出生前DNA鑑定の採血、妊娠6週目未満でもいい?

2020.04.24

リライティング日:2025年02月01日

出生前DNA鑑定では妊娠6週目から胎児DNAが母体血中に現れ始めますが、鑑定に十分な量が得られるのは妊娠7週目以降です。胎盤形成の仕組みや妊娠週数ごとのDNA量変化を詳しく解説します。

出生前DNA鑑定と母体血中の胎児DNA ― 妊娠6週目未満の血液では鑑定できない理由

出生前DNA鑑定と母体血中の胎児DNA ― 妊娠6週目未満の血液では鑑定できない理由出生前DNA鑑定とは、妊娠中の女性の血液中に含まれる胎児由来のDNA(セルフリー胎児DNA/cell-free fetal DNA:cffDNA)と、父親候補の男性のDNAを比較することで、その男性が胎児の生物学的な父親であるかどうかを判定する検査です。結論から言えば、妊娠6週目未満の血液では胎児のDNA量が極めて微量であるため、鑑定に使用することはできません。実際にDNA鑑定として信頼性の高い結果が得られるのは、妊娠7週目以降の採血が推奨されています(1)。

一般的に、妊娠6週目ごろから胎児のDNAが母親の血液中に検出可能なレベルで流れ始めます。そして妊娠期間が進むにつれて母体血中の胎児DNA量は比例的に増加し、妊娠14週目以降はほぼ一定の割合(母体血漿中の全DNAの約10〜20%程度)で安定すると報告されています(2)。この知見は1997年にDennis Loらが初めて母体血漿中の胎児由来DNAを発見して以来、多くの研究で裏付けられてきました(3)。

胎児のDNAが母親の血液中に流れ始めるのはなぜ妊娠6週目からなのか

胎児のDNAが母親の血液中に流れ始めるのはなぜ妊娠6週目からなのかなぜ胎児のDNAが母親の血液中に流れ始めるのが妊娠6週目なのでしょうか。もっと早い時期から胎児のDNAが流れていてもおかしくないと感じる方もいらっしゃるかもしれません。この疑問を解くためには、妊娠初期における胎児の発達過程と胎盤の形成メカニズムを正しく理解する必要があります。

妊娠週数の数え方と初期の発達プロセス

世界保健機関(WHO)の定義では、最後の月経が始まった日を妊娠初日、つまり「(満)0週0日」としています。したがって、実際に排卵・受精が起こるのは「0週0日」から約2週間後(妊娠2週目前後)ということになります。ここで排卵された卵子が精子と出会い受精卵となり、やがて胎児へと成長していくわけです。

受精卵が子宮内膜に着床するまでには6〜12日を要するため、妊娠3〜4週目にようやく妊娠が成立します。着床後、胎盤やへその緒が形成され始め、受精卵は急速に細胞分裂を繰り返して「胎芽(embryo)」となり、妊娠9週目ごろに「胎児(fetus)」と呼ばれるようになります(注1:弊社ホームページでは妊娠9週未満でも便宜上「胎児」という表記で統一しています)

参考までに、一般的な市販の妊娠検査薬で陽性反応が出るのは妊娠4〜5週目ごろで、産婦人科の超音波検査(エコー)で胎児の心拍が確認できるのは妊娠6週目ごろとされています。

妊娠初期の胎児DNA量の推移

母親の血液中に胎児のDNAが存在するのは、胎盤を介して胎児由来の絨毛細胞(トロホブラスト)がアポトーシス(細胞死)を起こし、その断片化したDNAが母親の血流中に流れ込むためです(2)。胎盤やへその緒の形成が始まった妊娠3〜4週目の段階でも、理論上は胎児由来のDNAがごくわずかに母体血中に存在している可能性があります。しかし、この時期の胎盤はまだ未熟で非常に小さく、放出されるDNA量も極めて微量であるため、現在の最先端技術をもってしても安定して検知することは困難です。

妊娠週数を重ねるにつれて胎盤が発達し、母体血中の胎児DNA量は増加していきます。妊娠6週目でようやく検出可能なレベルに達し、妊娠7週目になるとDNA鑑定の精度を担保できるほどの量が得られるようになります。ただし、母体血中の胎児DNA量には個人差が大きく、同じ妊娠週数であっても血縁関係の判定に十分な量があるかどうかは、実際に検査を行ってみなければ確定できません。

妊娠3〜4週目では微量すぎて検知できない ― 採血タイミングの重要性

妊娠3〜4週目では微量すぎて検知できない ― 採血タイミングの重要性前述のとおり、胎盤形成が始まったばかりの妊娠3〜4週目では、胎児由来のDNAは母体血中に存在していたとしても検知限界以下の微量です。この時期に採血を行っても、DNA鑑定に必要な胎児DNAを十分に抽出することはできません。

さらに注意すべき点として、以下のようなケースでは母体血中の胎児DNAが検出できないことがあります。

  • 子宮外妊娠の場合:胎盤が正常に形成されないため、胎児DNAが母体血中に十分に放出されません
  • 採血時にすでに胎児が亡くなられていた場合:胎児由来のDNA放出が停止しているため検出不可となります
  • 妊娠週数の計算が正確でない場合:生理周期の乱れ等により実際の妊娠週数が想定より早い可能性があります
  • 個人差による胎児DNA量の変動:同じ妊娠週数でも体質や胎盤の発達状況により胎児DNA濃度に差が生じます
  • 双子以上の多胎妊娠の場合:胎児DNA量が通常と異なるパターンを示すことがあります

稀に妊娠7週目未満の段階で血液を提出される方がいらっしゃいますが、胎児のDNAが十分に抽出できないため再鑑定となるリスクが非常に高くなります。加えて、seeDNAの無料再検査や返金保証の対象外となってしまいますので、必ず妊娠7週目以降に採血を行うようにしてください。

DNA鑑定できるのは妊娠7週目以降 ― 採血前に行うべきステップ

ここまでの内容をまとめると、妊娠が成立するのは妊娠3〜4週目で、その後徐々に母体血中の胎児DNA量が増加し、DNA鑑定として信頼性の高い結果が得られるのは妊娠7週目以降ということになります。出生前DNA鑑定を検討されている方は、以下の手順を踏んでいただくことを強くおすすめします。

  1. 産婦人科を受診し、超音波検査(エコー)で正常妊娠であることを確認する
  2. エコーにより正確な妊娠週数を医師に確認してもらう(生理周期や最終生理日、排卵日からの自己計算は不正確なため)
  3. 妊娠7週目に入ったことが確認できてから採血を行う
  4. 採血した血液サンプルをDNA鑑定機関に送付し、鑑定結果を待つ

特に重要なのは、生理周期や最終生理日、排卵日などから自分で計算した妊娠期間は正確ではないという点です。生理不順の方や排卵日が通常と異なる方は、自己計算と実際の妊娠週数に数週間のずれが生じるケースも珍しくありません。必ず産婦人科で超音波検査を受け、医師に正確な妊娠週数を確認してもらいましょう。

» 「生理周期や排卵日で父が確認できる??」

妊娠週数ごとの胎児DNA検出状況の目安

以下は、妊娠週数ごとの母体血中における胎児DNA検出状況の一般的な目安です。個人差がありますので、あくまで参考値としてご理解ください。

  • 妊娠3〜5週目:胎盤形成初期。胎児DNAは理論上存在するが検出限界以下で鑑定には使用不可
  • 妊娠6週目:胎児DNAが検出可能なレベルに達し始めるが、鑑定精度としてはまだ不安定
  • 妊娠7〜9週目:DNA鑑定に十分な量の胎児DNAが得られる可能性が高まる。seeDNAでは7週目以降の採血を推奨
  • 妊娠10〜13週目:胎児DNA量がさらに増加し、より安定した鑑定結果が期待できる
  • 妊娠14週目以降:母体血中の胎児DNA割合がほぼ一定に安定し、最も信頼性の高い結果が得られる

DNA鑑定専門機関「seeDNA」の出生前DNA鑑定

妊娠6週で
お腹の赤ちゃんの父親がわかる

seeDNAでは、国内初となる微量DNA解析技術(特許7121440)を用いた出生前DNA鑑定(特許7331325)を提供しています。従来の技術では困難であった妊娠初期の微量な胎児DNAからも高精度な鑑定を実現しており、妊娠7週目以降であれば安心して検査をお受けいただけます(1)。

よくあるご質問

Q1. 出生前DNA鑑定は妊娠何週目から受けられますか?

A. 出生前DNA鑑定は妊娠7週目以降に採血を行うことが推奨されています。妊娠6週目から胎児のDNAが母体血中に検出可能なレベルで現れ始めますが、DNA鑑定に十分な量が安定して得られるのは7週目以降です。妊娠7週目未満で採血した場合、胎児DNAが不足して再鑑定となるリスクが高く、無料再検査や返金保証の対象外となります。

Q2. なぜ胎児のDNAが母親の血液中に存在するのですか?

A. 胎盤を構成する絨毛細胞(トロホブラスト)がアポトーシス(細胞死)を起こす際に、断片化したDNAが母親の血流中に放出されるためです。妊娠が進み胎盤が発達するにつれて放出量は増加し、妊娠14週目以降はほぼ一定の割合で安定します。

Q3. 採血前に産婦人科の受診は必要ですか?

A. はい、必ず産婦人科を事前に受診してください。超音波検査(エコー)で正常妊娠であることを確認し、正確な妊娠週数を医師に判定してもらうことが重要です。生理周期や最終生理日からの自己計算は不正確な場合があり、実際の妊娠週数とずれが生じることがあります。

seeDNA遺伝医療研究所の安心サポート

seeDNA遺伝医療研究所は、国際品質規格ISO9001とプライバシー保護のPマークを取得している安心と信頼のDNA鑑定・遺伝子検査の専門機関です。
家族や親子の血縁関係、パートナーの浮気などにお悩みでしたら、DNA鑑定の専門家が、しっかりとご安心いただけるようサポートいたしますのでお気軽にお問合せください。

【専門スタッフによる無料相談】

seeDNA遺伝医療研究所のお客様サポート

ご不明点などございましたら
弊社フリーダイヤルへお気軽にご連絡ください。


\土日も休まず営業中/
営業時間:月~日 9:00-18:00
(祝日を除く)

医学博士 富金 起範著者

医学博士 富金 起範

筑波大学、生体統御・分子情報医学修士/博士課程卒業
2017年に国内初となる微量DNA解析技術(特許7121440)を用いた出生前DNA鑑定(特許7331325)を開発

【参考文献】

(1) seeDNA遺伝医療研究所「出生前DNA鑑定」、2024年
(2) Lo YM et al. “Presence of fetal DNA in maternal plasma and serum.” The Lancet, 1997年8月
(3) Hui L, Bianchi DW. “Fetal fraction and noninvasive prenatal testing: What clinicians need to know.” Prenatal Diagnosis, 2020年2月
電話で無料相談0120-919-097 メール・お問い合わせ
各検査の費用と期間 メール/Webからお問い合わせ