ビタミンD欠乏症
概要
ビタミンD欠乏症は、体内のビタミンDレベルが不足することで生じ、骨や免疫系にさまざまな悪影響を与えます。
ビタミンDは、食事からの摂取や日光を浴びることによって体内で生成される重要な脂溶性ビタミンで、カルシウムやリンの吸収を助け、骨の健康を維持する役割を担っています。
ビタミンD欠乏症の主な原因には、日光を浴びない生活、不十分な食事、吸収不良、肝臓や腎臓の機能障害が挙げられます。日光に含まれる紫外線を浴びることで、皮膚はビタミンDを生成しますが、日光にあまり当たらない生活を送っていると、ビタミンDの生成が不足します。
また、食事から十分なビタミンDを摂取できていない場合や、胃腸の病気によってビタミンDの吸収が妨げられることも欠乏症の原因となります。
さらに、肝臓や腎臓の機能が低下すると、ビタミンDが代謝されにくくなり、欠乏症を引き起こすことがあります。
ビタミンD欠乏症の症状は、骨や筋肉に関連するものが多く見られます。成人では骨の痛みや筋力低下、骨密度の低下による骨粗鬆症や骨折のリスクが高まります。
子供の場合、ビタミンD欠乏症はくる病を引き起こすことがあり、これは骨の軟化や変形を伴う疾患です。また、ビタミンDは免疫機能にも関与しているため、欠乏症は免疫力の低下や感染症への抵抗力の減少を引き起こします。
さらに、一部の研究では、ビタミンD欠乏が心血管疾患や糖尿病、うつ病、認知機能の低下とも関連していることが示唆されています。
マギル大学のManousakiらの研究により、ビタミンD欠乏症の罹患リスクがrs1229984というDNA領域と関連していることが明らかになりました。
このDNA領域にはTT、TC、CCの3つの遺伝子型があり、Tタイプの変異を持つ人は、ビタミンD欠乏症のリスクが高い傾向にあることが分かりました。
遺伝子領域rs1229984において日本で各遺伝タイプを持つ人の割合
- TT53.40%
- TC39.35%
- CC7.25%
遺伝子領域rs1229984において世界で各遺伝タイプを持つ人の割合
- TT0.24%
- TC9.29%
- CC90.47%
検査の理論的根拠
体表的なDNA領域:ビタミンD欠乏症
体表的なDNA領域:ビタミンD欠乏症
ビタミンD欠乏症 に最も強く影響する遺伝子領域は、rs1229984です。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです。
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TT
53.4% -
TC
39.3% -
CC
7.2%
検査の根拠
マギル大学のManousakiらの研究により、ビタミンD欠乏症の罹患リスクが遺伝子と関連していることが明らかになりました。人間のゲノムには、rs1229984という領域が存在し、その領域の遺伝子にはTとCの2種類の変異があります。Tタイプの変異を持つ人は、ビタミンD欠乏症のリスクが高い傾向にあることが分かりました。
今回調査したDNA領域
細胞中に存在するDNAマップの模式図
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関連遺伝子
| 関連遺伝子 | ADH1B |
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参考文献
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関連遺伝子 ADH1B
- 参考リンク : 2020 Mar、Despoina Manousakiと研究グループがAm J Hum Genet に発表したGenome-wide Association Study for Vitamin D Levels Reveals 69 Independent Lociという研究によるとビタミンD欠乏症 に関連するrs1229984の関連性が認められました。