DNAプロファイリングとは?犯罪者特定から浮気調査まで活用場面をご紹介

2018.09.25

リライティング日:2024年11月18日

DNAプロファイリングとは個人の特異的なDNA領域を解析する技術で、犯罪捜査や災害時の身元確認だけでなく、浮気検査など日常の問題解決にも広く活用されています。

DNAプロファイリングとは

DNAプロファイリングとはDNAプロファイリングとは、「プロファイル」と呼ばれる特異的なDNAパターンを個人の検体から解析するプロセスです。「DNAフィンガープリンティング」や「DNA型鑑定」とも呼ばれ、法医学・犯罪捜査・家族関係の確認など多岐にわたる分野で利用されています。(1)

DNAプロファイリングが1980年代にイギリスの遺伝学者アレック・ジェフリーズ博士によって開発された当時は、低精度かつ低感度であったため様々なトラブルが起こりました。当時の手法はRFLP(制限酵素断片長多型)法と呼ばれ、大量のDNAサンプルが必要で、解析にも数週間を要していました。しかし、その後のPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)技術の発展やSTR(短鎖縦列反復配列)分析の導入により、最近の鑑定では1億倍以上精度が改善され、ごく微量の検体からでも正確な結果が得られる鑑定の一つとなりました。(2)

全ての人類は人種に関係なく99.9%以上の遺伝子が一致しますが、残りの約0.1%の中に人それぞれ特異的なDNA領域が存在します。この特異的なDNA領域は「多型」と呼ばれ、個人ごとに繰り返し回数が異なるSTR領域を中心に分析が行われます。現在の標準的なDNAプロファイリングでは、20箇所以上のSTR遺伝座を同時に解析することで、一卵性双生児を除いて世界中で同じプロファイルを持つ他人が存在する確率は数兆分の1以下にまで下がります。このように特異的なDNA領域を分析することで、個人のDNAプロファイルを作成することができるのです。(3)

DNAプロファイリングの仕組み ― STR分析の基本

DNAプロファイリングで最も広く使われている手法がSTR(Short Tandem Repeat:短鎖縦列反復配列)分析です。STRとは、DNA上で2〜6塩基の短い配列が連続して繰り返される領域のことで、この繰り返し回数が人によって異なるため、個人識別のマーカーとして利用されます。(4)

  1. 検体の採取:口腔内の粘膜(頬の内側をスワブで拭う)、血液、毛髪(毛根付き)、唾液、精液、爪など、さまざまな生体試料からDNAを採取します。
  2. DNA抽出:採取した検体から細胞を溶解し、DNAを精製して純粋な形で取り出します。
  3. PCR増幅:ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いて、特定のSTR領域のDNA断片を数百万倍に増幅します。これにより、ごく微量のDNAからでも十分な量の解析用サンプルを得ることができます。
  4. キャピラリー電気泳動:増幅されたDNA断片を、キャピラリー電気泳動装置にかけて長さ(繰り返し回数)に応じて分離します。蛍光標識を用いることで、複数の遺伝座を同時に検出することが可能です。
  5. プロファイルの作成と比較:得られたデータをもとにDNAプロファイル(各遺伝座における対立遺伝子の組み合わせ)を作成し、対象となる検体同士を比較して一致・不一致を判定します。

DNAプロファイリングは、様々な状況下で有用です

  • 犯罪者の特定:犯罪現場に残された髪の毛、唾液、吸殻などを用いて犯人のDNAを採取し、容疑者のDNAプロファイルと比較することで、同一人物であるかを判断することができます。日本の警察庁でもDNA型データベースを運用しており、科学捜査の重要な柱となっています。(5)
  • 犠牲者の特定:DNAプロファイルを使用して津波、地震、飛行機の墜落などの犠牲者の遺体を特定することができます。2011年の東日本大震災においても、DNA型鑑定による身元確認が大きな役割を果たしました。
  • 血縁関係の確認:DNAプロファイルを比較し、血縁関係の有無を確認することで、親権訴訟や保護者の養育費義務に影響を与える可能性があります。親子鑑定や兄弟鑑定などがこれに該当します。
  • 浮気・不貞行為の調査:残留物からDNAプロファイルを取得し、特定の人物との一致・不一致を確認することで、パートナーの不貞行為を科学的に裏付けることが可能です。

DNAプロファイリングは事件や震災、裁判のためだけじゃない

DNAプロファイリングは事件や震災、裁判のためだけじゃない多くの方は、DNAプロファイリングは事件や震災、裁判など公的な場面で使用されるという認識をお持ちのようです。たしかに、FBIのCODIS(統合DNA索引システム)をはじめ各国の法執行機関が犯罪捜査にDNAプロファイリングを活用しており、冤罪の証明にも貢献しています。(6)

しかし、この技術は誰しもが身近に利用することができます。現在では、公的な場面だけではなく、家庭的な問題を解決するためにも一般的に用いられています。たとえば、パートナーの浮気が疑われるケースや、身元不明の遺留品の持ち主を特定したいケースなど、個人レベルでの依頼が年々増加しています。

例えば、ある男性が彼女の車の中に怪しいティッシュを見つけて、彼女が他の男性と浮気をしていると疑ったとします。その男性はまず見つけたティッシュに対して精液鑑定を行うことで、そのティッシュに男性の精液が含まれているのかを判別する事ができます。精液鑑定では、精液に特有の酵素(前立腺特異抗原:PSA)を検出する方法が用いられ、ごく微量の付着物からでも精液の有無を科学的に証明することが可能です。(5)

DNAプロファイルで、浮気の可能性がわかる

DNAプロファイルで、浮気の可能性がわかる精液鑑定が精液だと示した場合、誰の精液かを確認するために次にDNAプロファイルを行います。そこでその男性自身の口腔上皮の検体を使うことで、DNAプロファイルがティッシュから得られたDNAプロファイルと一致するかどうかを比較することができます(同一人鑑定)。その男性自身のものと一致しなかったら、浮気の可能性は高くなります。

あるいは、彼女の浮気相手と思われる男性の検体を所持していれば(タバコの吸い殻や毛髪など)、DNAプロファイルが一致しているかどうかを調べる事ができますし、一致したら浮気相手を特定することができます。この検体のプロファイルを比較する技術は法医学的DNA型鑑定の一種であり、犯罪捜査においてFBIによって使用されているのと同じ技術です。

一昔前までは、交際相手が浮気をしているか確認することは難しく、不安なまま毎日を過ごしたり、浮気を証明できず悩み苦しんだりと、あきらめてしまう方が多かったのだと思います。しかし現在では、DNA鑑定技術の進歩と普及により、一般の方でも科学的な方法で事実を確認できる時代になっています。

DNAプロファイリングで分析可能な検体の種類

浮気検査をはじめとするDNAプロファイリングでは、多種多様な検体からDNAを抽出することが可能です。以下に代表的な検体の種類と特徴をまとめます。

検体の種類採取しやすさDNA検出精度
口腔上皮(スワブ)非常に容易非常に高い
毛髪(毛根付き)比較的容易高い
タバコの吸い殻比較的容易高い
精液付着物状況による非常に高い
爪・血痕状況による中〜高い

なお、毛髪の場合は毛根(根元の白い膨らみ部分)が付着していることが重要です。カットされた毛先だけではSTR分析に十分なDNAが得られない場合があります。また、検体の保存状態も結果に大きく影響するため、できるだけ早く清潔な容器に入れて提出することが推奨されます。

一般の方がDNAプロファイリングを利用するメリット

弊社の最新のDNA技術による各鑑定を一般の方々にご利用いただくことで、さまざまな人間関係の問題の解決や、より多くの人々が真実を知るのにお役に立てればと思います。DNAプロファイリングを活用することの主なメリットは以下の通りです。

  • 科学的な証拠に基づく判断:感情や推測ではなく、客観的かつ科学的な根拠に基づいて事実を確認できます。
  • 高い精度と信頼性:現代のSTR分析は非常に高精度であり、結果の信頼性はきわめて高いものです。
  • 法的手続きへの活用:DNA鑑定の結果は裁判や調停における有力な証拠として採用されることがあります。
  • プライバシーの保護:専門の鑑定機関に依頼することで、検査内容や結果が第三者に漏洩するリスクを最小限に抑えることができます。
  • 心理的な負担の軽減:疑念を抱えたまま生活するよりも、科学的に白黒をつけることで精神的な安定を取り戻すことが期待できます。

浮気検査

超高精度浮気検査

DNAプロファイリングの歴史と技術進歩

DNAプロファイリングの歴史は、1984年にイギリスのレスター大学でアレック・ジェフリーズ博士がDNAフィンガープリンティング技術を発見したことに始まります。翌1985年には、この技術が初めて移民事件における家族関係の証明に使用され、1986年にはイギリスのエンダービー殺人事件で世界初の犯罪捜査へのDNA型鑑定が行われました。

初期のRFLP法では約100ナノグラム以上のDNAが必要で、分解されていないDNAでなければ解析できないという制約がありました。1990年代にPCR技術がDNA型鑑定に導入されると、わずか数ナノグラムのDNAからでも鑑定が可能になり、法医学の分野に大きな革命をもたらしました。さらに、STR分析の標準化により、世界各国の法執行機関が共通のSTR遺伝座セットを採用するようになり、国際的なDNAデータベースの連携も実現しています。(4)

現在では、次世代シーケンシング(NGS)技術の導入により、従来のSTR分析では困難だった高度に分解されたDNAや、複数人の混合検体からのプロファイル分離もより精密に行えるようになってきています。こうした技術革新により、DNAプロファイリングの応用範囲は今後さらに広がっていくことが期待されています。

DNAプロファイリングを依頼する際の注意点

DNAプロファイリングを個人的な目的で依頼する際には、いくつかの重要な注意点があります。まず、検体の取り扱いが最も重要です。検体が汚染されたり、高温多湿の環境で長時間放置されたりすると、DNAが分解されて解析精度が低下する恐れがあります。検体を発見したら、素手で触れずにピンセットや手袋を使い、乾燥した清潔な紙封筒や容器に入れて速やかに鑑定機関に送付することが推奨されます。

また、DNA鑑定の結果を法的な証拠として活用したい場合は、チェーン・オブ・カストディ(証拠の管理連鎖)が適切に保たれていることが求められます。これは、検体の採取から分析・報告に至るまでのすべての過程が記録・管理されていることを意味し、証拠としての信頼性を担保するために不可欠です。

弊社seeDNA遺伝医療研究所では、国際品質規格ISO9001とプライバシー保護のPマークを取得しており、高い品質管理体制のもとでDNA鑑定を実施しています。検体の取り扱い方法や鑑定の流れについてご不明な点がございましたら、専門スタッフが丁寧にご案内いたしますのでお気軽にお問い合わせください。

よくあるご質問

Q1. DNAプロファイリングとDNA型鑑定は同じものですか?

A. はい、基本的に同じ技術を指します。「DNAプロファイリング」は英語圏での呼称であり、日本では「DNA型鑑定」と呼ばれることが一般的です。どちらも個人の特異的なDNA領域(主にSTR)を分析し、個人識別を行う手法です。(1)

Q2. どのような検体からDNAプロファイルを作成できますか?

A. 口腔上皮(頬の内側のスワブ)、血液、毛髪(毛根付き)、唾液、精液、爪、タバコの吸い殻、使用済みのコップやストローなど、細胞が付着しているものであれば幅広い検体からDNA抽出が可能です。ただし、検体の保存状態やDNAの残存量によっては解析が困難な場合もあります。

Q3. DNAプロファイリングの精度はどのくらいですか?

A. 現代のSTR分析では20箇所以上の遺伝座を同時に解析するため、一卵性双生児を除いて同じプロファイルを持つ他人が存在する確率は数兆分の1以下とされています。1980年代の開発当時と比較して1億倍以上精度が改善されており、きわめて高い信頼性があります。(3)

Q4. 浮気検査でDNAプロファイリングを利用する場合、どのような流れになりますか?

A. まず疑わしい検体(ティッシュ、衣類の付着物など)に対して精液鑑定を行い、精液の有無を確認します。精液が検出された場合、次にDNAを抽出してプロファイルを作成し、依頼者自身のDNAプロファイルと比較します(同一人鑑定)。一致しない場合は、第三者の精液である可能性が科学的に示されます。

Q5. DNAプロファイリングの結果は裁判で証拠として使えますか?

A. DNA鑑定の結果は、裁判や調停において証拠として提出できる場合があります。ただし、証拠としての採用可否は裁判官の判断に委ねられます。法的に有効な証拠として活用したい場合は、検体の採取方法やチェーン・オブ・カストディ(証拠の管理連鎖)が適切に管理されていることが重要です。

Q6. 一般人でもDNAプロファイリングを依頼できますか?

A. はい、一般の方でもご依頼いただけます。以前は犯罪捜査や法医学の分野に限られていましたが、現在では浮気検査、親子鑑定、血縁関係の確認など、個人的な目的でもDNAプロファイリングを利用する方が増えています。弊社シードナでは、一般の方向けの各種DNA鑑定サービスをご提供しています。

Q7. 検体の保存方法で気をつけることはありますか?

A. 検体は高温多湿を避け、乾燥した状態で保管することが重要です。素手で検体に触れるとご自身のDNAが混入する恐れがあるため、ピンセットや使い捨て手袋を使用してください。また、ビニール袋ではなく紙封筒に入れると湿気によるDNA分解を防ぐことができます。できるだけ速やかに鑑定機関へ送付することが推奨されます。

seeDNA遺伝医療研究所の安心サポート

seeDNA遺伝医療研究所は、国際品質規格ISO9001とプライバシー保護のPマークを取得している安心と信頼のDNA鑑定・遺伝子検査の専門機関です。
家族や親子の血縁関係、パートナーの浮気などにお悩みでしたら、DNA鑑定の専門家が、しっかりとご安心いただけるようサポートいたしますのでお気軽にお問合せください。

【専門スタッフによる無料相談】

seeDNA遺伝医療研究所のお客様サポート

ご不明点などございましたら
弊社フリーダイヤルへお気軽にご連絡ください。

\土日も休まず営業中/
営業時間:月~日 9:00-18:00
(祝日を除く)

医学博士 富金 起範著者

医学博士 富金 起範

筑波大学大学院 生体統御・分子情報医学 修士/博士課程卒業
2017年に国内初となる微量DNA解析技術(特許7121440)を用いた出生前DNA鑑定(特許7331325)を開発

【参考文献】

(1) Wikipedia
(2) Science Portal, 2016年2月
(3) 第2項 科学技術の活用
(4) J Biol Chem, 1997年3月
(5) J Am Geriatr Soc, 2012年3月
(6) Med J Aust, 2004年12月
電話で無料相談0120-919-097 メール・お問い合わせ
各検査の費用と期間 メール/Webからお問い合わせ