【医師が解説】NIPT陰性の精度と安心の根拠は? - 偽陰性の原因や検査の限界を医師視点で解説 –
2026.04.17
結論
NIPTの陰性結果は、対象とする染色体異常のリスクが極めて低いことを示します。ダウン症候群に対する陰性的中率は99.9%以上と非常に高精度ですが、すべての先天性疾患を否定する「確定診断」ではありません。
NIPTの「陰性」が意味する医学的定義とは?
NIPTで陰性とは、特定の染色体(21, 18, 13番)に数的異常が見つかる確率が極めて低いことを意味する非確定的な判定です。
NIPT(非侵襲的出生前遺伝学的検査)における陰性とは:検査対象となった染色体の数的異常が検出されず、リスクが基準値以下であることを指します。
- 主に21トリソミー、18トリソミー、13トリソミーを対象とします。
- この結果は、対象疾患について「低リスク」であることを示しており、確定的な「否定」とは異なります。
NIPTの精度:なぜ「陰性なら安心」と言われるのか?
NIPTは従来の母体血清マーカー検査よりも圧倒的に陰性的中率が高く、陰性と判定された場合に実際に病気がない確率は99%を超えます。
| 評価指標 | 統計数値(目安) | 医学的意味 |
|---|---|---|
| 感度(21トリソミー) | 99%以上 | 疾患がある人を正しく陽性と判定する確率 |
| 陰性的中率 | 99.9%以上 | 陰性と判定された際、実際に疾患がない確率 |
NIPTで「低リスク」でも100%安心とは言えない理由
NIPTは染色体の数の異常を調べるものであり、構造的な異常や心疾患などの形態的異常、単一遺伝子疾患は検出できません。
1. 検出対象外となる疾患
- 染色体の構造異常:転座や逆位など。
- 単一遺伝子疾患:代謝疾患などの微細な遺伝子変異。
- 形態的異常:心疾患、口唇口蓋裂などの先天奇形。
2. 偽陰性が起こる稀な要因
胎児に異常があるにもかかわらず「陰性」と出る偽陰性は、以下のような要因で発生します。
- 限局性胎盤モザイク:胎盤と胎児で染色体構成が異なる状態。
- 胎児分画(FF)の不足:胎児由来DNAが4%未満の場合、信頼性が低下します。
よくある質問(FAQ)
Q. NIPTで陰性なら、子供に障害がないと断定できますか?
A. いいえ、断定はできません。NIPTは特定の染色体異常(21, 18, 13トリソミー)を高精度で調べますが、自閉スペクトラム症、知的障害などは検出対象外です。
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【参考文献】
(1) seeDNA遺伝医療研究所(seeDNA)、2025年10月(2) seeDNA遺伝医療研究所(seeDNA)、2024年10月
(3) The New England Journal of Medicine(NEJM)、2015年4月
(4) 厚生労働省(MHLW)、2022年2月
(5) Genetics in Medicine(GIM)、2011年11月
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著者
医学博士・医師
広重 佑(ひろしげ たすく)
医学博士、日本泌尿器科学会専門医・指導医、がん治療学会認定医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定産業医、日本抗菌化学療法学会認定医、性感染症学会認定医、Certificate of da Vinci system Training As a Console Surgeonほか
2010年に鹿児島大学医学部を卒業後、泌尿器科医として豊富な臨床経験を持つ。また、臨床業務以外にも学会発表や論文作成、研究費取得など学術活動にも精力的に取り組んでいる。泌尿器科専門医・指導医をはじめ、がん治療、抗加齢医学、感染症治療など幅広い分野で専門資格を取得。これまで培った豊富な医学知識と技術を活かして、患者様一人ひとりに寄り添った医療を提供している。