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トランス脂肪酸の量

トランス脂肪酸の量のイメージ画像
  • トランス脂肪酸は工業的水素添加で生成される不飽和脂肪酸で、心血管疾患リスクを約23%上昇させる
  • DNA領域rs2806949のG型変異を持つ人はトランス脂肪酸の体内量が多い傾向にあることが研究で判明
  • 血液中のトランス脂肪酸測定により、食事摂取量の評価と健康リスクの予測が可能

概要 トランス脂肪酸は、二重結合の配置がトランス型である不飽和脂肪酸の一種で、自然界によくあるシス脂肪酸とは異なります。 これらの脂肪は、工業的な加工による植物油の部分的水素添加などから生まれるほか、反芻動物の肉や乳製品にもわずかに含まれています。 体内のトランス脂肪酸の測定は、食事摂取量と健康への影響を評価するための重要な手段です。通常、血液サンプルを使ってトランス脂肪酸のレベルを測定し、それに基づいてリピッドプロファイルを分析します。 ガスクロマトグラフィーなどの技術を用いて、血液中の脂肪酸の組成を正確に特定しています。 トランス脂肪酸のレベルを理解することは重要で、高い摂取量は心血管疾患や炎症のリスクを増加させる可能性があるためです 。そのため、この情報は食生活の見直しや健康リスクの予測に役立ち、心身の健康を改善するための食事アドバイスを提供する上で貴重な情報源となります。 タフツ大学のMozaffarianらの研究により、トランス脂肪酸の量が、rs2806949というDNA領域と関連していることが明らかになりました。 このDNA領域にはAA,AG,GGの3つの遺伝子型があり、Gを持つ遺伝子型の人は、トランス脂肪酸の量が多い傾向にあることが分かりました。

トランス脂肪酸とは何か

トランス脂肪酸は、二重結合の配置がトランス型である不飽和脂肪酸の一種です。自然界に存在するシス型脂肪酸とは構造が異なり、主に工業的な加工過程で生成されます。

トランス脂肪酸が生成される原因

トランス脂肪酸の生成には、主に以下の2つの経路があります。

  • 工業的水素添加:植物油に水素を添加してマーガリンやショートニングを製造する過程で生成(全トランス脂肪酸摂取量の約80%)
  • 天然由来:反芻動物(牛・羊)の消化過程で微生物により生成され、肉や乳製品に微量含有(約20%)

トランス脂肪酸の測定方法

体内のトランス脂肪酸レベルは、以下の手順で測定されます。

  • 血液サンプルの採取
  • ガスクロマトグラフィー(GC)による脂肪酸組成の分析
  • 赤血球膜中のトランス脂肪酸比率の算出
  • リピッドプロファイル(脂質プロファイル)の総合評価

この測定により、過去数か月間の食事由来トランス脂肪酸摂取量を客観的に評価できます。

トランス脂肪酸の健康への影響

トランス脂肪酸の過剰摂取は、以下の健康リスクと関連しています。

影響項目 具体的な作用
LDLコレステロール 増加させる(悪玉コレステロール上昇)
HDLコレステロール 減少させる(善玉コレステロール低下)
心血管疾患リスク 摂取エネルギーの2%増加で約23%上昇
全身性炎症 CRP・IL-6などの炎症マーカーを増加
インスリン抵抗性 2型糖尿病リスクの上昇に関与

トランス脂肪酸の摂取基準

WHO(世界保健機関)は、トランス脂肪酸の摂取量を1日の総エネルギー摂取量の1%未満に抑えることを推奨しています。日本の食品安全委員会も同様の基準を採用しています。

遺伝子とトランス脂肪酸の量の関連

DNA領域rs2806949とトランス脂肪酸量の関係

タフツ大学のMozaffarianらの研究により、DNA領域rs2806949がトランス脂肪酸の体内量と関連していることが明らかになりました。

  • rs2806949にはAA・AG・GGの3つの遺伝子型が存在
  • G型変異を持つ遺伝子型の人は、トランス脂肪酸の量が多い傾向

日本人における遺伝子型分布(rs2806949)

遺伝子型 日本人の割合 世界の割合
AA型 5.1% 13.7%
AG型 34.9% 46.6%
GG型 59.9% 39.6%

日本人ではGG型が59.9%と最も高い割合を占めており、世界平均(39.6%)と比較して約20ポイント高い特徴があります。

遺伝子領域rs2806949において日本で各遺伝タイプを持つ人の割合

  • AA
    5.1%
  • AG
    34.9%
  • GG
    59.9%

遺伝子領域rs2806949において世界で各遺伝タイプを持つ人の割合

  • AA
    13.7%
  • AG
    46.6%
  • GG
    39.6%

検査の理論的根拠

体表的なDNA領域:トランス脂肪酸の量

トランス脂肪酸の量 に最も強く影響する遺伝子領域は、rs2806949です。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです。

  • AA
    5.1 %
  • AG
    34.9 %
  • GG
    59.9 %

検査の根拠

タフツ大学のMozaffarianらの研究により、トランス脂肪酸の量が遺伝子と関連していることが明らかになりました。人間のゲノムには、rs2806949という領域が存在し、その領域の遺伝子にはAとGの2種類の変異があります。G型変異を持つ人は、トランス脂肪酸の量が多い傾向にあることが分かりました。

今回調査したDNA領域

細胞中に存在するDNAマップの模式図

Image

関連遺伝子

関連遺伝子 OLFM4

よくある質問(FAQ)

Q1. トランス脂肪酸とは何ですか?

トランス脂肪酸は、二重結合の配置がトランス型である不飽和脂肪酸の一種です。主に植物油の工業的な部分水素添加により生成され、マーガリンやショートニングなどの加工食品に含まれます。WHOは1日あたりの摂取量を総エネルギーの1%未満に抑えることを推奨しています。

Q2. トランス脂肪酸の測定方法は?

血液サンプルを採取し、ガスクロマトグラフィー(GC)などの分析技術で脂肪酸組成を測定します。赤血球膜中のトランス脂肪酸比率を分析することで、過去数か月間の食事由来トランス脂肪酸摂取量を評価できます。

Q3. トランス脂肪酸と遺伝子の関係は?

タフツ大学のMozaffarianらの研究により、DNA領域rs2806949がトランス脂肪酸の体内量と関連していることが判明しました。G型変異を持つ遺伝子型の人は、トランス脂肪酸の量が多い傾向にあります。

Q4. トランス脂肪酸の健康への影響は?

トランス脂肪酸の過剰摂取はLDLコレステロール(悪玉)を増加させ、HDLコレステロール(善玉)を減少させます。その結果、心血管疾患リスクが約23%上昇し、全身性炎症やインスリン抵抗性のリスクも増加します。

Q5. トランス脂肪酸の摂取を減らすにはどうすればよいですか?

部分水素添加油脂を含む加工食品(マーガリン・ショートニング・揚げ物)の摂取を控え、栄養成分表示で「トランス脂肪酸」の量を確認することが重要です。オリーブオイルやアマニ油など、不飽和脂肪酸を含む油脂への置き換えが推奨されます。

参考文献