【専門家監修】父権肯定確率99.99％って信頼できるの？

2025.08.01

はじめに

DNA親子鑑定で父権肯定確率99.99%は、科学的・法的にも極めて信頼できる水準です。
これは、他人のDNAが偶然一致する可能性が0.01%未満であることを意味し、実務上「事実上の証明」として扱われます。
しかし、理論上100%ではないことと信頼できる検査機関選定に注意が必要です。

この記事では、父権肯定確率の意味から検査機関を選ぶときの注意点まで詳しく解説します。

父権肯定確率ってなに？

父権肯定確率とは、ある男性がその子の生物学上の父親である可能性を示した数値です。
たとえば「99.99％」という数値は、「その男性が父親である可能性が、他の無関係な男性よりも9999倍以上高い」ということになります。
正確には「人種グループ内で偶然にも擬父と同じ遺伝子プロフィルを持っている男性がいた場合、検査に参加された疑父が生物科学父親である確率がどれぐらい高いか」という意味で、 事前肯定確率を0.5と仮定し生物学上の父親である可能性を示した数値化したものです。

なぜ99.99%で“信頼できる”といえるの？

・業界の推奨基準としてAABBが義務付けている最低99.9%よりもより厳格な基準を保証している検査機関が多いためです。
・単一の遺伝子座の一致だけでなく、複数の独立した遺伝子座のすべてが父親と一致するという統計的に極めて稀な事象が起きているためです。
この確率は、偶然に他の男性が父親である可能性がほぼゼロに等しいことを意味しており、これまでの膨大な鑑定実績によってその信頼性が裏付けられています。

出典：アメリカの司法省

99%と99.99%の違いは？

一見すると、わずか0.99%の違いに見えますが、実は100倍も差がある精度です。
国際的にはアメリカのAABBが定める99.9%を父権肯定確率の最低精度としていますが、
日本国内では、その10倍以上となる99.99%を最低保証精度をとしてDNA親子鑑定を行っている検査機関もあります。

なぜ100%にならないの？

DNA鑑定は全世界の人と比較しているわけではなく、統計的に分析された「一致の確率」を使って結果を出します。
DNA型鑑定の個人に対する識別能力は、2兆を超えるので、人種グループで同じDNAプロファイルの持ち主が存在する確率がそもそも0に近い、 万が一存在しても1,000倍以上擬父が生物科学父として相応しいとされるなら、子との血縁関係有との判定結果を覆す事は理論的に不可能とされます。

父権肯定確率は、通常、以下のように計算されます。
■尤度比ゆうどひ（Likelihood Ratio, LR）:
まず、特定の男性が父親である場合の確率（仮定された父親が実際に父親である確率）と、 無関係な男性が父親である場合の確率（仮定された父親が父親でない確率）の比率を計算します。

【父性肯定確率（PP）の計算】

と導出されます。
数式でわかるように100%となることはありえないのです。

seeDNA「100%正確なDNA鑑定は可能？DNA鑑定の精度について解説」

検査機関の選び方も重要！

99.9％という数字自体は強力ですが、検査機関の技術や手順が甘ければ意味がありません。
以下のような条件を満たす機関で受けるのが安心です。

まとめ

つまり、「父権肯定確率99.99%」は安心して信じてよい水準ですが、どこで検査するかがその信頼性の鍵です。

参考文献

参考：seeDNA「出生前DNA鑑定は信頼できる？～検査の精度と信ぴょう性～」
参考：PMC論文「How many familial relationship testing results could be wrong?」
参考：AABB（米国血液銀行協会）

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