【2025年最新版】NIPT(新型出生前検査)は保険が使える?公的・民間保険、自治体支援を徹底解説
2025.10.26
妊娠中の母体血を使って、胎児の染色体疾患のリスクを調べる NIPT(新型出生前検査)。
採血だけでダウン症候群などの可能性を高精度に推定できることから、近年利用者が急増しています。
しかし「NIPTは保険が使えるの?」「自治体の助成はある?」といった疑問を持つ方は少なくありません。ここでは、2025年10月時点の最新情報をもとに、保険制度や自治体支援の現状をわかりやすく解説します。
公的医療保険(国民健康保険・社会保険)は使える?
結論から言うと、NIPTは国民健康保険や社会保険の対象外です。理由は、この検査が「病気の診断や治療」ではなく、あくまで「リスクを推定するスクリーニング検査」に分類されているためです。
日本の医療保険制度は「治療を目的とした医療行為」に対して給付される仕組みのため、NIPTは全額自己負担になります。
厚生労働省の「母体血を用いた出生前遺伝学的検査に関する指針」にも、保険適用を明示する記載はなく、検査費用は原則自費です。費用は施設によって異なりますが、一般的にはNIPTの検査費用は 10万~20万円程度です。
都道府県の支援はある?
「では、自治体による補助制度はあるの?」という点については、47都道府県いずれもNIPT検査費そのものを助成していません(2025年10月現在)。
ただし、自治体はNIPTを含む出生前検査に関して、相談支援や情報提供を行っています。
各都道府県の「女性健康支援センター」や「保健所」では、検査を受ける前の不安や倫理的な悩み、検査後の対応などを相談できる窓口が整備されています。
厚労省およびこども家庭庁が提供する「全国相談窓口一覧」では、都道府県別に問い合わせ先を確認することができます。
全国の相談センター一覧(cfa.go.jp)
このように、自治体の支援は「金銭的補助」ではなく、「情報支援」「心理的サポート」に重点が置かれています。
民間の医療保険での取り扱い
民間の医療保険(生命保険や医療保険)でも、NIPTが給付対象になるケースはほとんどありません。
多くの保険商品は、「治療行為」または「確定診断された疾患」に関連する医療費をカバーする設計になっており、検査目的の行為は対象外とされています。
例えば、入院・手術・先進医療などに関する給付はあっても、「遺伝子検査」「出生前診断」などは除外されていることが多いのが現状です。
また、NIPTは胎児側の検査であるため、母体の疾病治療とはみなされません。
海外の保険では条件付きでNIPT費用の一部~全額までの補助が受けられるケースもあるため、もし海外の保険で補償を検討する場合は、加入中または検討中の保険会社に以下を確認する必要があります:
- 出生前診断や遺伝子検査が給付対象に含まれるか
- 「診断目的でない検査」が除外項目になっていないか
- 過去の支払事例(実際に給付された例)があるか
現時点では、NIPTを明確に補償対象とする医療保険は公表されていません。
まとめ
NIPTは、妊婦の年齢上昇や技術の普及とともに急速に広がっていますが、日本の制度面ではまだ「自費検査」という位置づけが続いています。
欧米では一部国で公的保険の適用が進んでいるため、今後日本でも制度改正が議論される可能性がありますが、現状では下記のようになっています。
- 公的医療保険(国保・社保):適用外、全額自己負担
- 都道府県の助成:なし(ただし相談支援はあり)
- 民間医療保険:原則カバー対象外
- 費用の目安:10?20万円前後
検査を検討する際は、費用だけでなく、検査の意義やリスク、結果を受け止める準備についても医師・遺伝カウンセラーと十分に話し合うことが大切です。
\お腹の赤ちゃんの遺伝性疾患リスクがわかる/
【参考文献】
厚生労働省「母体血を用いた出生前遺伝学的検査に関する指針」こども家庭庁「全国の性と健康の相談センター(出生前検査相談窓口)」
NIPT総合研究所「NIPTの費用は保険でまかなえるの?」 日本出生前診断学会「出生前検査に関する情報」
NIAERU(ニアエル)「妊娠・出産と医療保険」
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著者
医学博士 富金 起範
筑波大学、生体統御・分子情報医学修士/博士課程卒業
2017年に国内初となる微量DNA解析技術(特許7121440)を用いた出生前DNA鑑定(特許7331325)を開発