【専門家が解説】イギリス最初の黒人女性の正体とは
2025.12.31
ビーチー・ヘッド・ウーマン(Beachy Head Woman)をご存知でしょうか?
彼女は、1953年にイギリス南部で発見された約2000年前(ローマ支配下)の女性の遺骨につけられた名前です。
長年、頭蓋骨の形状から「サハラ以南のアフリカにルーツを持つ、イギリス最古の黒人女性の一人」と考えられてきましたが、2025年12月、ロンドン自然史博物館とUCLによる最新のDNA解析がその定説を覆しました(1)。
最新解析が明らかにした「真実のプロフィール」
研究チームは、2017年の調査時よりも10倍高い精度のDNAデータの抽出に成功し、以下の事実を特定しました。
- 遺伝的ルーツ: アフリカ系ではなく、当時のイギリス南部(現在のイーストボーン近郊)に住んでいた地元住民と一致。
- 外見的特徴: 以前の推測とは異なり、「青い瞳」「明るい肌」「淡い色の髪」を持っていた可能性が極めて高い。
- 身体データ: 身長は約152cm、死亡時の年齢は18〜25歳。
- 生活痕跡: 骨の化学分析により、地元で獲れた魚介類を主食とする、沿岸部特有の食生活を送っていたことが判明。
科学が示す考古学の新たな視点
今回の発見は、考古学における大きな転換点となりました。かつては骨格の測定(形態学)に頼っていた人種推測が、最新のゲノム解析技術によって、より客観的かつ正確に修正されたためです(2)。
これまで彼女は「ローマ帝国の多様性」の象徴として語られてきましたが、実際には地元で生まれ育った女性でした。しかし、この結果は当時の社会の多様性を否定するものではなく、むしろ「外見だけでは判断できない個人の物語」を科学が正しく描き直した好例といえます。
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まとめ
最新のDNA解析技術は、2000年の時を超えて、歴史的な誤解を解き明かしました。
ビーチー・ヘッド・ウーマンの事例は、科学的な証拠が歴史の解釈をいかにアップデートし、過去の人々の姿をより鮮明に現代に伝えるかを示しています。
【参考文献】
[1]CNN Science,2025 Dec.[2]Journal of Archaeological Science,2025 Dec.
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著者
医学博士 富金 起範
筑波大学、生体統御・分子情報医学修士/博士課程卒業
2017年に国内初となる微量DNA解析技術(特許7121440)を用いた出生前DNA鑑定(特許7331325)を開発