【専門家が解説】親子のDNA鑑定の結果が違ったら?
2025.08.25
はじめに
「親子なのにDNA鑑定の結果が違ったらどのような影響があるの?」とお悩みではありませんか?
親子関係があるはずなのに血縁関係が否定されたり、親子関係ではないのに、血縁関係が肯定されるなど、
DNA鑑定で違う結果が出ると、親子やパートナーにさまざまな影響をもたらします。
本記事では、DNA鑑定の結果が違ったときに起こり得る6つの影響について詳しく紹介します。
1. 精神的ショックと混乱を招く

DNA鑑定の結果の誤判定により、本来親子であるにもかかわらず否定されてしまうと、
親は「信じてきた家族関係が壊れた」という絶望感を抱き、
子どもは「自分の存在が否定された」と感じて深い孤独や不安を背負うことが少なくありません。
こうした精神的ダメージは時間が経っても癒えにくく、親子間の信頼回復を困難にするだけでなく、
将来的な人間関係や自己肯定感にも悪影響を及ぼすでしょう。
2. 家族崩壊や離婚の引き金になるリスクがある
DNA鑑定で親子関係が否定されたという結果が出ると、夫婦間や家族内の信頼が大きく揺らぎ、
深刻な対立を生む可能性があります。理由は、親子関係は家族の基盤であり、
その否定は配偶者への裏切り感や不信感を強くし、関係修復を困難にするためです。
誤った結果が夫婦関係や家族への信頼を壊し、
家庭内不和や離婚、子どもの親権問題にまで発展するケースもあります。※1
一度失われた信頼は、誤判定であっても簡単には回復せず、関係が冷え込む可能性が高いでしょう。
さらに、離婚に至った場合は親権や面会交流、養育費などの法的手続きが必要となり、
精神的・経済的な負担が大きくなります。
3. 養育費や相続に関する法的トラブルが起こる可能性がある
DNA鑑定で親子関係が否定されると、養育費や相続に関する権利義務が大きく変わり、
深刻な法的トラブルに発展する可能性があります。これは、民法上の親子関係がなくなると、
養育費の支払い義務や相続権が消滅する場合があり、生活や財産の状況が大きく変わるためです。
DNA鑑定の結果が法的判断の根拠となることもあり、
誤判定により不当な養育費の支払いや正当な相続権の剥奪が生じる恐れがあります。
元パートナーがこれまで支払ってきた養育費の返還請求をされたり、
すでに受け取った相続分の返還を求められる可能性もあるでしょう。
また、誤った結果により本来受け取れるはずの養育費や相続分を失い、生活基盤が揺らぐ場合もあります。
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4. 誤って「嫡出否認の訴え」や「親子関係不存在確認の訴え」を提起する恐れがある
DNA鑑定の結果が否定的に出た場合、
本来は親子であるにもかかわらず「本当に血のつながりがない」と誤解してしまう可能性があります。
その結果を信じて、「嫡出否認の訴え」や「親子関係不存在の訴え」を提起してしまう可能性もゼロではありません。
これらの訴えは、一度提起し、判決が確定すると、戸籍の訂正や親権の変更、養育義務の消滅など、
家庭や生活に大きな影響を及ぼします。
さらに、鑑定が誤りであったと後から判明しても、法的な回復は極めて困難で、
元の状態に戻すためには複雑で長期的な手続きが必要です。
DNA鑑定は高精度とされますが、検査精度の限界(キメラの影響)やヒューマンエラー(人的ミス)により
誤判定が起こる可能性があるため注意が必要です。
例えば、不妊治療クリニックでDNA鑑定が行われ、親子鑑定が陰性であったにもかかわらず、キメラであることが分かり、
最終的に子どもの親であることが認められた父親がいます。※2
キメラであったために、3人の息子のうち2人の生物学的母親でないと判断された例※3や代理出産や
体外受精を利用した父親で、キメラが原因で父子関係が否定されたケースもあります。※4
一方、人的要因による誤りも存在します。
実際、誤ったDNA鑑定結果により父親とされていた男性が法的・社会的に親子関係を否定され、家族崩壊が起こりました。※5
このような事例もあることから、DNA鑑定は高精度だが絶対ではないという前提が裁判所で認められた例もあります。※6
5. 行政手続きや裁判における誤った判断の原因に
DNA鑑定の結果は、行政手続きや裁判で重要な判断材料として使われることがあります。
そのため、誤判定や不十分な手順で得られた結果をそのまま採用すると、重大な誤判断を招く恐れがあるので注意が必要です。
戸籍訂正や親権争いなど、誤った鑑定結果が裁判所や行政判断に影響を与える可能性があります。
裁判ではDNA鑑定の結果は高い証拠力を持つため、他の証拠を十分に検討しないまま判決が下されてしまう危険性もあるでしょう。
一度こうした判断が確定すると、その後に誤りが判明しても法的な回復を図るのは簡単ではありません。
6. 子どもの成長やアイデンティティにも影響を与える可能性がある
DNA鑑定の結果が違ったと出た場合、その影響は大人だけでなく子どもにも及びます。
特に本来は親子であるにもかかわらず、誤判定で関係が否定された場合、子どもは自分の存在やルーツに疑問を抱き、
深い混乱や不安を感じる可能性があります。
「親ではない」とされた子どもが、自己肯定感を失ったり、ショックや苦悩、裏切りを感じたりするようになるなど、
長期的な心理的影響を及ぼすことがあるので注意しなければなりません。※7
また、戸籍訂正や氏の変更が必要になる場合、学校や友人関係に影響し、居場所の喪失感を強める恐れもあります。
まとめ
誤ったDNA鑑定の結果が出た場合、その影響は精神的なショックや混乱だけにとどまらず、
家族崩壊や離婚、養育費・相続などの法的トラブル、
さらには行政手続きや裁判での誤った判断にもつながる可能性があります。※8
判定ミスによるトラブルが国内でも起こっているため、DNA鑑定を依頼する際は、
品質保証の国際認定機関に依頼することが重要です。※9
検査結果に納得がいかない場合は、
他社で再度DNA鑑定を行うセカンドオピニオンを受けることも検討するとよいでしょう。※10
あとからDNA鑑定に誤りがあったと判明しても法的に回復させるのは難しく、
長期的な心理的影響を親・子どもともに与えてしまいます。
こうしたトラブルを避けるためにも、DNA鑑定は信頼できる検査機関を選ぶことが非常に重要です。
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【参考文献】
※1:Paternity testing: poor test※2:Chimerism-induced paternity confusion
※3:Disputed maternity, tetragametic chimerism
※4:Paternity pseudo-exclusion, surrogacy
※5:Danger of unreliable paternity tests
※6:Danger of unreliable paternity tests
※7:Consequences of misattributed paternity
※8:Uncertainty about paternity
※9:seeDNA「品質保証の国際規格「ISO9001」の認証を取得」
※10:seeDNA「DNA鑑定セカンドオピニオン割引キャンペーン実施中」
著者
岡本妃香里
2014年に薬剤師の資格を取得し、大手ドラッグストアで主に市販薬や化粧品の販売を担当。
その後、2018年に医療ライターとして独立し、出生前診断や子どもの健康、医薬品、健康食品などの記事執筆に携わる。
