【専門家が解説】妊娠中の親子鑑定が必要な理由

2025.08.22

はじめに

はじめに

妊娠中の親子鑑定と聞くと、多くの人が「なぜ妊娠中に?」と疑問に思うかもしれません。
なぜならほとんどの方にとって、この検査は生涯無縁のものだからです。

では、どのような状況で妊娠中の親子鑑定が検討されるのでしょうか。
それは主に、複数の男性との間に父親である可能性があり、生物学的な父親を一人に特定する必要がある場合です。
実際にはこの時期に親子鑑定を行うことには、精神的な安心感から法的な安定まで、多岐にわたる重要な意味があります。

今回は、妊娠中に親子鑑定を検討すべき理由について、詳しく掘り下げていきましょう。

妊娠中の親子鑑定とは?

妊娠中の親子鑑定とは?

妊娠中の親子鑑定は、生まれてくる子どもの生物学的な父親が誰であるかを、出生前に確認する検査です。

以前は侵襲的な検査(羊水検査や絨毛検査など)が必要でしたが、近年では「非侵襲的出生前親子鑑定(NIPPT)」の需要が高まっています。

これは、妊婦さんの血液中に含まれる胎児のDNA断片を分析することで、胎児へのリスクなく親子関係を判定できる画期的な方法です。
妊娠6週目から検査が可能で、その精度も非常に高いとされています。※1

なぜ妊娠中に親子鑑定が必要なのか?

なぜ妊娠中に親子鑑定が必要なのか?

妊娠中の親子鑑定は、単なる好奇心を満たすためだけのものではありません。
そこには、当事者にとって非常に重要な意味が込められています。

1. 精神的な安心と準備のため

最も大きな理由の一つは、精神的な安心感を得ることです。
予期せぬ妊娠や、複数の男性との関係があった場合など、 父親が誰であるかという不確実性は、妊婦さんにとって大きな精神的負担となります。
この不安を抱えたまま出産を迎えることは、心身の健康にも影響を及ぼしかねません。
妊娠中に親子関係を明確にすることで、安心して出産に臨み、子育てへの心の準備を進めることができます。
パートナーにとっても、父親であることの確信は、子どもへの愛情や責任感を育む上で不可欠です。

2. 出生前の話し合いと協力体制の構築

父親が確定することで、出産後の子育てや養育費について、出生前から具体的な話し合いを始めることができます。
共同で子育てをしていくのか、養育費はどのようにするのかなど、事前に取り決めを行うことで、 円滑な協力体制を築くことが可能になります。
もし父親が誰かわからないまま出産した場合、これらの話し合いは出産後になり、 精神的・肉体的に負担の大きい時期に新たな課題として立ちふさがる可能性があります。

3. 法的な権利と義務の明確化

親子鑑定の結果は、法的な権利と義務の明確化に直結します。

  • 認知の請求:父親が生物学的な親子関係を認めない場合でも、親子鑑定の結果は法的な認知請求の強力な証拠となります。
    これにより、子どもは父親から養育費を受け取る権利や、将来的に遺産を相続する権利などを主張できるようになります。
  • 戸籍の記載: 出生届を提出する際に、父親の名前を記載するためにも、親子関係の明確化は重要です。
  • 養育費・面会交流の取り決め:父親が確定することで、養育費の請求や、子どもとの面会交流に関する具体的な取り決めを行う法的根拠が生まれます。

4. 出生後の混乱の回避

もし父親が誰であるか不確かなまま出産した場合、出生後に親子関係を巡るトラブルが発生する可能性があります。

出生後の親子鑑定は、子どもへの身体的負担こそありませんが、精神的な影響は避けられない場合があります。
また、もしDNA鑑定のために子どもの検体(口腔粘膜など)を採取する必要が生じた場合、 その手続き自体が精神的なストレスとなることもあります。

妊娠中に鑑定を済ませておくことで、出生後の混乱や余計なストレスを回避し、 親子ともに穏やかなスタートを切ることができます。※2

妊娠中の親子鑑定を検討する際の注意点

妊娠中の親子鑑定を検討する際の注意点

妊娠中の親子鑑定は非常に有用ですが、検討する際にはいくつか注意しておくべき点があります。※3

  • 検査のタイミング:非侵襲的検査(NIPPT親子鑑定)は妊娠6週目以降から可能ですが、検査機関によっては推奨する週数が異なる場合があります。
    早めに相談し、適切なタイミングで検査を受けましょう。
  • 信頼できる機関を選ぶ:親子鑑定は非常に重要な検査です。実績があり、信頼性の高い検査機関を選ぶことが不可欠です。 鑑定の正確性はもちろんのこと、プライバシー保護やアフターケアについても確認しましょう。
  • 費用:親子鑑定には費用がかかります。複数の機関で費用を比較検討し、ご自身の状況に合った選択をしてください。
  • 結果への心の準備:鑑定結果は、時に予期せぬものとなる可能性もあります。
    どのような結果が出ても受け止める心の準備をすることも大切です。必要であれば、心理カウンセリングなどを利用することも検討してください。

まとめ

妊娠中の親子鑑定は、妊婦さん、パートナー、そして生まれてくる子どもにとって、多くのメリットをもたらします。
父親が誰であるかという疑問を解消し、精神的な安心感を得ること。出産後の子育てについて事前に話し合い、協力体制を築くこと。
そして、子どもの法的権利を保障し、将来的な安定を図ること。これらすべてが、妊娠中に親子鑑定を行う意義と言えるでしょう。

もし今、妊娠中の親子関係について不安を抱えているのであれば、一人で悩まず、信頼できる専門機関に相談してみることを強くお勧めします。

適切な情報を得て、最善の選択をすることが、あなたとあなたの子どもにとって、明るい未来を築く第一歩となるはずです。

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【参考文献】

※1:Non-invasive prenatal paternity theory
※2:seeDNA「法的 妊娠中の親子DNA鑑定とは」
※3:Informatics-based high-accuracy prenatal paternity test

著者

薬剤師
上西 剛史(うえにし たけし)

2016年に摂南大学薬学部を卒業後、病院薬剤師として豊富な臨床経験を持つ。
その後、製薬メーカーで薬事・品質保証に携わり現在は医療機器・体外診断薬メーカーに在籍。
個人の活動としては薬学生向けに情報発信しているブログを運営している。