妊娠中の胎児DNA鑑定の精度を決めるのはSNP数ではない!?
~ISO認定機関が教える鑑定精度と信ぴょう性のお話~
2022.06.07
2012年より始まった血液による妊娠中のDNA鑑定は、母体を傷つけることなく胎児の親子鑑定ができるという画期的な鑑定です。
しかし一方で、悪質な業者によって毎年ミス判定トラブルが発生するという大きな問題が存在しています。
これは出生前DNA鑑定には、一般的な出生後の親子鑑定のような世界共通の基準が確立されていないことが原因のひとつです。
こういった問題点により、出生前DNA鑑定に対して間違った情報をホームページに掲載する業者が存在し、鑑定結果が信用できないと弊社にご相談いただくケースが急増しております。
国際的な品質認証であるISO9001を取得した国内唯一の検査機関であるseeDNAは、これを検査機関全体の信頼にかかわる問題であると捉え、今回は「妊娠中の胎児DNA鑑定の信ぴょう性はどこで決まるのか」についてご説明いたします。
弊社では2016年に国内初、世界でも3番目に血液による出生前鑑定を開始し、これまで6,000件の鑑定を行い、たった1回のミス判定トラブルもございません。
これは当社では200カ所のSNPと呼ばれるDNA領域を調べることで、父権肯定確率99.99%を最低保証値とする検査を行っているからです。
一方、2012年に初めて血液を用いた出生前鑑定を開始したアメリカのD社では2,550カ所のDNA領域を調べますが、最低保証の父権肯定確率値は99.9%です。2番目にサービスを開始したオーストラリアのG社では、5,000カ所の領域を調べますが、同じく最低保証値は99.9%となります(表1)。
表1.世界中の検査機関と最低保証父権肯定確率
最低保証精度(父権肯定確率) | SNP数 | |
seeDNA | 99.99% | 200カ所 |
アメリカ D社 | 99.9% | 2550カ所 |
オーストラリア G社 | 99.9% | 5000カ所 |
なぜseeDNAは海外の検査機関と比べ、調べているDNA領域は少ないのに父権肯定確率は高くなるのでしょうか?
その答えは「解像度」です。
妊娠中の女性の血液から抽出できる胎児DNAは非常に微量であり、はっきりとDNAのシグナルを確認するためには、高い解像度によるDNA解析技術が必要となります。
逆に解像度の低い解析技術になると、多くのDNA領域を調べる必要があるため、保証できる父権肯定確率の値も低くなってしまうのです(図1)。
図1.低解像度と高解像度のイメージ
つまり、「検査するSNP数が多いほど鑑定の精度が高くなる」わけではありません。
もし、この内容をうたっている業者の場合は、DNAの知識を持たない悪質な業者といえますので、注意が必要です。
弊社の解析技術は、独自の特許技術(PCT特許出願番号:2020-208554)として認められ、東京都、JETROなど多くの公的機関からの助成金を頂き、そして前述のとおりISO9001も認証取得しております。
具体的な弊社のDNA鑑定サービスについては以下のリンクをご参照ください。
このように弊社では高度な解析手法による高解像度を確保しているため、検査するSNP数を200カ所としていますが、一方で十分な解像度を確保しないまま、解析するDNA領域の数を減らしている業者も存在しています。
最近国内で多発しているミス判定トラブルも、このように悪質な業者の検査によるものです。
専門知識のない一般の方がホームページに記載の情報を正しく理解し、悪質な業者を見抜くことは簡単ではありません。
そして人生に影響を与えるDNA鑑定で、ミス判定被害が続出している状況の中でも、政府の規制や業界の変化などにはまだまだ時間がかかります。
検査の信ぴょう性を決める大事なファクターは、「父権肯定確率の最低保証値」と「総検査件数」、そして「ミス判定の数」となりますので、DNA鑑定をご検討の際にはその点をしっかりとご確認ください。
弊社はお客様のお気持ちに寄り添うことを第一に、土日も含めたカスタマーサポートを行っております。
少しでもDNA鑑定に関して不安な思いがありましたら、まずはお気軽にお問合せください。