられず生えてこない状態です。足りない歯が6本未満の場合を低数歯症、歯がまったくない状態を無歯症と呼びます。遺伝子の影響が大きく関わっています(1)。
Q2. 欠如歯に関係する遺伝子は何ですか?
インペリアル・カレッジ・ロンドンのPillasらの研究により、DNA領域rs6435957が欠如歯の傾向と関係していることが分かりました。Tを持つ人は欠如歯のリスクが高い傾向にあり、関係する遺伝子はDIRC3-AS1です(1)。
Q3. 欠如歯はどのような影響がありますか?
欠如歯は噛む力の低下・発音への影響・あごの成長への悪い影響につながる可能性があります。早めに歯医者さんを受診して、合った治療の計画を立てることが大切です。
Q4. 遺伝子検査で欠如歯の傾向は分かりますか?
DNA領域rs6435957の遺伝子型を調べることで、欠如歯の傾向を把握できます。Tを持つ遺伝子型(TT型・TC型)の人はリスクが高い傾向にあることが研究で分かっています(1)。
Q5. 欠如歯に関係する遺伝子型の割合で、日本人の特徴は?
日本人のrs6435957の遺伝子型の割合は、TT型0.7%・TC型15.8%・CC型83.4%です。世界平均(TT型45.1%)とくらべてTT型の割合が44.4ポイント低く、CC型は72.7ポイント高いのが特徴です(1)。