DNAが突然変異した場合のDNA鑑定結果と精度についてご説明

2021.07.12

DNA鑑定の精度

DNA鑑定の精度

DNA鑑定の技術は地球の人口が約65億人に対して、21,000兆人を1人ずつ見分けられるほどの精度になっています。 そのためDNA鑑定は確実に血縁関係を証明できる手段として裁判など法的な場においても活用されています。

しかし、現代のDNA鑑定といえども、100%正確な結果であると断定することはできません。 なぜなら「DNAの突然変異」などの可能性を、完全に除外することはできないからです。

今回は、DNAに突然変異が起こる原因や、突然変異によって鑑定結果に影響する可能性があるのかどうかについて解説していきます。

DNAに突然変異が起こる原因

DNAに突然変異が起こる原因

細胞は分裂する際に同じDNAをコピーするのですが、突然変異とはDNAが正常にコピーできず、塩基配列に変化を生じることをいいます。 また、親から子に遺伝子が受け継がれる際にも、突然変異が起こり異なるDNAが受け継がれることがあります。 そして、鑑定の際に採取した細胞の一部に突然変異が起こっていると、対象者間でのDNA情報の不一致が起こり、鑑定結果に影響を及ぼす可能性があるのです。

DNAの突然変異が起こる原因としては、放射線や紫外線、化学物質の影響によりDNAが損傷するためだと考えられています。 しかし私たちの身体には、たとえDNAが損傷したとしても修復するための仕組みが備わっており、DNAの突然変異が起こりにくいようになっています。例としてDNA鑑定でよく用いられるSTR法というDNA配列を調べる方法では、突然変異が起こる可能性は平均1%程度となっています。

99.9999999%以上の父権肯定確率

DNA鑑定での99.9999999%以上の父権肯定確率

仮に突然変異が観察されたとしても、複数の箇所を検査することで限りなく正確に鑑定結果を出すことができます。 DNA塩基配列のうち特定の遺伝子の部位を意味するローカス(遺伝子座)を1カ所だけで判断せずに、13〜24ヶ所を調べることによって高い識別精度を得ることができます。

また、既存のSTR法で正確な結果が出せなかった場合でも、seeDNAの超高精度鑑定により、99.9999999%以上の父権肯定確率が確認できたケースが数多くあります。

続いては、DNA鑑定において突然変異が実際に関与した事例をご紹介します。

下半身露出などによって公然わいせつ罪などに問われた男性の裁判において、現場に残された体液と男性のDNAを鑑定した結果、DNA鑑定の結果は14ヶ所が一致、残りの1ヶ所で別の型が検出されており、全てが一致していないため2審では無罪という判決が出されました。

seeDNAでは、万が一のミスも許さないトリプルチェック体制でDNA鑑定を行っております

seeDNAでは、万が一のミスも許さないトリプルチェック体制でDNA鑑定を行っております

しかし、最高裁の判断では、この別の型が検出された部分は突然変異であるとして、第三者のDNAが混入した可能性について否定し、懲役1年の実刑判決を支持したという事例があります。

このように、DNAが突然変異した場合は、DNA鑑定の結果に影響を及ぼすことがありますが、先述の通り複数のローカスを調べることで限りなく正確に確認することができます。

また親子鑑定では、99.99%以上の父権肯定確率が得られた場合、生物学的親子であることは覆すことができないと考えられております。 しかし、DNA鑑定の結果においてエラーが起こる可能性は、0%ではないことを念頭におき、鑑定の精度だけでなく人為的なミスを含めた様々な防止対策を徹底的に行うことが検査機関には常に求められています。

seeDNAでは、万が一のミスも許さないトリプルチェック体制でDNA鑑定を行っておりますので、安心して鑑定をご依頼ください。

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