【専門家が解説】親子DNA鑑定のメリットとデメリット
2026.01.09
親子関係について、ふとしたきっかけで不安が生まれたり、家族の事情や手続き上の理由から「科学的に確認したい」と考える場面は珍しくありません。親子DNA鑑定は、こうした問いに対して高い確度で答えを提示できる一方、結果がもたらす心理的・社会的な影響も小さくない検査です。
ここでは、親子DNA鑑定のメリットとデメリットを、できるだけ中立に整理します。
親子DNA鑑定は何を見ているのか
親子鑑定で一般的に利用されるのは、STR(Short Tandem Repeat:短い反復配列)など、個人差が出やすいDNAの領域です。STRは法医学や個人識別の分野でも長く用いられ、各マーカーの情報はNIST(米国標準技術研究所)などの公的機関によって整理・提供されています[1]。
(※手法や評価の細部は検査機関により異なりますが、「個人差が出やすい複数の領域を組み合わせ、統計的に親子関係を評価する」という骨格は共通しています。)
メリット「親子DNA鑑定で得られる価値」
1)「疑い」や「推測」を、検証可能な形に変えられる
親子関係の不安は、当事者の感情や思い込み、周囲の噂など、検証しづらい情報から生じがちです。DNA鑑定の最大のメリットは、こうした曖昧さを、検査データと統計評価という形で扱える点にあります。
親子鑑定の統計評価(Paternity Index など)に関しては、国際法科学遺伝学会(ISFG)も推奨事項を公表しており、突然変異の扱いや評価の考え方など、実務上重要な観点が示されています[2]。
2)心理的な負担を軽減し、次の意思決定につなげられる
結果がどうであれ、「長年の疑問が整理される」「前に進む判断材料になる」という点は、当事者にとって大きな意味を持つ場合があります。
ただし、このメリットは“結果の受け止め方”に強く依存します。検査は答えを出せても、その答えをどう扱うかは家族ごとに異なるため、検査前に目的や想定される影響を言語化しておくことが重要です。
3)公的手続き・説明責任の場面で、根拠を示しやすい
家庭内の問題だけでなく、手続きや説明責任が絡む場面では、データに基づく根拠が役立つことがあります。
一方で、公的用途(法的手続き等)を想定する場合は、採取方法・書類・報告書の要件が別途求められることがあるため、事前に確認が必要です。
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デメリット「メリットと同じくらい重要な注意点」
1)結果が家族関係に与える心理的インパクト
親子関係は、科学的事実だけで成り立っているわけではありません。結果が出た後に、信頼関係や日常のコミュニケーションが揺らぐ可能性があります。特にお子さんが関わる場合、年齢や状況によっては慎重な配慮が必要です。
2)「知ること」が必ずしも幸せにつながるとは限らない
検査は「答え」をくれますが、その答えによっては、元の関係性に戻れなくなることもあります。
検査を受ける前に、どんな結果でも受け止められるか、結果を誰にどこまで共有するかを考えておくことが重要です。
3)技術面の限界(判定不能や例外の扱い)
DNA鑑定は強力ですが万能ではありません。突然変異などの例外的事象は、ISFGの推奨事項でも考慮すべき点として明記されています[1]。
また、報告書においては、結果の限界や注意点(limitations / caveats)を明確に示すことが重要であると、NIST/OSACのガイダンスでも強調されています[3]。
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【参考文献】
[1] NIST STRBase – Short Tandem Repeat DNA Internet Database[2] ISFG DNA Commission. Recommendations on biostatistics in paternity testing. Forensic Science International: Genetics, 2007
[3] NIST / OSAC. OSAC Technical Guidance Documents
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著者
農学博士/研究員:L. J.
東京農工大学大学院で博士号取得後、東京大学にて研究員として勤務。
現在は生体情報科学を専門とし、seeDNAにてデータ解析や遺伝子検査の解析技術開発に携わっている。