【専門家が解説】DNAの親子鑑定が必要なのはどんな時?

2026.01.11

親子鑑定は、「親子関係を正確に確認したい」という個人の不安の解消から、裁判・行政手続きで必要となる正式な証明まで、幅広い目的で利用されています。
本記事では “DNAの親子鑑定が必要になる典型的な場面” を、分かりやすく整理してご紹介します。

親子鑑定が必要とされる背景

親子鑑定が必要とされる背景

親子関係の確認が求められる場面は、個人の状況や生活環境によってさまざまです。外見や血液型だけでは判断が難しい場合もあるため、より確かな方法として科学的な検査を選ぶケースが見られます。
また、必要に応じて、成人後に家族関係を確認することもあります。
親子鑑定が求められる背景は、大きく分けて次の2種類に分類できます。

  • 家族内の不安を解消したい場合
    ・身近な家族関係に疑問が生じた
    ・過去の事情から、子どもとの遺伝的関係を確かめたい
    ・孫との血縁関係を確認したい
    私的鑑定(個人用鑑定)を利用
  • 行政・法律手続きのために証明が必要な場合
    ・裁判所・役所・海外機関に提出する書類として必要
    ・親権・認知・相続などで親子関係を証明する必要がある
    法的鑑定(証明用鑑定)を利用

目的が異なるため、鑑定方法や書類の扱いに大きな違いがあります。次では、目的別にどのような鑑定が選ばれるのかを分かりやすく解説します。

私的鑑定が利用されるケース

私的鑑定が利用されるケース

私的鑑定は、法律手続きに使用しない前提の、最も利用しやすい鑑定です。

よくある依頼例

  • 自分と子どもの親子関係を確認したい
  • 自分と両親(父・母)との関係を確かめたい
  • 兄弟・姉妹の関係を調べたい
  • 息子と孫の血縁関係を確認したい
  • 家族内で不安があり、第三者の検査で確認したい

特徴

  • 自宅で検体採取が可能
  • 身分証提示や立会いが不要
  • 早く結果を知りたい人にも適している
  • 結果は法的効力を持たない

「まずは自分だけで確実な情報を得たい」「家族に知られずに確認したい」というケースで最も多く利用されています。
結果を誰にも知られることなく確認できるため、プライバシーを保ちながら判断したい方に最適です。

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法的鑑定が必要となるケース

法的鑑定が必要となるケース

法的鑑定とは、裁判所や行政機関、海外機関へ正式に提出するための鑑定です。
採取プロセス(チェーン・オブ・カストディ)を厳格に行うため、証拠資料として認められます。

主に以下の手続きで必要になります

  • 離婚に伴う子の親権手続き
  • 認知手続き(任意認知・強制認知)
  • 養育費の算定・争いがある場合
  • 戸籍の修正手続き(親子関係不存在、嫡出否認)
  • 相続手続き(相続人の確定)
  • 海外での国籍取得手続き
  • 査証(ビザ)手続き(家族関係の証明が必要な場合)

法的鑑定の特徴

  • 本人確認と写真撮影を含む厳格な採取
  • 法的証拠として使用できる鑑定書を発行
  • 私的鑑定より手続きが多い

法的に確実な証明を求められる場面では、私的鑑定の結果は利用できません。
法的鑑定では、採取日時の記録、第三者立会いなど、私的鑑定にはない手順が必要になるため、証拠能力に明確な差が生じます。

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私的鑑定と法的鑑定の違い

以下に、目的別の違いをまとめました。

項目 私的鑑定 法的鑑定
主な目的 自己確認・不安解消 法的・行政手続き
法的効力 なし あり
本人確認 不要 必須
検体採取 自宅で可能 立会い・証明手順あり
鑑定書の扱い 参考資料として使用 裁判所・行政へ提出可能
費用 比較的安い 手続きがあるため高め

鑑定の種類は、目的と提出先の要件に応じて適切に選択することが重要です。

鑑定を依頼する際の注意点

鑑定を依頼する際の注意点

親子鑑定はどこでも同じ品質ではありません。
以下の点を確認することで、安心して検査を受けられます。

  • 技術レベル
    • ・STRマーカーの数[1]
    • ・解析精度
    • ・国際基準(AABB[2]/ISFG[3])に沿った手法か

  • 適切な検体管理
    • ・DNA量が少ない検体への対応
    • ・サンプルの保存と扱いが明確であるか

  • 法的鑑定への対応有無
    • ・法的手続きに必要な要件(本人確認・証拠保全手順)を満たしているか

seeDNA遺伝医療研究所では、私的鑑定と法的鑑定の両方に対応し、最新の遺伝解析技術による高精度な結果を提供しています。

まとめ

DNAの親子鑑定が必要となる場面は、主に次の2つです。

  • ● 家庭内の不安解消 → 私的鑑定
    • 親子関係の確認
    • 祖父母と孫の関係
    • 兄弟関係の確認

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  • ● 法的な証明が必要な場合 → 法的鑑定
    • 親権・認知手続き
    • 養育費・戸籍修正
    • 相続
    • 国籍取得・ビザ申請

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目的に応じて適切な鑑定を選ぶことで、確実な証明と安心を得ることができます。

【参考文献】

[1] National Institute of Justice. 2011 Mar.
[2] Journal of Law and the Biosciences. 2017 Aug.
[3] Forensic Science International: Genetics. 2007 Jun.

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seeDNA遺伝医療研究所医学博士著者

医学博士/検査員:L. L.

国際医療福祉大学大学院で臨床医学部の博士号取得後、seeDNAで検査員として勤務。
妊娠中の親子DNA鑑定の検査やデータ解析を担当している。

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