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DNA鑑定による日本の犯罪捜査はどのようにして行われているのか?

日本とアメリカのFBI、DNA鑑定を用いた犯罪捜査の実態は?

日本とアメリカのFBI、DNA鑑定を用いた犯罪捜査の実態は?

科学技術や情報化社会の急速な発展は、事件解決のための犯罪捜査においても大きな影響を与えました。
中でもDNA鑑定は、犯罪捜査において犯人の特定や証拠に必要不可欠な科学技術として活用されています。

日本でDNA鑑定が犯罪捜査に初めて導入されたのは30年以上前のことですが、現在の日本の犯罪捜査では、DNA鑑定はどのように行われているのでしょうか?
日本とアメリカのFBIを比較し、DNA鑑定を用いた犯罪捜査の実態や精度の高さを合わせてご紹介します。

最も大きな違い、DNAデータベースの登録件数

最も大きな違い、DNAデータベースの登録件数

日本とアメリカの最も大きな違いは、DNAデータベースの登録件数です。
DNAデータベースは、被疑者などから同意を得て採取されたDNAが保存されており、犯罪捜査などに用いられます。
犯罪現場から収集したDNAとデータベースに保存されている人物との間で資料を照合し、犯人を割り出すというものです。

日本のDNAデータベースの登録件数は2019年時点で約130万件で、日本人の100人に1人が登録されていることになります。
一方でアメリカは、2020年時点で約1400万件を超えており、これはアメリカ人の23人に1人が登録されていることになります。
犯罪者のDNAデータベースは犯罪率を低下させるという研究結果があり(参考リンク①)、日本においてもデータベースへの照会で年間5000〜6000件が一致し、容疑者の割り出しや犯罪の解明につながっています。

DNA鑑定の精度の高さは?

DNA鑑定の精度の高さは?

今後はDNAデータベースへの登録件数を増やすことと、それに伴うDNAという究極の個人情報を取り扱うための法設備を整えることが急務となります。

DNAデータベースの登録件数はアメリカに劣る日本ですが、DNA鑑定の精度の高さはどうでしょうか?
アメリカのFBIでは、約600兆人を一人ずつ見分けられる精度をガイドラインとして示しています。
一方、日本の警察が実施するDNA鑑定では、最新の検査法で約565,000兆人に一人ずつ見分けることが可能(参考リンク②)で、より正確な個人識別ができるようになりました。
つまり、DNA鑑定の精度においては日本の方が高いといえます。
近い将来、日本のDNAデータベースは、現在の捜査限界を突破する新しい捜査法を生み出す鍵となるかもしれません。

2021年6月現在、同一人鑑定でこれほど高精度なDNA鑑定ができるのは、世界中で我々seeDNAだけ

2021年6月現在、同一人鑑定でこれほど高精度なDNA鑑定ができるのは、世界中で我々seeDNAだけ

seeDNAの高精度な法科学遺伝子検査では、現場に残された髪の毛、唾液などを用いて、個人を特定する同一人鑑定を行っております。
さらに法科学遺伝子検査なら、検体中に1%程度の微量なDNAの場合でも正確に個人のDNAを特定することができます。

全世界で行われる既存のDNA鑑定では、複数人DNAが混在する場合、特定したい個人のDNAが10%以上含まれていないと検査できないため、当社の鑑定精度は10倍優れています。
2021年6月現在、同一人鑑定でこれほど高精度なDNA鑑定ができるのは、世界中で我々seeDNAだけです。

今回は、日本におけるDNA鑑定による犯罪捜査はどのように行われているのかについて、アメリカのFBIと比較してご紹介しました。
seeDNAでは、事件現場に残された髪の毛、唾液などを用いて、犯人を特定する同一人鑑定を行っております。

法科学遺伝子検査(同一人鑑定)
お問い合わせ

参考リンク

参考リンク①
参考リンク②

鑑定項目紹介-同一人鑑定- ~お客様のニーズに寄り添うために~

鑑定項目紹介-同一人鑑定- ~お客様のニーズに寄り添うために~

弊社ではよく浮気調査や異物混入などの原因を突き止めたい、という要望を受けまして「同一人鑑定」という鑑定サービスを扱っております。 この「同一人鑑定」というものは、基本的には検体Aと検体Bは同じ人物に由来するのか、そうでないかを調べる鑑定となります。

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同一人鑑定の進め方は主に以下の2通りとなります。

  • ① まず、検体AからDNAプロファイリングを行います。DNAプロファイリングというのはDNAより個人を特定することができるデータを解析する、というものです。 その後(検体Aからデータが得られたことを確認した後)、検体Bからも同様にDNAプロファイリングを行い、検体Aの結果と比較し、同一人に由来する検体か調べます。

  • ② 検体Aと検体Bに対し同時にDNAプロファイリングを行い、比較解析を行うことで、同一人に由来する検体か調べます。

上記は、同じことをいっているように思われるかもしれませんが、鑑定2回に分けるかそうでないかで、実は大きく異なります。

①:鑑定を2回に分けるメリットとデメリット


  • 〇 比較元となる検体からDNAが抽出できない場合のリスクを最小限にすることができます(主に鑑定費用)。 (その後の鑑定に進んでいただく場合も差額を請求させていただくことになるため、最終的な基本鑑定費用は①、②のどちらを選択していただいても変わりません)

  • ✖ 2回に分けて鑑定を行うことになるため、鑑定期間が比較的長くかかります。

②:鑑定を1回で行うメリットとデメリット


  • 〇 全ての検体に対して同時に鑑定を行うため、鑑定期間が短くなります。

  • ✖ 比較元となる検体からDNAが抽出できない場合のリスクが比較的多くかかります。


nayamiこのように、鑑定期間の短さを重視するのか、あるいは費用を抑えることを重視するのか、というお客様のニーズに沿って、適切な鑑定を現在弊社ではご案内させていただいております。

DNA型鑑定で解決できることで現在お悩みでしたら、弊社の同一人鑑定やその他の鑑定サービスを是非ご利用いただくことで、問題解決の手助けをできれば幸いです。

新しいDNA型鑑定法「家族性DNAテスト」とは?活用された事例もご紹介

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同一人鑑定で犯人逮捕

40年近く未解決のままであったアメリカの連続殺人事件の犯人が逮捕されました。この逮捕には、「最新」のDNA型鑑定技術が大きく関わっています。
これまでのDNA型鑑定は、現場で見つかったDNAサンプルより得られたデータを、容疑者のDNAデータや犯罪者のDNAデータベースと直接比較し、完全に一致するのを確認することで犯人を特定する方法(同一人鑑定)でした。

新しいDNA型鑑定法は「家族性DNAテスト」

これに対し、最新のDNA型鑑定というものが従来のものとどのように異なるかというと、現場で見つかったDNAサンプルより得られたデータを、犯罪者のDNAデータベースだけでなく公共のDNAデータベースとも比較します。
この比較では、データが完全に一致する対象が見つかればもちろんそこで終了ですが、仮に完全に一致する対象がいなくても部分一致している対象がいれば、犯人の血縁者候補を割り出すことができます。
これはつまり、当人自身のDNAデータが登録されて無くとも、その血縁者のDNAデータが登録されていれば犯人を絞り込むことができる、ということです。
この新しいDNA型鑑定法は「家族性DNAテスト」と呼ばれており、少なくとも20人程度の凶悪事件の犯人がこの方法によって発見されているそうです。

そして最近、この鑑定法に関連のある興味深い研究の成果が発表されました。
その研究とは、「対象となる人口をカバーするために必要なデータ数はいったいどの程度になるのか」というものです。
結果として、対象とされる人物の8親等までの血縁者に絞るためには、調べたい人口の内、たった2%のDNAデータがあれば十分である、ということが推定されました。
この研究が正しいのであれば、日本人の人口を1.25億人とした場合、250万人のデータを調べれば全国すべてを網羅出来てしまう可能性がある、ということです。

DNA型鑑定の新たな方法の導入やDNAデータベースの充実を図ることで、犯罪の検挙率が上がるのはもちろんですが、それが抑止力となることで、そもそも犯罪自体が減ることを期待したいものです。