NIPT(新型出生前診断)の結果はいつわかりますか?

2025.10.01

はじめに

はじめに

妊娠中の検査の一つであるNIPT(エヌ・アイ・ピー・ティー、新型出生前診断)は、母体から採取した血液を解析し、胎児の染色体異常の可能性を調べる検査です。非侵襲的で精度が高いことから、多くの妊婦さんやご家族が関心を寄せています。

NIPTを検討する際、多くの方が気になるのが「検査の結果はいつわかるのか」という点です。妊娠中の限られた期間で意思決定を行う必要があるため、結果が出るまでの時間は非常に重要な要素となります。
本稿では、NIPTの結果がわかるまでの流れ、各検査機関ごとの結果判明までの日数の目安、さらに結果を受け取る際の注意点について詳しく解説します。

NIPTの検査の流れ

NIPTの検査の流れ

結果が出るまでの期間を理解するために、まず検査の流れを整理しておきましょう。

  • 予約・カウンセリング
    検査を受ける前に、医師や遺伝カウンセラーによる説明があります。ここでNIPTの意義や限界、結果の扱いについて理解することが求められます。
  • 採血
    妊娠10週以降に、母体の静脈から10ml前後の血液を採取します。
  • 検査機関での解析
    採取された血液は、院内または外部の検査機関に送られ、cfDNAの解析が行われます。解析には次世代シークエンサーなど高度な技術が必要であり、数日から1週間程度の時間を要します。
  • 結果報告
    解析結果は医療機関に送付され、その後、妊婦さんに対して医師が説明します。陽性の場合は羊水検査などの確定診断に進む流れが案内されます。

検査結果が出るまでの日数の目安

検査結果が出るまでの日数の目安

日本国内では、NIPTの結果が出るまでの期間は通常1?2週間程度とされています。【国立成育医療研究センター】
ただし、クリニックによっては海外の検査機関に検体を送る場合もあり、その場合は輸送に数日かかるため、結果判明までの期間が延びることがあります。

一方で、近年は国内検査体制の整備や迅速検査の導入により、最短で4?7日程度で結果が出るケースも増えてきています。【seeDNA遺伝医療研究所公式サイト】

各検査機関別の結果判明までの目安

以下に、国内外の代表的な検査機関ごとの結果判明までの目安を表にまとめました。

検査機関・提供元 結果が出るまでの期間 特記事項
大学病院などの認定施設 約10日?14日 限定的な対象(主に35歳以上など)、
結果説明は遺伝カウンセラーが同席
非認定クリニック(国内解析型) 約7日?10日 国内の提携ラボで解析。迅速な報告が可能。
非認定クリニック(海外送付型) 約10日?14日 海外の検査機関に検体を送付するため、
輸送時間を含め長め
seeDNA遺伝医療研究所(国内ラボ解析) 最短4?7日 国内自社ラボ解析により短期間で結果報告可能
【seeDNA遺伝医療研究所公式サイト】

結果が遅れるケース

結果が遅れるケース

通常であれば上記の日数で結果が得られますが、まれに結果が遅れることもあります。

  • 検体不良:採取した血液に問題があった場合、再採血が必要になることがあります。
  • 胎児由来DNAの不足:母体血中の胎児DNAの割合が低いと、解析に時間がかかる場合があります。
  • 海外送付における輸送遅延:検体を海外に送る場合、天候や物流の事情により輸送が遅れることがあります

結果を受け取るときの注意点

結果を受け取るときの注意点

結果を受け取る際には、単に「陰性か陽性か」だけでなく、以下の点に注意が必要です。

  • NIPTは確定診断ではない
    NIPTはスクリーニング検査であり、陽性結果が出た場合には羊水検査などの確定診断が必要です【厚生労働省】。
  • 遺伝カウンセリングの重要性
    結果が陽性・陰性にかかわらず、検査の意味を正しく理解するためには専門家による説明が欠かせません。特に陽性の場合、今後の対応を冷静に考えるためにカウンセリングが重要です。
  • 家族との共有
    検査結果は妊婦さん本人だけでなく、家族全体の意思決定に関わります。配偶者や家族と十分に話し合い、サポート体制を整えることが大切です。

海外の事例との比較

海外の事例との比較

海外では、NIPTの結果判明までの日数は国や制度によって異なります。

アメリカ

多くの大手検査会社では5?7日程度で結果が報告されることが多いですが、保険制度や州によってはさらに早いケースもあります。

ヨーロッパ

イギリスやドイツでは公的保険制度の導入が進んでおり、国内ラボで迅速に解析できるため、1週間以内での報告が主流になりつつあります。

このように、日本でもseeDNA遺伝医療研究所のように国内解析体制を強化することで、海外と同等レベルの迅速性が確保されつつあります。

まとめ

まとめ

NIPT(新型出生前診断)の結果がわかるまでの期間は、一般的には1?2週間程度ですが、国内解析体制が整備されたことで最短4?7日程度で結果が出るケースも増えてきました。

検査機関によって日数に違いがあり、大学病院や認定施設では10?14日程度、国内解析型の非認定クリニックでは7?10日程度、海外送付型では輸送を含めて10?14日程度かかります。特にseeDNA遺伝医療研究所社では国内ラボ解析により最短4?7日で結果を受け取れることが特徴です。

ただし、検体不良や胎児DNA量不足などにより遅れる場合もあるため、余裕を持ったスケジュールで検査を受けることが望ましいです。

結果を受け取る際には、検査があくまでスクリーニングであることを理解し、遺伝カウンセリングを通じて適切に判断することが重要です。結果が出るタイミングを正しく理解しておくことで、妊娠中の意思決定や準備をより安心して進めることができます。

\お腹の赤ちゃんの遺伝性疾患リスクがわかる/

【参考文献】

seeDNA遺伝医療研究所公式サイト
厚生労働省
国立成育医療研究センター

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seeDNA遺伝医療研究所医学博士 富金 起範 著者

医学博士 富金 起範

筑波大学、生体統御・分子情報医学修士/博士課程卒業
2017年に国内初となる微量DNA解析技術(特許7121440)を用いた出生前DNA鑑定(特許7331325)を開発