犬の血統確認ができるDNA鑑定。血統を調べるメリットとは?

2021.07.05

リライティング日:2025年03月09日

血統書付きの犬でもDNA鑑定で親子関係を科学的に証明することで、犬種の正確な把握や遺伝性疾患の予防、適切なしつけに役立てることができます。犬のDNA親子鑑定のメリットを詳しく解説します。

「血統書付きの犬」とは?その仕組みと限界

「血統書付きの犬」とは?その仕組みと限界「血統書付きの犬」と聞くと、それだけでとても優秀で信頼のおけるイメージが湧いてきます。血統書とは、人間に例えると戸籍謄本のようなもので、父母、祖父母、曾祖父母と3代前までの家系が明記されている公的な登録書類です。日本では一般社団法人ジャパンケネルクラブ(JKC)をはじめとする犬種登録団体が血統書を発行しており、犬種名・登録番号・毛色・繁殖者情報などが記載されています。(1)

しかし、血統書付きだからといって必ずしも安心だとはいえません。その理由として、血統書はブリーダーの申請によって発行され、団体のほとんどが申請通りに発行するという仕組みになっていることが挙げられます。つまり、申請内容の正確性を科学的に検証するプロセスが組み込まれていない場合がほとんどなのです。そのため、本当にその血統書に記載された親犬から生まれた子なのかは、ブリーダーを信用するしかないというのが現状です。

実際に、繁殖現場では複数の犬種を同時に飼育しているケースも珍しくなく、取り違えや意図しない交配が発生する可能性もゼロではありません。中には、成長に伴って顔つきや体格が犬種違いな気がするなど、血統書が本当に正しい内容か不安に思われる方もいるのではないでしょうか。近年、米国を中心に犬の遺伝子検査市場が急速に拡大しており、血統の正確性を科学的に検証しようとする動きが広がっています。(2)

今回は、犬のDNA鑑定を行うメリットを詳しくご紹介します。犬のDNA鑑定とは、親犬と子犬が同じ血統であるかを確認できる犬の親子鑑定です。ヒトの親子鑑定と同様に、マイクロサテライト(STR)マーカーなどの遺伝子多型を解析することで、親子関係を科学的根拠に基づいて判定することが可能です。(3)

血統を証明することのメリット

血統を証明することのメリットそもそも、血統書というのはどんな時に必要となるのでしょうか?ドッグショーに参加させる時や交配時に証明として必要なくらいで、実はペットとして愛犬を飼育している一般のブリーダーにとって必要とする場面はほとんどないのかもしれません。

しかし、血統を確実に証明するということは様々な面において大きなメリットがあります。犬のDNA鑑定によって血統書に記載してある親犬と子犬の親子関係が肯定された場合は、同じ血統であれば犬種が血統書通りだとはっきりとわかります。

また犬は犬種によって性格や特徴がかなり違います。そのため、正しく犬種を確認できれば性格を理解しやすくなったり、遺伝的にかかりやすい病気、食べ物のアレルギーなどがわかったりと予防がしやすくなります。コーネル大学獣医学部でも、犬のDNA検査は犬種の特定だけでなく、遺伝的な健康リスクの把握に有用であると報告されています。

DNA鑑定による血統証明の主なメリット

  • 血統書に記載された親子関係を科学的に検証できる
  • 犬種を正確に特定し、犬種特有の性格や気質を把握できる
  • 遺伝性疾患のリスクを事前に把握し、予防的な健康管理ができる
  • 薬剤(フィラリア予防薬など)に対する感受性を理解し、安全な投薬が可能になる
  • ドッグショーへの出場や繁殖計画において正確な血統情報を活用できる
  • 将来的なトラブル防止のための客観的なエビデンスとなる

犬種ごとに違う性格や特徴、病気のなりやすさ

犬種ごとに違う性格や特徴、病気のなりやすさ例えば、噛み癖や吠え癖がつきやすい犬種だとわかれば、それらを踏まえたしつけをすることができます。噛み癖は成犬になってから問題となることが多く、もし他人を噛んでしまったら大きなトラブルに発展する可能性があります。また、吠え癖はあまりにひどいと騒音問題となる場合もあります。犬種ごとの行動特性を理解しておくことは、飼い主にとっても愛犬にとっても、ストレスの少ない生活を送るための第一歩です。

その他にも運動量が多い犬種だとわかれば散歩の時間をしっかりと確保することで、運動不足によるストレスも軽減しやすくなります。たとえばボーダー・コリーやジャック・ラッセル・テリアなどの牧羊犬・作業犬グループは、1日に1~2時間以上の運動が必要とされています。逆に、フレンチ・ブルドッグやシーズーなどの短頭種は激しい運動を避け、暑さ対策に特に注意する必要があります。

犬種別に注意すべき遺伝性疾患の例

犬種グループ代表的な犬種注意すべき疾患例
大型犬ゴールデン・レトリバー、ラブラドール股関節形成不全、悪性リンパ腫
小型犬チワワ、トイ・プードル膝蓋骨脱臼、水頭症
短頭種フレンチ・ブルドッグ、パグ短頭種気道症候群、椎間板ヘルニア

また、犬種によってもなりやすい遺伝性疾患やイベルメクチン(犬によく使用するフィラリア予防薬)などの薬剤に対する中毒性などが異なるため、愛犬が病気にかかった際の対応にも参考にすることができます。特にコリー系の犬種ではMDR1遺伝子変異を持つ個体が多く、イベルメクチンに対して重篤な中毒症状を示すことが知られています。この遺伝子変異の有無もDNA検査で事前に確認できるため、投薬の安全性を飛躍的に高めることができます。

このように犬種ごとに性格や特徴、病気のなりやすさというのが様々なため、犬種を証明することによって得られるメリットは多いといえます。

犬のDNA鑑定の流れ

犬のDNA鑑定は、以下のような手順で進められます。検体の採取は飼い主ご自身でも簡単に行うことが可能です。

  1. お申し込み・検体キットの受け取り:専用の検体採取キットがご自宅に届きます。
  2. 検体の採取:口腔内スワブ(綿棒)を使って愛犬の口腔粘膜細胞を採取します。痛みはなく、短時間で完了します。
  3. 検体の返送:採取した検体を同梱の返送用封筒で研究所に送ります。
  4. DNA解析:研究所にてSTRマーカー等を用いた遺伝子解析を実施します。
  5. 結果のご報告:鑑定結果が書面またはメールでお手元に届きます。親子関係の肯定・否定が明確に記載されます。

seeDNAの犬のDNA親子鑑定について

seeDNAでは人間だけでなく、犬のDNA鑑定においても大きな実績がございます。国際基準に準拠した検査体制で、正確かつ迅速な鑑定結果をお届けしています。愛犬の血統にご不安をお持ちの方は、お気軽にお問合せください。血統書だけでは得られない科学的な裏付けを手にすることで、愛犬との暮らしをより安心で豊かなものにしていただけます。

犬のDNA親子鑑定
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よくあるご質問

Q1. 犬のDNA鑑定ではどのようなことがわかりますか?

A. 犬のDNA親子鑑定では、親犬と子犬の遺伝子型を比較し、血縁関係(親子関係)が存在するかどうかを科学的に判定できます。血統書に記載された親子関係が正しいかどうかを客観的に検証する手段として活用されています。

Q2. 犬の検体はどのように採取しますか?痛みはありますか?

A. 専用の口腔スワブ(綿棒)を使い、犬の頬の内側を軽くこするだけで採取できます。採血の必要はなく、痛みもほとんどないため、愛犬への負担は最小限です。ご自宅で飼い主様ご自身が簡単に行えます。

Q3. 血統書があればDNA鑑定は不要ですか?

A. 血統書はブリーダーの自己申告に基づいて発行されるため、記載内容の正確性が100%保証されているわけではありません。犬種の取り違えや意図しない交配のリスクもゼロではないため、DNA鑑定を行うことで科学的に正確な血統を確認できるメリットがあります。

Q4. 犬種がわかると健康管理にどう役立ちますか?

A. 犬種ごとに遺伝的にかかりやすい疾患(股関節形成不全、膝蓋骨脱臼など)や薬剤への感受性(MDR1遺伝子変異によるイベルメクチン中毒など)が異なります。犬種を正確に把握することで、獣医師と連携した適切な予防・治療計画を立てることが可能になります。

Q5. 鑑定結果はどのくらいの日数で届きますか?

A. 検体が研究所に届いてから、通常5~10営業日程度で鑑定結果をお届けしております。お急ぎの方には特急プランもご用意しておりますので、詳しくはseeDNAまでお問い合わせください。

Q6. ミックス犬(雑種)でもDNA鑑定は可能ですか?

A. はい、可能です。ミックス犬であっても親犬との親子関係を確認するDNA親子鑑定は実施できます。ただし、犬種の構成比率を調べる「犬種判定検査」とは異なるサービスとなりますので、目的に応じてご相談ください。

seeDNA遺伝医療研究所の安心サポート

seeDNA遺伝医療研究所は、国際品質規格ISO9001とプライバシー保護のPマークを取得している安心と信頼のDNA鑑定・遺伝子検査の専門機関です。
家族や親子の血縁関係、パートナーの浮気などにお悩みでしたら、DNA鑑定の専門家が、しっかりとご安心いただけるようサポートいたしますのでお気軽にお問合せください。

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医学博士 富金 起範著者

医学博士 富金 起範

筑波大学大学院 生体統御・分子情報医学 修士/博士課程卒業
2017年に国内初となる微量DNA解析技術(特許7121440)を用いた出生前DNA鑑定(特許7331325)を開発

【参考文献】

(1) 日本経済新聞, 2024年5月
(2) Cornell University College of Veterinary Medicine, 2025年10月
(3) Hum Factors, 2001年
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