【専門家が解説】老化を遅らせる薬(抗老化薬)は本当に効くの?-種類・メカニズムと最新事情-
2026.01.20
老化は治療できるのか?
最近の研究により、老化は不可逆な自然現象ではなく、「治療の対象になり得る現象」と捉えられるようになってきました。生物学的老化のメカニズム(老化の特徴)が分子レベルで解明されつつあるためです[1]。
老化を遅らせる薬(抗老化薬)とは?
現在研究されている抗老化薬の多くは新薬ではなく、すでに別の病気で承認されている「既存薬」です。これらが副次的な効果として老化プロセス自体を遅らせる可能性が示唆され、再評価されています。
代表的な3つのアンチエイジング薬
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細胞の修復機能を活性化させる薬
糖尿病治療薬として世界中で使われている安価な薬です。大規模な臨床試験「TAME(Targeting Aging with Metformin)」では、この薬が複数の加齢性疾患の発症を遅らせるかどうかが検証されています[2]。 -
細胞の成長シグナルを抑制する薬
臓器移植後の拒絶反応を抑える薬です。マウスを使った実験では、寿命を最大で約9〜14%延長させたという報告があり、長寿研究の分野で最も強力なエビデンスを持つ薬剤の一つです[3]。 -
ダイエット薬
本来は糖尿病や肥満の治療薬ですが、最新の大規模試験(SELECT試験)により、心血管疾患のリスクを20%低下させることが示されました。単なる減量効果を超えた、抗老化・抗炎症作用への期待が高まっています[4]。
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働く原理(メカニズム)
抗老化薬がターゲットとするのは、体内に居座る「老化細胞」です。 これらは周囲に炎症物質をまき散らし、正常な細胞まで老化させます。「セノリティクス(老化細胞除去薬)」と呼ばれる薬剤は、この老化細胞を選択的に除去し、身体機能を改善して寿命を延ばす可能性が動物実験で示されています[5]。
実際どれくらいの人が飲んでいるのか?
現在、世界中で「アンチエイジング」を主目的として服用している人の公式統計はありませんが、これらの薬はすでに糖尿病治療などで数億人に処方されています。現状では一部の熱心な研究者や富裕層(バイオハッカー)による「適応外使用」が中心ですが、今後の研究結果次第では、一般的な選択肢になる可能性があります。
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【参考文献】
[1] Cell, 2013 Jun.[2] Cell Metabolism, 2016 Jun.
[3] Nature, 2009 Jul.
[4] New England Journal of Medicine, 2023 Dec.
[5] Nature Medicine, 2018 Aug.
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著者
医学博士 富金 起範
筑波大学、生体統御・分子情報医学修士/博士課程卒業
2017年に国内初となる微量DNA解析技術(特許7121440)を用いた出生前DNA鑑定(特許7331325)を開発