髪の毛で正確なDNA鑑定はできるのか?浮気の証拠にも使える⁉

2018.03.31

リライティング日:2024年09月16日

髪の毛でDNA鑑定ができるかは毛根の有無で決まります。父子鑑定には毛根の核DNAが必須ですが、毛根がなくてもミトコンドリアDNAで母系鑑定や個人識別は可能です。最も確実な検体は口腔上皮です。

答えは「毛根が付いているかどうかで決まります

答えは「毛根が付いているかどうかで決まります」「髪の毛1本あればDNA鑑定ができる」というイメージをお持ちの方は多いのではないでしょうか。テレビドラマや推理小説の影響もあり、髪の毛さえ手に入れれば簡単にDNA鑑定ができると思われがちですが、実際にはそれほど単純ではありません。髪の毛でDNA鑑定が可能かどうかは、毛根が付いているかどうかによって大きく左右されます。

DNA鑑定に使用されるDNAには大きく分けて2種類あり、細胞の核に含まれる「核DNA(nuclear DNA)」と、細胞内のミトコンドリアに含まれる「ミトコンドリアDNA(mtDNA)」が存在します。どちらのDNAを使用するかによって、鑑定できる範囲や精度が異なるため、目的に応じた正しい知識を持っておくことが重要です。(1)

毛根が必要なケース ― 父子鑑定には核DNAが不可欠

毛根が必要なケース ― 父子鑑定には核DNAが不可欠一般的に髪の毛のDNA鑑定というと、自然に抜けた毛や散髪した毛などを使うイメージがあります。しかし、父親と子供による父子鑑定の場合は、毛根の細胞から抽出するDNA(核DNA)が必要となるため、毛根のない髪の毛は父子DNA鑑定がほぼ不可能となります。

核DNAは父親と母親それぞれから遺伝情報を半分ずつ受け継ぐ特徴を持っており、これを「常染色体のSTR(Short Tandem Repeat)解析」と呼ばれる手法で分析することで、親子関係の有無を極めて高い精度で判定できます。毛根には毛母細胞や毛乳頭細胞といった核を含む細胞が豊富に存在するため、十分な量の核DNAを抽出することが可能です。(2)

一方、髪の毛の毛幹部分(黒い部分)はケラチンというタンパク質が主成分であり、細胞の核がほとんど残っていません。そのため、毛幹部分だけでは核DNAの抽出が極めて困難であり、父子鑑定に必要な遺伝情報を得ることができないのです。

毛根付きの髪の毛を確保するポイント

DNA鑑定用に毛根付きの髪の毛を採取する際には、以下の点に注意することが大切です。

  • 髪の毛は根元からしっかりと「引き抜く」ことが重要です(ハサミで切った毛には毛根が付きません)
  • 最低でも5〜10本程度を採取すると鑑定成功率が高まります
  • 採取後はすぐに清潔な紙封筒に入れて保管してください(ビニール袋は結露でDNAが劣化するリスクがあります)
  • 他の人の毛と混ざらないよう、1人分ずつ別の封筒に入れてください

DNA混入(コンタミネーション)のリスクに注意

また、床に落ちていたもの、湯船に浮いていたもの、ブラシに付いているものなどは、第三者のDNAが混入(コンタミネーション)の可能性があり、鑑定不能のリスクが高くなります。特にヘアブラシに付着した毛髪は複数人のDNAが混在しやすく、正確なプロファイリングを妨げる要因となります。DNA鑑定の信頼性を確保するためには、検体の取り扱いに十分な注意が必要です。(3)

毛根がなくても鑑定できるケース ― ミトコンドリアDNAの活用

毛根がなくても鑑定できるケース ― ミトコンドリアDNAの活用一方で毛根のない髪の毛でもDNA鑑定が可能なケースがあります。それは黒い毛の部分に含まれる「mtDNA」(ミトコンドリアDNA)を使用するケースです。

ミトコンドリアDNAは、細胞1個あたり数百〜数千コピー存在するため、核DNAに比べて微量の検体からでも検出しやすいという大きな特徴があります。毛幹部分にはミトコンドリアが残存しているため、毛根がなくてもDNA解析が可能なのです。(1)

両親それぞれの遺伝情報を受け継ぐ核DNAと異なり、ミトコンドリアDNAは「母系遺伝」という特徴があるため、母系鑑定には使用ができますつまり、同じ母親から生まれた兄弟姉妹や、母方の祖母と孫など、母系のつながりを確認する鑑定であれば、毛根のない髪の毛でも対応できる可能性があります。

その他に犯罪捜査や浮気調査などにおいても、ミトコンドリアDNAで個人識別が可能なため、DNA鑑定が可能です。ただし、ミトコンドリアDNAは母系の系統を共有する人々の間で同じ配列となるため、核DNAほどの個人識別精度は得られない点に留意が必要です。

核DNAとミトコンドリアDNAの違い

比較項目核DNAミトコンドリアDNA
遺伝様式両親から半分ずつ母親からのみ
必要な検体毛根付き毛髪・血液等毛幹部分でも可
個人識別精度極めて高いやや限定的

一番おすすめの検体は「口腔上皮」です

DNA鑑定において、一番確実に結果を出せるのは「口腔上皮」です。ほっぺたの内側を綿棒でこするという簡単な方法で、鑑定成功率はほぼ100%です。生まれたばかりの赤ちゃんでも安全にDNA鑑定ができます。

口腔上皮細胞は核DNAを豊富に含んでおり、採取時の痛みもなく、出血のリスクもありません。血液採取に比べて侵襲性が極めて低いため、乳幼児や高齢者を含むすべての年齢層で安全に使用できる検体です。(4)

髪の毛など特殊な検体を利用の場合は追加費用と日数が別途発生するため、可能であれば口腔上皮による鑑定を強くおすすめいたします。

口腔上皮の採取手順

  1. 採取前30分間は飲食・喫煙・歯磨きを避けてください
  2. 付属の綿棒を取り出し、ほっぺたの内側に軽く押し当てます
  3. 綿棒を回転させながら10〜20回程度こすります
  4. 綿棒を自然乾燥させてから、専用の封筒に入れて返送してください

検体の採取につきましては以下の動画もご参照ください。

髪の毛のDNA鑑定は浮気・不倫の証拠になる⁉

髪の毛のDNA鑑定は、警察が犯人を特定するために行う鑑定方法として広く知られていますが、近年では浮気や不倫の調査においても注目を集めています。髪の毛の毛根に付着している細胞から、DNAのプロファイリングを決定します。これを特定の人物のDNAパターンと比較することで、同一人物であるかを判断します。従来の指紋に比べ格段に正確な鑑定結果が得られます。

例えば、パートナーの衣服や車内から見つかった髪の毛が自分のものでも家族のものでもない場合、そのDNAプロファイルを分析することで、「少なくとも家族以外の第三者のものである」ことを科学的に証明できます。ただし、髪の毛だけで浮気・不倫の法的証拠とするには、検体の採取方法や保管状態、さらにはプライバシーに関する法的配慮も必要となりますので、事前に専門家へご相談されることをおすすめします。(5)

浮気調査でDNA鑑定を依頼する際の流れ

  1. 疑わしい髪の毛を発見したら、素手で触れずにピンセットで紙封筒に保管する
  2. DNA鑑定機関に連絡し、検査の種類(浮気検査・超高精度浮気検査など)を選ぶ
  3. 検体を送付し、鑑定結果を待つ(通常数日〜数週間)
  4. 鑑定結果レポートを受け取り、必要に応じて法的手続きに活用する

浮気
検査

超高精度
浮気検査

髪の毛以外で使える検体について

DNA鑑定に利用できる検体は髪の毛だけではありません。さまざまな生体試料からDNAを抽出することが可能であり、状況に応じて最適な検体を選ぶことが鑑定成功への近道です。

  • 口腔上皮(綿棒):最も確実で推奨される検体。成功率ほぼ100%
  • 血液:核DNAを豊富に含み、高い鑑定成功率を誇ります
  • :爪の根元に残る細胞からDNA抽出が可能です
  • 唾液:飲み残しのペットボトルや封筒の糊部分などからも検出可能
  • 歯ブラシ:使用済み歯ブラシに付着した口腔細胞からDNAを抽出できます

ただし、髪の毛を含む特殊な検体を使用する場合は追加費用と日数が発生する場合がございます。詳細については以下のリンクもご参照ください。

鑑定についてご不明な点があれば、いつでもお気軽にお問合せください。弊社はお客様のお悩みにすぐにお応えができるよう、月曜から日曜まで毎日お客様対応をしております。

よくあるご質問

Q1. 毛根がない髪の毛ではDNA鑑定は一切できないのですか?

A. いいえ、毛根がなくても毛幹部分に含まれるミトコンドリアDNA(mtDNA)を使った鑑定は可能です。ただし、ミトコンドリアDNAは母系遺伝のため、父子鑑定には使用できません。母系の血縁関係の確認や、犯罪捜査・浮気調査における個人識別には活用できます。

Q2. 自然に抜け落ちた髪の毛で父子鑑定はできますか?

A. 自然に抜け落ちた髪の毛でも、毛根部分に十分な細胞が付着していれば父子鑑定が可能な場合があります。ただし、自然脱毛の場合は毛根が萎縮していることが多く、核DNAの量が不十分になるリスクがあります。確実に鑑定を行いたい場合は、口腔上皮(綿棒)を検体として使用されることを強くおすすめします。

Q3. ヘアブラシに付いた髪の毛でDNA鑑定は可能ですか?

A. 毛根が付着していれば鑑定できる可能性はありますが、ヘアブラシには複数人の髪の毛が混在していることが多く、第三者のDNAが混入(コンタミネーション)するリスクが高いため、鑑定不能となる可能性があります。できる限り、対象者本人から直接採取した検体をご使用ください。

Q4. 髪の毛のDNA鑑定は浮気・不倫の法的証拠になりますか?

A. 髪の毛のDNA鑑定によって、特定の人物のDNAプロファイルと一致するかどうかを科学的に証明することが可能です。ただし、法的証拠として採用されるかどうかは、検体の採取状況や保管方法、プライバシーへの配慮など複数の要因によって判断されます。法的手続きをお考えの場合は、事前に弁護士やDNA鑑定機関にご相談ください。

Q5. 口腔上皮と髪の毛、どちらの検体が鑑定精度は高いですか?

A. 口腔上皮(綿棒)の方が圧倒的に鑑定精度・成功率が高く、ほぼ100%の成功率を誇ります。口腔上皮には核DNAが豊富に含まれており、採取も簡単で痛みがありません。髪の毛は特殊検体として扱われ、追加費用や日数が発生する場合があるため、可能であれば口腔上皮をお選びください。

Q6. 染髪やパーマをかけた髪の毛でもDNA鑑定はできますか?

A. 染髪やパーマの薬剤によってDNAが損傷を受けている可能性がありますが、毛根部分が無事であれば核DNAの抽出は可能な場合があります。ミトコンドリアDNAについても、毛幹部分の状態によっては鑑定できることがあります。ただし、化学処理を受けた毛髪は鑑定成功率が下がるリスクがあるため、事前にご相談ください。

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医学博士 富金 起範著者

医学博士 富金 起範

筑波大学大学院 生体統御・分子情報医学 修士/博士課程卒業
2017年に国内初となる微量DNA解析技術(特許7121440)を用いた出生前DNA鑑定(特許7331325)を開発

【参考文献】

(1) J Biol Chem, 1997年3月
(2) Crit Care, 2004年4月
(3) Chemistry, 2003年11月
(4) Gene, 2003年10月
(5) PR TIMES, 2024年7月
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