seeDNAロゴアイコン 潰瘍性大腸炎

概要

潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜に慢性的な炎症を引き起こす炎症性腸疾患の一つです。この病気は、直腸から始まり、大腸全体に広がることがあります。
炎症が起こることで、大腸の内壁に潰瘍やびらん(表皮の欠損)が形成され、出血や粘液の分泌が増加します。
潰瘍性大腸炎の原因は完全には解明されていませんが、遺伝的要因、免疫系の異常、環境要因が関与していると考えられています。遺伝的要因として、家族に潰瘍性大腸炎の患者がいる場合、発症リスクが高くなることが知られています。
また、免疫系が正常な腸内細菌や食べ物に対して過剰に反応することで炎症が引き起こされるとも言われています。

潰瘍性大腸炎は、腹痛、下痢、血便、体重減少、疲労感などの症状を示します。症状の重さは人によって異なり、活動期(症状が現れる時期)と寛解期(症状が落ち着く時期)を繰り返すことが特徴です。
診断は、内視鏡検査や生体検査が行われます。内視鏡検査では、大腸の内壁を直接観察し、炎症や潰瘍の状態を確認します。
生体検査では、大腸の粘膜の一部を採取し、顕微鏡で状態を確認します。また、血液検査や便検査も行われることがあります。

潰瘍性大腸炎の治療には、生活習慣の改善や投薬、重症の場合は手術が行われます。 完全に治癒することは難しい病気ですが、適切な治療により、症状をコントロールし、生活の質を向上させることが可能です。

ウェルカム・トラスト・サンガー研究所のAndersonらの研究により、潰瘍性大腸炎の罹患リスクがrs1297265というDNA領域と関連していることが明らかになりました。
このDNA領域にはAA、AG、GGの3つの遺伝子型があり、Aを持つ遺伝子型の人は、潰瘍性大腸炎のリスクが高い傾向にあることが分かりました。

遺伝子領域rs1297265において日本で各遺伝タイプを持つ人の割合

69.18% 27.99% 2.83%
  • AA69.18%
  • AG27.99%
  • GG2.83%

遺伝子領域rs1297265において世界で各遺伝タイプを持つ人の割合

33.97% 48.63% 17.41%
  • AA33.97%
  • AG48.63%
  • GG17.41%

遺伝子領域rs4781011において日本で各遺伝タイプを持つ人の割合

71.60% 26.04% 2.37%
  • TT71.60%
  • TG26.04%
  • GG2.37%

遺伝子領域rs4781011において世界で各遺伝タイプを持つ人の割合

8.84% 41.78% 49.37%
  • TT8.84%
  • TG41.78%
  • GG49.37%

遺伝子領域rs7240004において日本で各遺伝タイプを持つ人の割合

18.72% 49.09% 32.18%
  • AA18.72%
  • AG49.09%
  • GG32.18%

遺伝子領域rs7240004において世界で各遺伝タイプを持つ人の割合

37.44% 47.50% 15.06%
  • AA37.44%
  • AG47.50%
  • GG15.06%

遺伝子領域rs2823286において日本で各遺伝タイプを持つ人の割合

74.89% 23.30% 1.81%
  • GG74.89%
  • GA23.30%
  • AA1.81%

遺伝子領域rs2823286において世界で各遺伝タイプを持つ人の割合

50.55% 41.10% 8.35%
  • GG50.55%
  • GA41.10%
  • AA8.35%

seeDNAロゴアイコン検査の理論的根拠

体表的なDNA領域:潰瘍性大腸炎

体表的なDNA領域:潰瘍性大腸炎

潰瘍性大腸炎 に最も強く影響する遺伝子領域は、rs1297265です。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです。

  • AA

    69.2
    %
  • AG

    28.0
    %
  • GG

    2.8
    %

他に、潰瘍性大腸炎に関わる遺伝子領域はrs4781011があります。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです

  • TT

    71.6
    %
  • TG

    26.0
    %
  • GG

    2.4
    %

他に、潰瘍性大腸炎に関わる遺伝子領域はrs7240004があります。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです

  • AA

    18.7
    %
  • AG

    49.1
    %
  • GG

    32.2
    %

他に、潰瘍性大腸炎に関わる遺伝子領域はrs2823286があります。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです

  • GG

    74.9
    %
  • GA

    23.3
    %
  • AA

    1.8
    %

検査の根拠

ウェルカム・トラスト・サンガー研究所のAndersonらの研究により、潰瘍性大腸炎の罹患リスクが遺伝子と関連していることが明らかになりました。人間のゲノムには、rs1297265という領域が存在し、その領域の遺伝子にはAとGの2種類の変異があります。Aタイプの変異を持つ人は、潰瘍性大腸炎のリスクが高い傾向にあることが分かりました。

seeDNAロゴアイコン今回調査したDNA領域

細胞中に存在するDNAマップの模式図

seeDNAロゴアイコン関連遺伝子

関連遺伝子 LINC02920
関連遺伝子 CIITA
関連遺伝子 CTIF
関連遺伝子 LINC02920

seeDNAロゴアイコン参考文献

  • 関連遺伝子 LINC02920
  • 参考リンク : 2011 Mar、Carl A Andersonと研究グループがNat Genet に発表したMeta-analysis identifies 29 additional ulcerative colitis risk loci, increasing the number of confirmed associations to 47という研究によると潰瘍性大腸炎 に関連するrs1297265の関連性が認められました。
  • 関連遺伝子 CIITA
  • 参考リンク : 2010 Apr、Dermot P B McGovernと研究グループがNat Genet に発表したGenome-wide association identifies multiple ulcerative colitis susceptibility lociという研究によると潰瘍性大腸炎 に関連するrs4781011の関連性が認められました。
  • 関連遺伝子 CTIF
  • 参考リンク : 2015 Sep、Jimmy Z Liuと研究グループがNat Genet に発表したAssociation analyses identify 38 susceptibility loci for inflammatory bowel disease and highlight shared genetic risk across populationsという研究によると潰瘍性大腸炎 に関連するrs7240004の関連性が認められました。
  • 関連遺伝子 LINC02920
  • 参考リンク : 2015 Sep、Jimmy Z Liuと研究グループがNat Genet に発表したAssociation analyses identify 38 susceptibility loci for inflammatory bowel disease and highlight shared genetic risk across populationsという研究によると潰瘍性大腸炎 に関連するrs2823286の関連性が認められました。