【専門家が解説】DNA鑑定の精度は信頼できるの?

2025.12.01

DNA鑑定は、近年では個人の身元確認だけでなく、法律相談や国際手続きなど、さまざまな場面で利用されるようになっています。しかし、検査をご検討される方からは、

  • 結果の精度はどの程度なのか
  • 数字の読み方はどう理解すればよいのか
  • 「父権肯定確率99.99%」とは何を意味するのか

といったご質問をいただくことが少なくありません。

DNA鑑定は非常に高い精度を持つ検査です。数値の意味を正しく理解することで、その結果をより適切に評価できるようになります。
本記事では、AABB(米国血液銀行協会)や ISFG(国際法医遺伝学会)が示す国際基準を踏まえ、DNA鑑定における「精度」「父権肯定確率」をわかりやすく解説します。

DNA鑑定における「精度」とは

DNA鑑定とは?

DNA鑑定の精度とは、「別人にもかかわらず、統計的に同じ DNA 型に見える確率(ランダム一致確率)」がどれほど低いかを表す評価指標です。
現在の法医学的鑑定では、複数(20か所以上)の STR(短い反復配列)を組み合わせて DNA 型を解析します。
STR を統計的に組み合わせることで、別人が同じ DNA プロファイルを持つ確率は極めて低くなることが知られています。

高精度の根拠とランダム一致確率(RMP)

なぜそんなに当たるのか:科学的な仕組み

RMP(Random Match Probability)は、他人と DNA 型が一致する確率を示す値です。
通常、法医学鑑定での RMP は 10⁻¹⁴〜10⁻¹⁷ 程度(1兆分の1より遥かに低い) の範囲に達します。
これは、非常に高い精度で個人識別が可能であることを示します。

※RMP の具体的な値は、使用する STR マーカー数や地域別アレル頻度データベースによって変動するため、ここでは一般的に報告されている範囲のみ記載しています。

親子鑑定で用いられる「父権肯定確率」

DNA鑑定とは?

親子鑑定では、一般的に「父権肯定確率(Probability of Paternity)」として結果が示されます。
この計算の基礎となるのが 父権指数(Paternity Index:PI) で、以下の二つの仮説を比較する尤度比(Likelihood Ratio)です。

  • 被疑男性が真の父親であるという仮説
  • 無作為に選ばれた別の男性が父親であるという仮説

PI はこの二つの仮説のどちらがよりデータと一致しているかを示す指標であり、親子鑑定の統計処理は「尤度比に基づくべきである」と ISFG(国際法医遺伝学会)も公式に勧告しています。
この PI に「事前確率(父親である可能性を検査前にどう見るか、通常は0.5とされます)」を組み合わせて計算したものが、最終的な父権肯定確率となります。

父権肯定確率は「親子である確率」ではない

DNA鑑定の仕組みと流れ

誤解されやすい点ですが、

  • 父権肯定確率99.99% = 親子である確率99.99% ではありません。
  • 親子でない可能性が0.01%という意味でもありません。

実際には、「統計モデルと前提条件のもとで、被疑男性が父親である仮説が、そうでない仮説より圧倒的に支持されている」という意味です。
父権肯定確率が 99.9%〜99.99% に達する場合、科学実務上、生物学的親子関係を否定することはほぼ不可能 と判断されます。

国際基準(AABB・ISFG)と求められる精度

アメリカ血液銀行協会(AABB:Association for the Advancement of Blood & Biotherapies)は、世界的に最も信頼性の高い親子鑑定ラボ認定機関の一つです。 AABB 認定ラボでは:

  • DNA 解析手順
  • チェーン・オブ・カストディ(試料管理)
  • 統計解析の妥当性

などについて、厳しく審査されます。

多くの国際基準では、法的親子鑑定において 99%以上、実務レベルでは 99.9%以上の父権肯定確率が求められます。
米国移民局(USCIS)の手続きでも、99.5%以上の父権肯定確率が必要とされています。(科学的な実務基準とは目的が異なり、行政上の受理要件として定められた閾値である点に注意が必要です。)

信頼できる鑑定結果のために重要な点

どれほど統計的に精度が高くても、次の要素が欠ければ結果の信頼性は保てません。

  • サンプル採取手続きの適正
  • 手続きの不備
  • ラボの品質管理

科学的な精度と同じくらい、手続き面の信頼性が重要です。

まとめ

法的鑑定と私的鑑定の違い

  • DNA 鑑定は、複数の STR 解析により 極めて低いランダム一致確率が得られる高精度の検査
  • 父権肯定確率は「親子である確率」ではなく、仮説がどれだけ支持されるかを示す統計指標
  • 国際基準(AABB・ISFG)では 99.9%以上が一般的ライン
  • 結果の信頼性には、ラボの認定・手続き・品質管理が不可欠

【参考文献】

NIST / OSAC:Forensic Autosomal STR Statistical Analyses(ランダム一致確率)
ANDE:Understanding STR Analysis for Human Identification(20+座位での理論的識別力)
ISFG:Recommendations on biostatistics in paternity testing(尤度比・父権指数)
AABB:Relationship Testing Accreditation Program(国際認定基準)
NIJ:Population Genetics and Statistics for Forensic Analysts(親子確率W・事前確率)

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seeDNA遺伝医療研究所医学博士著者

医学博士/検査員:L. L.

国際医療福祉大学大学院で臨床医学部の博士号取得後、seeDNAで検査員として勤務。
妊娠中の親子DNA鑑定の検査やデータ解析を担当している。

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