ヒトは1時間の歩行中、2~4分間は目を閉じて歩いている!

2024.07.04

Author

seeDNA医学博士 富金 起範 医学博士 富金 起範

筑波大学、生体統御・分子情報医学修士/博士課程卒業
2016年に国内初となる微量DNA解析技術(特許7121440)を用いた出生前DNA鑑定(特許7331325)を開発

ヒトのまばたき

まばたきの役割

我々が無意識に行っている「まばたき」ですが、起きている時間の3~8%は、このまばたきによって目を閉じているといいます。例えば、60分間のウォーキングをしたら、そのうちの2~4分は目を閉じて歩いているということです。2~4分も目を閉じて歩いているなんて、とても危険ですよね。 ではなぜ、ヒトはまばたきをするのか?今回はまばたきの役割についてご紹介をしたいと思います。

まばたきの役割の研究

まばたきは目を潤すだけではない

まばたきは、目を潤して乾燥を防ぐための行為であることはよく知られていますが、研究者のビン・ヤン、ジャニス・イントイ、ミケーレ・ルッチは、乾燥を防ぐだけの役割にしては頻度が多いため、それ以外の役割もあるのでは?と考え研究を行いました。

彼らの研究には、視力が正常な平均年齢22歳の男女12名が参加しました。偏りのない結果を得るために参加者には研究の具体的な目的を知らせず、参加者の目の動きを正確にモニターできる高度な視線追跡技術を用いた実験を行いました。

参加者は、パターンや細かさが異なる縞模様を見て、その縞模様が時計回りまたは反時計回りに傾いているかを判別する課題を与えられました。これらの縞模様は高解像度のモニターに表示され、参加者はそこに表示される縞模様の傾きを判断するというものでした。
 この実験には、視覚処理におけるまばたきの効果を判別するための2つの主要な条件が含まれおり、1つ目の「刺激-まばたき」は、縞模様がモニターに表示されているときにまばたきをするという条件で、もう一つの「非刺激-まばたき」は、モニターに縞模様が表示される前にまばたきをするという条件でした。
目の動きはアイトラッカーを用いて、参加者が指示に従っていることと、まばたきと目の動きが正確に記録されました。各実験は複数回実施して、2つの条件間でのパフォーマンスを比較するためのデータを収集し分析しました。
研究者たちは、まばたきのタイミングと条件を制御することで、観察された結果がまばたきに起因することを確認したのです

まばたきの新たな役割の発見

まばたきによって視覚処理を向上される

研究の結果、縞模様が表示される前にまばたきをした場合と比べて、縞模様の表示中にまばたきをしたほうが、縞模様の方向を識別するパフォーマンスが著しく向上することを発見しました。このパフォーマンスの向上は、回答の正確さと感度の両方で明確に現れました。
そのため研究者たちは、この改善がまばたきによって引き起こされる輝度変化によるものだと仮定したのです。輝度とは、目に入る明るさのことで、まばたきをすると目が一時的に閉じられるため、輝度が急激に変化します。これにより、目から入る視覚情報がリセットされ、脳がより効果的に視覚情報を処理するのを助けている可能性があると考えたのです。

脳および認知科学部の教授であるミケーレ・ルッチは「まばたきによって視覚入力が網膜に与える影響を調整することで、視覚情報がリセットされ、シーンの中の点を見ているときに通常経験するものとは大きく異なる輝度信号が得られる」と説明しました。ルッチたちは、この仮説をさらに検証するためモニターの表示を一時的に暗くする実験を実施しました。すると、参加者のパフォーマンスは自然にまばたきをしたときと同様に改善されたのです。これにより、まばたきではなく、輝度変化が視覚処理を向上させる原因であることが分かったのです。

この研究により、まばたきが脳の視覚情報処理に有益な輝度変化をもたらし、能力を向上させることを結論付けました。この発見により、まばたきが目を潤すだけでなく、視覚認知において重要な役割を果たしていることを示すとともに、まばたきによる一時的な視覚情報の中断を利用して視覚の鋭敏さと視覚情報の処理を改善するように進化してきたこともわかったのです。

ルッチの研究室の大学院生で論文の筆頭著者であるビン・ヤンは「我々は、まばたきによって得られる情報が観察者に利益をもたらし、視覚処理を向上させることを示した。一般的な仮定とは異なり、まばたきは視覚処理を妨げるのではなく、視覚処理を改善し、刺激の露出による損失を十分に補償するのです。」と述べています。

つまり、歩いている最中にまばたきで目を閉じても、それをカバーする視覚処理の改善があるので、まばたきをしても危険な目にあうことが少ないという解釈になるのでしょうか?それにしても、面白いことを疑問に思って研究する人がいますね。

しかし、このような疑問や研究が大きな発見に繋がり、科学や我々の行っている遺伝子検査の発展に繋がることがあります。遺伝子検査は日々進化を続け、がんや生活習慣病のリスクや性格/才能に関する遺伝的な傾向が分かる時代になりました。
もしもあなたが、本当の自分を知りたいとお考えでしたら、遺伝子検査を受けてみることをお勧めします。今まで気づいていなかった、意外な才能が発見できるかもしれません。

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